第2回「スカルプターズ・ラボ」造形コンペ選考会審査員対談【前編】  竹谷隆之×大山竜×塚田貴士×大畠雅人×植物少女園/石長櫻子×タンノハジメ

第2回「スカルプターズ・ラボ」造形コンペ選考会を終えて、応募作品への感想を対談形式で公開!本誌に載せきれなかった審査員の熱いコメントをぜひお楽しみください。

第2回「スカルプターズ・ラボ」造形コンペ受賞作品

大賞作品【No.66】袁星亮「茹鸢」

竹谷隆之(以下、竹谷):完成度は申し分ないですよね。バランスが取れていて全部が素晴らしかったです。

大山竜(以下、大山):中国で既に活躍されているプロの原型師の方なんですよね。

タンノハジメ(以下、タンノ):元々は粘土原型の方ですか?

大山:そうだと思います。スカルピーとか。

塚田貴士(以下、塚田):過去作は顔は粘土で作って建物のところはデジタルだったと思います。

竹谷:動物とかロボットとかが一緒に何かをしているっているのが大好きなのでやられましたね。犬と一緒に狩りをするというシチュエーションが僕はもう……(笑)。あとはデザインのセンスもそうですし、どうやって立たせているんだろうなど強度計算ができてるというのも素晴らしい。動いている瞬間を止めるというセンスがプロ中のプロじゃないですか。ちゃんと走っているように見えるし。

大山:犬の目線がいいですよね。

竹谷:ね。ちゃんと協力しているのがわかる。

大畠雅人(以下、大畠):犬、片足で立ってるんですね。

竹谷:ポージングが全て空間構成に直結してるっていうのが素晴らしいですね。

大山:ちょっとオーバーキルですけどね(笑)。

竹谷:説明しすぎなのかもしれないですが、そんなに生花的になっているわけでもないので、ちゃんと動いてる途中っていう。

大山:生花的。世の中には生花的な作品もあるということですね。

竹谷:僕は気をつけるようにしています。

大山:その生花的な造形とは。

竹谷:空間構成的にバランスを取りすぎてまとまってるけど……みたいな。デザインのことを語るときにはよく使われる表現ですね。生花業界には……まずいですね(笑)。すみません、ホントの生花の世界はもっと深いと思います!

大山:悪い意味でフィギュア的って言われたらイラッとしますもんね。

竹谷:うしろの植物の造形も疾走感を出している。

大山:植物はデカいんですかね。アバターみたいな世界観なのかもしれない。

竹谷:食虫植物にせず、普通の植物に見えるのがまたいいですよね。走る鳥みたいな機械生物もデザインが独特で、どの既存の作品にもあまりなく独自感もあって素晴らしいです。

大山:完成度の高さとか構成力、デザイン力が完璧。動物とか人間とかって別ジャンルだと思うんですよ。でもどれも完成度が高くて自分には絶対にできないようなことをやってる。塗装のセンスや配色センスも素晴らしい。うますぎてもうあまり言う事がない(笑)。

塚田:全体のディテールのクオリティの高さとか、竹谷さんもおっしゃってた鳥のような機械も僕だったら鳥山明さんみたいになっちゃうけど袁星亮さんのタッチでデザインされてるのがいいですね。羽のディテールなど、高木アキノリさんの小さいドラゴンとか動物などを見た時に感じる「すごい!」というのをこの作品にも感じました。

竹谷:ちゃんと刺された瞬間のようなポーズもすごいですよね。

大山:これ、横位置が正面みたいな作品だと思うんですけど、真正面から見てもすごく絵になるんですよね。

タンノ:横だと人の顔は見えないですね。

竹谷:状況はわかるけど人の顔が見えるとなると前に回ることになりますよね。ぐるぐる回して楽しそうですよね。

竹谷隆之賞【No.13】陸玖「鐘馗」

竹谷:オーブン粘土でのびのび作っているのが伝わってきます。最近この感じを忘れているんじゃないかなって思いましたね。
50cmくらいあるみたいでパワフルでいいですね。なにより勢いがありますから、拡大しても全然大丈夫です。でもこんなに大きいとヒビ割れて大変だったんじゃないかな。右手がないのはなんでだろう。作っていてなくていいや、となったんですかね。

大山:足も片方しかないですからね。

竹谷:この自由さにエールを送りたいと思います。

植物少女園/石長櫻子(以下、石長):背中の筋肉の盛り上がりもすごいですね。

竹谷:はだけていて結構背中も見えますね。すごい。

石長:背中の筋肉がすごいのに、正面から見た時の筋肉はそこままででもないのがまた自由さを感じますね。それなのに勢いがあるから説得力もあって。

竹谷:バランスで見ていそうですよね。背中だけをゴリッと。

タンノ:見えてるところ全てがもりもりじゃないのがいいなと思います。チラ見せのところに結構深い溝がある感じが造形としてリズムがあって、魅力が増しているんじゃないかなと思います。お腹周りは現実の筋肉の感じとはまた違って、金剛力士像とかあっち系。お腹が出てるけど筋っぽいラインが出ている感じがすごくいいなと思います。

竹谷:こういう勢いのある系の作品はどんどん作ってほしいですよね。右手なくていいや!とか左足なくていいや!ってできる人はどんどん作ってほしい。形として自分の美を追求するほうが大事ですからね。応援しています。

大山竜賞【No.29】B2「改造人間鋏」

石長:わかりやすくていいですね、改造人間鋏。

大山:右手と左手それぞれに手が2つあって、恋人繋ぎみたいになっていて九字の印的なものを感じます。これを思いついてやりたかったんだろうなって。

竹谷:鋏虫なんですよね?挟むということをちゃんとやっていて。

大山:海洋甲虫類で特定の生き物はないみたいですね。

竹谷:シャコ的な?腕を鋏にしたかったのが伝わってきていいですね。

大山:塗装も模型的に見てもすごく丁寧で、配色も少しポップにしているあたりにセンスを感じました。

タンノ:ポップですよね。こういう作品ってもっと渋くてグロくなることが多いけど、意外でした。

竹谷:実在感よりはデザインしました感。

大山:喋りそうな感じもするんですよね。「今日はこのくらいにしといてやろう」とか。そういうものを見て育ったんだろうなって。独自性もあっていいですね。この赤い指がムカデの足みたいに見えるところも素敵です。

 

塚田貴士賞【No.15】METACHEN×EggyYueh「トイス隊」

塚田:自分が隊長になって、おもちゃの兵隊たちを引き連れて行進する。かわいい!写真もすごく上手です。主人公が際立つようにライトアップしているのもよかった。顔もかわいく塗られていて服のデザインも鎧のフォーマットなんだけどかわいくて柔らかそうな質感で。

竹谷:全部がすごくよく考えられていますよね。

大畠:Marvelous Designerで鎧を作ったそうです。服のシミュレーションソフトで鎧を作ってるのが面白いですね。

タンノ:Marvelous Designerで鎧を作る人っていないですよね。

大畠:普通に布をシミュレーションするソフトなので、ふわふわな鎧を作るために使うというのは新しい着眼点な気はします。

塚田:おもちゃの兵隊でいっぱいキャラクターがいて、これだけまとまっているというのが素晴らしいです。新しいことをしつつまとまったデザインに落とし込めている。このベースというか、下の柔らかい床も実際にあるものを使っていてすごくまとまりがあります。

竹谷:やっぱり人間が真ん中にいると表情に目がいくので、表情もすごくいいなと思います。おもちゃのデザインも、ちゃんと作品のためのデザインになっていて、目を引きました。小さくて手のひらサイズというのもかわいらしさの強調にもなる。甲冑を着ているということは部隊なんでしょうから、そういう妄想が形になっているのがすごい。立体というのはゴリっと現実になるので、妄想を現実にしちゃう心意気が素晴らしいです。動き出しそうですね。

大畠:色の滲ませ方も上手ですよね。多分全部の影に紫を入れて統一感を出してるんですよねきっと。

竹谷:うん、色すごい。絶対に絵も描ける方ですよね。

大畠:きちんと部分部分にマスクして塗るというよりは、あえてはみ出させて滲ませてる感じが絵画的で色が本当にうまい。

タンノ:僕も小さいのがまたいいなと思いました。小さいからこそ解像度が高すぎない、色むらの感じが作品に特徴を与えているなと。大きくなくてもこういう味わい深さが出せるんだなと気づきました。

竹谷:女の子もちょっとぽっちゃりなのがいいですよね。

タンノ:リアルな体つきですよね。

大畠雅人賞【No.54】銀のす「面狩り(おもがり)の巡礼」

大畠:結構みなさんも選ばれていましたよね。

竹谷:本当は大好きなんです。

大畠:僕は今回ダントツで印象に残りました。パッと見てデザインとストーリーと構成が全部ハイクオリティ。特にストーリー面で、このクリーチャーが全部人間の皮膚で作ったものを着ていて、帯も内臓、ランタンが人間の顔なんて、ダントツで「こいつやばい」というのが伝わってくる。死とか疫病みたいなものを体現しているように見えて、大量のネズミは、本当はクリーチャー自体は見えてないんじゃないか、ネズミの大群が表す歴史的な死とか疫病の象徴のように見えて、文学的な背景を台座で感じました。そこにグッときました。解説を読むより読まずに見た方が面白かったです。

大山:ネズミの話は解説に書かれていないですもんね。

大畠:自分で想像して補完できるところがとてもたくさんあって、クオリティももちろん高いしレンダリング上の色の付け方もすごく上手だしグッときました。出力を見てみたいです。

竹谷:僕『ウォーキング・デッド』が大好きなんですが、日本の江戸時代を舞台にした『ウォーキング・デッド』に出てきそうですね。

大山:帽子のところは手になってる……手袋みたいなのを貼ってるんですかね。

大畠:皮じゃないですかね……徹底的に人体で構成していますよね。

大山:僕これ見た時にやりすぎだとも思ったんです。こういうのを作ろうとした時にグロテスクになりすぎたらあかんのかなっていうブレーキを僕はかけるんですよ。でもこの人はそういうものが大好きで。

竹谷:ブレーキを外していますよね。

大山:そう、全開でここに出してきて、こういうものが日の目を見る世界ってそんなにないと思うんですよ。

塚田:銀のすさん、前回投稿されてた作品も結構グロテスクでしたよね。

竹谷:ちゃんと世界観をお持ちなんですね。素晴らしい。本人に会いたいやら会いたくないやら。

大畠:台座が丸とか四角じゃないのも好きなんですよね。乱雑に切ってるけど無駄がなくて流れがある感じが。

竹谷:これで円とか幾何形態の上に乗っけちゃうと歩いてるのが止まっちゃう感じもありますよね。

大畠:ネズミの勢いの塊が台座になってるのが面白いですね。

タンノ:クオリティも申し分ないですし、レンダリングも上手ですよね。最初出力品だと思って見ていましたが説明見たらKeyshotと書いてあったのでびっくりしました。手からぶら下がってる提灯も角度がついていて、実際に出力したときにこの角度で飾るのは難しそうだなと。フィギュアにした時にどうなるのかまた楽しみですよね。

大山:わざと歪ませているのはフラフラ歩いている感じを演出してるということですよね。すごい、僕だったら何も考えずにまっすぐ作っちゃってるかもしれないです。

タンノ:随所に動きを感じるのがいいなと思いますね。手の皮の帽子をこいつが自分でちまちま丁寧に作ってるのかと思うとちょっと面白いです。

大山:これ誰も選ばへんやろって思いながら、2番目とかに選んでいましたけど、大人気でしたね。

竹谷:死の香りがしますね。

石長:宮古島に、泥をつけて歩くパーントゥというお祭りがあってそういうイメージというか。

大畠:パーントゥは泥をつけられたら病気にならないとかそういう感じですよね?

石長:でもこっちは病気になりそうですよね(笑)。

タンノ:病気の化身みたいな。

大畠:僕はグロいわりに上品だなと思いました。

大山:竹谷さんだったら蛆虫つけますか?

竹谷:作例だったらつけます。でもこの決め事を作ってそれに忠実に作っている感じが半端なくていいですね。どういう事ができるのかっていうのをちゃんと全部やってぶちこんでるというのが。色々と妄想して面白いですね。

植物少女園/石長櫻子賞【No.98】塩田絵里「薄暮の女王」

石長:全体的なシルエットが作品としてまとまっている。作者の中に完成形があって、それを1枚の絵として出してるところがすごく気に入ったというか、魅せ方がうまくイメージを表現しきっているなと。造形もオーラがあって、クリーチャーとしてだけでなく神聖な感じがいいなと思いました。女性的な部分も感じるところがうまいな。イメージでPhotoshopで着色した最終的な画像(下)もすごくいいんですが、色を塗っていないものも雰囲気があって綺麗で選びました。蛾モチーフなので虫っぽさもありつつ神々しさもあってすごくいいですね。

竹谷:彩色前は神聖な感じというか怖美しい感じがあります。目の配置など怖いけど怖がらせるのではなく、美しい方へもっていこうと。蛾をモチーフにするともっとライダー怪人ぽくなりがちなんですが、独自感があって空間の配置も上手いですね。

塚田:右横からの画像も下半身はすごく虫感があって隙間もあってシルエットがかっこいい。

大畠:かっこいいというより神秘的で薄気味悪いみたいなところに着地しているのが、モチーフから意外性があって面白いですね。

石長:神秘性が出ているところがすごくいいですよね。

大畠:蛾の羽の目のマークから着想しているんですかね。

竹谷:目をつけていますもんね。あまり怪人デザイン的に整理しきっていないのがまたいいですね。整理しきっていない流動感があるのが神秘性とか美しさにきちんとつながっている。

石長:キャラクターとしてまとまっていないというか怪人っぽさはないですよね。作品としている感じで。

大畠:羽をぐるっと丸めてお腹から下は見せないようにして、その流れと一緒に木を配置してるから顔のあたりをバーンと見せてあとは絵画でストロークでやったようにぼかしているように見える。絵画的な見せかたのバランスがすごくありますね。

石長:見せたい部分が顔だ、とちゃんと意識的にできているなと。大山さんが選ばれたNo.29と対極ですね。No.29はキャラクター的な作品なのに対しNo.98はあまりキャラクターをおしてきていない感じがまた面白いなと思います。

竹谷:ちゃんとストーリーもあって指先をよく見たら蛾が止まっているしリレーションシップがありそうだし……素晴らしい。

編:出力品を見てみたいですね。

竹谷:これも出力品じゃないんですか、レンダリング?

編:レンダリングです。

タンノ:出力になると細いところが多いからポキポキ折れそうですね。

大畠:出力、複製を考えるか考えないかでだいぶ作り方も違ってきますね。

竹谷:純粋に作品になってきますよね。

タンノハジメ賞【No.46】陳捷璘「川太郎の魚屋」

タンノ:見た瞬間にこれが一番だなと。まとまってるし、それぞれ見所も多い。河童としての背中側のデザインも。

竹谷:肉っぽいんですよね。

タンノ:亀だと肋骨が変形して甲羅になってると思うんですけど、それを踏襲しつつ独自のアレンジをしていて、ディテールを見ても結構味わい深いですし、ヴィネットとしてそれぞれ表情が違う。タコが包丁を差し出しているのも可愛いですし、諦め顔の魚もいいですし、見所が多いなと思いました。粗が見えない感じもいいなと思って。

竹谷:これデジタルなんですかね?

石長:粘土やレジンって書いてありますね。

竹谷:ぷにっとした肉っぽいところやタコっぽいところを作るのが楽しい!というのが伝わってくるのもいいですね。

大山:全部がクオリティが高い。たとえば台座のまな板みたいな木とか苔がちょっと濡れてたりするじゃないですか。タコも全体的にツヤがあるというより、きゅっと曲がったところに水が溜まっている感じとか、細かい質感表現がいい。足と床の境目にちょっと水が溜まっている感じまで気を配れているところがすごいな。色味が全体的に地味だから、僕だったら臆病だから差し色入れようかなとか思いますけど、そういうことを一切せずこれだけで仕上げているのがすごいですよね。

竹谷:河童を肉色にしたのが勇気ありますよね。肉っぽいのが作りたいんだっていうのが(笑)。

大畠:お尻がぶつぶつ……。

石長:鶏皮みたい。

タンノ:伸びそうな感じがありますよね。

竹谷:本当に作っていて楽しいんだろうなって思いますね。

タンノ:実物を見たいですね。質感とか実物で小さいツヤまで見たいです。

大畠:シンプルに骨と肉とか生き物に対する解像度が高いですね。解像度が高いから架空の生き物にも説得力があるんだろうな。

竹谷:この魚って実際に似たのいますよね。

タンノ:ニュウドウカジカですね。釣り上げる前はちゃんと魚の顔をしてるんですけど、釣り上げると水圧でこの顔に。実際のニュウドウカジカよりもキャラクターっぽい感じでそれもまたいいなと思いました。リアルにしすぎなかったのが全体の調和をとっている。

竹谷:ワールド感がちゃんとありますね。

大山:ニュウドウカジカで深海に住んでるということは海の生き物じゃないですか、でもこの河童はどこに住んでるんだろうとかね。

竹谷:タコも海ですもんね(笑)。

SK本舗賞【No.64】マンノ大輔「TRIP 2 DREAM」

竹谷:最初向かって右にある手が本人の手を写してるのかな。

石長:私も思いました。

竹谷:これはシンデレラなんですかね。でも悲壮感がなくて明るいですよね。

石長:ファンタジー的な感じなのに現代的な室外機があったりして面白いなと。

竹谷:これ細かいところまで作者の中に理由がある気がする。室外機、外ですよという記号なんですかね。

石長:手が右側から出ているのは物語と現実を表しているのかな。

竹谷:本の中のストーリーということなんですかね。お姉さんは別のところで遊んでいて、上は自分の妄想なんですね。そう謎解きしていくとまた深みが出ますね。

大畠:漫画のほわほわを造形するのおもしろいですね。

塚田:本を持っている右手と下の女の子の右手が一緒なんですかね。

大畠:時計が一緒。そういうメタ構造にもなっているんですね。

塚田:上の子と下の子のピアスの位置が一緒だから同じ子ですね。

竹谷:これはドラム式洗濯機なのか……。

石長:中にネズミがいる。

竹谷:妄想の実現力がすごいですね。

スカルプターズ・ラボ賞【No.37】fengyangkun「The Fallen Angel」

大畠:世界観も色もすごくいい、クオリティがかなり高いなと。大きな装飾が人物の小ささに対して全然余っていない、世界観を保っているのがすごいなと思います。キャラクターの頭のサイズに対して全体が大きいのに端まで緊張感があるんですよね、その見せ方がセンスがすごいなと。蜘蛛の巣を効果的に配置して、細部まで見応えがあります。人物だけ明るくてレンブラントみたいにパッと光が当たって見える感じなど、見せ方もうまいなと思いました。

編:後ろまで作り込まれていて、数ページに渡って掲載する場合も撮りがいもありますね。

竹谷:舞台もありますからね。

編:見せどころがたくさんで、細部に驚きもありました。

竹谷:どこでも切り取ってアップで撮れそうですもんね。

大畠:本人が撮影しているライティングもすごい上手ですよね。本当の羽を使っていたり髪の毛を植毛したり、フードも布を使ったりそのへんの割り切り方がネガティブじゃなく、逆に魅力になっているのがうまいなと思って勉強になります。

竹谷:逃げじゃなくて制作に忠実になると本物の羽のほうがよかろう、としっかり判断をしてやってる感じがしますね。複製してガレージキットを売ろうというところまで考えず、純粋に作品を作っているというのが素晴らしいですね。

編:ストーリもすごく好きで、呪文を唱え始める瞬間という表現もすごく素敵だなと思いました。

石長:私もこれを選ぼうかなって迷いました。

竹谷:僕も最後まで残りましたね。

 

 

審査員プロフィール

竹谷隆之
造形家。19631210日生まれ、北海道出身。阿佐ヶ谷美術専門学校卒業。映像、ゲーム、トイ関連でキャラクターデザイン、アレンジ、造形を手掛ける。主な出版物は、『漁師の角度・完全増補改訂版』(講談社)、『造形のためのデザインとアレンジ 竹谷隆之精密デザイン画集』(グラフィック社)、『ROIDMUDE 竹谷隆之仮面ライダードライブ デザインワークス』(ホビージャパン)、『竹谷隆之 畏怖の造形』(玄光社)、『腐海創造 ー写真で見る造形プロセスー』(徳間書店)など。

大山竜
1977年1月22日生まれ。中学1年の時に映画『ゴジラvs ビオランテ』に衝撃を受け、粘土造形を開始する。雑誌『ホビージャパン』にて竹谷隆之氏の作品に出会い自由かつ個性あふれる造形に魅了され原型師の世界に憧れを抱く。その後「立体造形は趣味として続け、本業としては絵描きになりたい」と思うようになり、美術系高校に進学。周囲の同級生に絵が上手い人がたくさんいることを知り、絵の道を諦め、造形科のある美術系短大に進学するも中退。その後の21歳の時にガレージキット原型師としてデビュー、版権キャラクター、オリジナルデザイン等幅広いジャンルのモチーフを造形し続け、今年で原型師歴28年目 となる。最近はゲームのクリーチャーデザインなどジャンルを問わず幅広く活動中。

塚田貴士
1983年生まれ、京都府出身。専門学校在学中、チョコエッグがきっかけでフィギュアに興味を持つ。卒業後、玩具製造会社を経てGILLGILLに造形作家として所属。ジャンルを問わない作風で、数多くの商業原型を担当しながらイベント出展用の作品も精力的に発表している。代表作に「寺田克也版妖鳥シレーヌ」、「sheep版赤い蝋燭と人魚」など。2024年6月に玄光社より『MONSTRUM塚田貴士造形集+ZBrush入門テクニック』を出版。

大畠雅人
1985年生まれ、千葉県出身。武蔵野美術大学油画科版画コース卒業。株 式会社エムアイシーを経て、現在はフリーランス原型師として活躍中。 2015年にワンダーフェスティバルで初のオリジナル造形「contagion girl」を発表以降、オリジナル造形作品が人気を集め、2018年に初作品 集『大畠雅人作品集 ZBrush+造形テクニック』(玄光社)、2024年2月には2冊目の作品集『STRING 大畠雅人アートワークス・造形テクニック』(ボーンデジタル)を出版。近年の仕事に、NHK『おかあさんといっしょ』 人形劇「ファンターネ!」のキャラクターデザイン等。

植物少女園/石長櫻子
2003年から海洋堂主催の造形の祭典「ワンダーフェスティバル」に参加し、本格的に造形をスタート。2006年、ワンダーショウケース(第14期 34番)に選出され、2007年より商業造形を手掛ける。主な作品に「Fate/ Grand Order アヴェンジャー/ジャンヌ・ダルク[オルタ]昏き焔を纏いし竜の魔女」、「ブラック★ロックシューター inexhaustible Ver.」、「ワールドイズマイン 2024ver.」など。一方でワンフェスにも参加をつづけ、創作作品を発表している。2023年に初の作品集『アウフヘーベン 石長櫻子/植物少女園作品集』(ボーンデジタル)を刊行。

タンノハジメ
1999年生まれ。造形作家・ キャラクターデザイナー。クリーチャーを中心にゲームや映像分野のキャラクターデザイン、また商業原型などを手がけながら、ワンダーフェスティバルなどのイベントではオリジナルのクリーチャー作品と怪獣のデザインアレンジ作品などを発表している。2024年よりアーティストコレクティブ「GOLEM」に参加。本格的に作家キャリアを開始し、主な展示に「GOLEM Ph2」(CONTRAST/東京/2024)、中西宏明×タンノハジメ二人展「-META-」(GalleryMUMON/東京/2025)がある。