【原型師INTERVIEW 】作画・原哲夫先生、自ら監修!画のタッチを具現化して造形「ラオウ&黒王号」フィギュア制作インタビュー!

SpiceSeedより、不朽の名作『北斗の拳』の「ラオウ&黒王号」が登場!7月16日(日)開催の『SpiceSeed Festival 2023 in AkihabaraUDX』で予約受付が開始されます。約49cmという圧巻のサイズに、躍動感あふれる造形は必見!今回、原型を担当した松浦 健さんに制作の裏側をお聞きしました!

 

INTERVIEW

——このポーズで立体化された経緯を教えてください。

社長から黒王号制作のGOサインがでた時、真っ先に頭に浮かんだのはやはり2014年に発売されたゼノンコミックス『北斗の拳[究極版] 』11巻の表紙画です。それを元にラオウを騎乗させた時の見え方などを考慮して、画のままではなく上げている前脚を右脚に変更し、見せ場の一つになるであろうたてがみを、よりダイナミックに見せるため首にも捻りを加えました。

——ラオウのポーズは名シーンの部分をイメージして制作されたのでしょうか?

連載当時のカラーイラストや本編中にもあるポーズですが、黒王号のボリュームやラオウのたなびくマントなど全体を想像したとき、やはりこのポーズが一番しっくりきました。劇中のシーンを再現というよりはトータルのイメージなんですが、制作中ラオウと目線が合うたびレイからはこんな感じで見えていたのかとか思いながら作業していました。

——黒王号のたてがみやヒヅメ、筋肉などリアルに表現されていますが、立体化する際に意識したことはありますか?

気迫の表現として、目・筋肉・ヒヅメの造作には注力しました。たてがみは今回の制作の中で特に力を入れた箇所の一つです。表紙画と同じく2014年に 『月刊コミックゼノン』に掲載された特別読切「我が背に乗る者」劇中の黒王号のたてがみの表現を立体化したいと思いました。
 
結局暴れるような髪の表現を具現化するのに試行錯誤しつつ、結局たてがみを細分化して16パーツに分けることで再現しました。

黒王号に限ったことではないのですが、キャラクターを立体化するにあたり、原哲夫先生の画を研究するのと同じく実際の動物や人間の写真、解剖学の書籍なども参考にして制作しています。

——筋、血管や筋肉造形について。

『北斗の拳』の魅力はストーリーもですが、やはり圧倒的な画の力にあると思います。原先生の画を真似るのに、原先生が参考にしたであろう実在する物を想定しつつ制作しました。ボディービルダーの写真や解剖書などは常に参考にしています

——約49cmという大きさについて。

弊社の「北斗の拳」シリーズは同一スケールで展開しています。そのスケール感でいくとおのずとこのサイズになります。

——マントの造形で工夫された部分は?

造りたい、表現したいカタチはすぐにイメージできたのですが、なびくマントをそのまま立体化すると商品化の際に支柱などでマントの端を支えないといけなくなります。悩みながらも実際制作してみると、良い感じになびかせつつ、たわんだ箇所が黒王号の背に着くよう造形することで、支柱なしで成立させることができました。

——ラオウの鎧、拳王兜の造形について。

黒王号の装飾品も含め、ラオウの衣装は劇中いろいろ種類があります。毎回制作に入る前にどの衣装にするか悩むのですが、今回は一つのシーンからの抜粋ではなく、造形物として騎乗するのに向いていて見栄えが良いものを複数のシーンから選んで組み合わせ、版元様に許可を得ました。造形的には、原先生の画のタッチから素材を想像してそれを具現化しています。兜は監修時にご指示を受け、原先生のラフを元に制作しました。

——本作の見どころを教えてください。

やはりサイズの大きさは圧巻です。そして大きいだけではない造形もじっくり見ていただきたいです。

——監修はいかがでしたでしょうか?

お恥ずかしながら、私が最初に造ったものは今の黒王号とはほぼ別物です。黒王号単体での制作からスタートし、大きさの確認も含め実物大の3面図を作って社内でサイズの確認をし、造形開始。細部や馬具の制作前に一度監修していただけることになり、コロナ禍の影響で画像にて監修していただきました。

修正案を写真に直接原先生が赤線で加筆してくださっているのですが、頭部をなぞった後のそのラインは、もとの体を大きく外れていました。内容はボリューム不足。それも物凄く。ここから黒王号のボリュームアップ修正作業が始まりました。

実際に頭部を中心に指示されたラインを再現するとスケールが大きくなってしまうほどだったので、まず頭部を一回り小型化して体を大きく見せ、もとの筋肉造形の盛り上がりを増す方向で修正していきました。

自分なりに理解し盛ってボリュームアップしているのですが、監修していただくこと数回、なかなかOKをいただけず、社内の意見ももっと盛れと。どうにももとの造形に盛る方法では限界がきて、最終的に骨格から見直してバランス変更し、完成に至りました。

ラオウに関しては顔の細部への修正指示と兜のデザインについて変更のご指示をいただきました。劇中に全くないわけではありませんが細部などは今回オリジナルデザインの兜になります。

——立体化された際に一番苦労した部分を教えてください。

キャラクターイメージですね。バランス、ボリューム、みなさんそれぞれにそのキャラのイメージを心に持っています。今回、あらためてキャラクター造形の難しさを学びました。

——完成までのワークフローを教えてください。

サイズ出し→社内検討の為の図面制作
あとはひたすら造形するのみです。

——使用した材料を教えてください。

装飾物なども含め制作は全て手原型となります。
サイズも原型を3Dスキャンし拡大をしたわけではなく、商品サイズの原型を制作しました。
造形素材は、スカルピー、ファンド(石粉粘土)です。手原型ならではの造形の良さも感じてもらえると嬉しいです。

——購入をご検討中の方やファンの皆さまに一言コメントをお願いいたします。

私の至らないところもあるのですが、常識的には考えられないほど物凄く長い時間をかけて制作した黒王号とラオウです。SpiceSeedの魂がこもっている商品です。よろしくお願い致します。

 

商品情報

商品情報
仕 様/塗装済み完成品
素 材/レジンキャスト
サイズ/本体全高約 49cm
商品内容/ラオウ&黒王号

■価格
298,000円(税込327,800円)

■商品発送時期
受注日から10ヶ月

※商品発送時期は、あくまで「予定」となります。
※商品の製造上等の都合により変動する場合がありますので確約された発送時期ではありません。
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※商品は準備が整いましたら順次発送を行います。
 発送完了後、ご登録いただいておりますメールアドレス宛てに出荷のご案内メールをお送りいたします。
※個別の納期確認のお問い合わせは、ご対応致しかねますので予めご了承ください。
※送料は商品1つにつき3,000円(税込)となります。

 

 

販売(予約受付)情報

SpiceSeedフィギュアの祭典『SpiceSeed Festival 2023 in AkihabaraUDX』を2023年7月16日(日)に開催いたします。イベントでは、彩色原型を初展示し、会場にてご予約受付を行う予定です。

 

 
                                     
 
©武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GW-908
 
 
 
 

「北斗の拳 40周年大原画展〜愛をとりもどせ〜」
2023年秋、東京・森アーツセンターギャラリーにて開催決定!!

©武論尊・原哲夫/コアミックス 1983

北斗の拳 40周年大原画展 ~愛をとりもどせ~
 

会場:森アーツセンターギャラリー(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー)
会期:2023年秋
主催:東映株式会社、株式会社コアミックス

 

 

公式ホームページはこちら                                     
 

Profile

原型師
松浦 健
1968年生まれ。
フリー原型師として約25年間活動、現在はスパイスシードに所属。
漫画、アニメ、特撮主に男性キャラクターの商業原型を制作。