threezero , 大山竜 2023.05.29

大山竜オリジナルフィギュア 『threezeroX大山竜 武練天(仮称)』 制作発表インタビュー

竹谷隆之 × 大山竜 × 高木アキノリ
オリジナルフィギュア発表記念インタビュー

threezero×グッドスマイルカンパニーによる、threezero初となる日本での物販を伴う大型展示会「threezero in Tokyo 2023」が去る4月29日・30日に開催。そのイベントにて、threezeroから竹谷隆之さん、大山竜さん、高木アキノリさんのオリジナルフィギュアが全世界発売決定と発表されました!

今回は『threezeroX大山竜 武練天』(仮称)について、大山竜さんにデザインコンセプトや今後の予定をお聞きしました。

聞き手:編集部、竹谷隆之さん、高木アキノリさん

世界観やキャラクターについて。

大山竜(以下、大山):邪悪な敵キャラみたいなアクションフィギュアが欲しいっていうのがまずありました。
本来ならば主人公にやられるような存在が人類を守るヒーローとして活躍できる世界があったらいいな、という妄想をここで爆発させました。

threezeroX大山竜 武練天

©RYU OYAMA
※デザイン参考用モデル。原型ではありません。

デザイン画は3体ありましたが、全部で何体くらいになる予定ですか?

大山:許される限り無限に作りたいです(笑)。

大山:「EVIL HEAD」(上画像)は、「threezero in Tokyo 2023」のイベント限定プレゼントとして企画しました。このフィギュアのシリーズ名が「EVIL FORCE」(イービルフォ-ス)なのでそこから名付けました。体が負傷した時はこの頭部に脚が生えた形態で逃げます。

クマムシモチーフの怪人のデザイン画もありました。


クマムシモチーフの怪人のデザイン画(右)

大山:クマムシの口がシュトルムティーガーという戦車の大砲に似ているんですよ。クマムシみたいに小さな生物と巨大な戦車って絶対に接点はないけど、口と大砲が似ているから僕の中でこの二つは仲間なんです。マタマタっていう亀とメルカバっていう戦車も似てる気がするので僕の中では仲間です。

竹谷隆之(以下、竹谷):似てる? 砲塔は平べったいけどね。

大山:色、三角形の頭部、ゴツゴツした体表とか、子供の時からずっと思っていました。こんなこと考えている人、誰か他にもいないかと「マタマタ メルカバ」って検索したら過去の自分のツイートが出てきました(笑)。

竹谷:素晴らしい(笑)。独自の視点って大事ですよね。

大山:フォルクスワーゲンってビートルというじゃないですか。あれは似ているからでしょ。

大山さんが好きなドクロ、生物、銃器を合わせたデザインなんですね。

大山:そうです。女の子に猫耳つけて、メイド服を着せて可愛さ増し増しにする感覚です。

竹谷:ロジックはそうですよね。

手に持っているのは敵の怪人?

大山:これは救出した仲間の頭部です。「EVIL FORCE」(イービルフォ-ス)のクリーチャー達は頭部が無傷なら何度でも体を再生できます。脊椎が出ている頭部は再生途中の状態です。フィギュアに首を持たせる構成は90年代の『ホビージャパン』のクリーチャーフィギュアの作例のイメージです。当時はみんな生首を持っていたイメージがあるんですよ。

竹谷:それは韮沢(靖)のせいですよ(笑)。敵を倒したよっていうのがわかりやすいから。

大山:全身作るわけにはいかないから頭だけっていう。

竹谷:最短距離なんですよね。

大山:それが発明だ!と思って。
「自分の好きな物を全て詰め込む」というコンセプトにも従いました。

竹谷:分かりやすすぎるからあるとき鬼頭(栄作)くんが「もう首とか持たせるのやめましょうよ」って。この業界は頭を持たせればいいと思ってる! と(笑)。あの人は本当の美術を目指しているから。僕は躊躇していたんですけど、持たせたことは多分あります。

大山:あと、ただ持たせているだけじゃなくて、アクションフィギュアって頭や手とかいっぱい付属品があって、でも本体は一体じゃないですか。余ったパーツは足元に置いておくってことくらいしか出来ないのがもったいないと。それで余った頭部を手に持たせる事を思いつきました。さらにもう一つ小さい体と頭部を組み合わせればもう一体のフィギュアとして成立する。同じコンセプトで余った手のパーツは腰にぶら下げてディテールアップに役立てているんです。

竹谷:収納ができるんですね。コンセプトが素晴らしいじゃないですか。

大山:実際の兵士もいろんな装備を体にごっちゃりと付けているじゃないですか。あの雰囲気も出したかった。殴る用の拳、銃を撃つ手とか、現地で用途に合わせて付け替える。

竹谷:そういうのをS.I.C.の『ライダーマン』のアレンジ画で描いたらダメだって言われました。とりかえ用の生身の腕を腰からぶら下げてみたら。

大山:それは製品にするからですよね(笑)。僕は派手なのが好きなので付ければ付けるほどテンションが上がるんです。

高木アキノリ:めっちゃ組み替えできるんですね。トイストーリーの男の子みたい(笑)。

大山:シドみたいだよね(笑)。

犬モチーフのデザイン画もありましたが、今後シリーズ展開をしていく予定?


「モスキートハウンド」のデザイン画(左)

大山:そうですね。まだイメージですが、本当にシリーズで作りたい気持ちはあって。

この怪人のデザインコンセプトは?

大山:名前は二人合わせて「モスキートハウンド」で、蚊がモチーフです。蚊と狩猟犬のフォルムが似ているなと思って。スナイパーが持っている銃はドラグノフというライフルがモチーフで、こちらも細長くシャープで蚊のイメージに結びつきました。
ハウンドはグレイハウンドとかの猟犬の意味。モスキート音って英語でモスキートサウンドだからスペルを一個変えてモスキートハウンドにしました。スナイパーと猟犬の2体セットのフィギュアで考えています。
スナイパーって大体2人で行動するんですよ。スナイパーの相方をスポッターって言うんですけど、風向きとか距離をスコープで測って、スナイパーはそれを参考に狙う。この犬はスポッターです。人型、犬型で頭部を付け替えたりして遊びたいですね。

どんどんシリーズ化していくといろんな組み合わせが。

大山:僕はアクションフィギュアで指が動くとか、可動が多いほどテンションが上がるので、指の先にも指がついてるデザインとか可動フィギュアで実現してみたいです。

竹谷:大きいサイズだとできますもんね。手があってその指の先にまた指があるっていう。

どのくらいのペースで出される予定ですか?

大山:年に2回くらいは出したいですね。僕の制作スピードやthreezeroさんの開発ペースによりますが、こんな企画を実現していただけるとは思っていなかったので全力で頑張りたいです。