満員御礼!「スカルプターズ・セミナー ワンフェス出張版」レポート&造形講評応募作品、全部紹介!
2023年2月12日「ワンダーフェスティバル2023[冬]」の公式ステージで開催された「スカルプターズ・セミナー ワンフェス出張版」より竹谷隆之さん、大山竜さん、塚田貴士さん、大畠雅人さんの4名が登壇されました。
ステージでは事前にご応募いただいた造形作品の中から3作品、造形講評をしていただきました!造形講評では、プロの原型師の意見はとても貴重で参考になるものばかりでした。たくさんのご応募ありがとうございました!
竹谷さんイチオシのなかちん(DISCOVERY)さん作品「玉乗りジャンボ」
「かわいそうはかわいい」に登壇者全員が心揺さぶられたタロさん「ゾンビガール」
スカルプターズ・セミナー初のワンフェス出張版でしたが、満席で大盛り上がり!現地やYouTubeでご覧いただきありがとうございました。
YouTubeのアーカイブはこちらから閲覧可能です!現地に来られなかった方、配信をまだ見てない方、もう一度セミナーを見たい方はぜひご覧ください!
今回は、昨日講評できなかった応募作品も含め全19作品を登壇者全員のコメントと共にご紹介します!
なかちん(DISCOVERY)さん作品「玉乗りジャンボ」
材料:スカルピー、エポキシパテ、ポリエステルパテ、プラ板
解説:ちんどん屋や見世物小屋、サーカスなどを題材にした「ファントムパレード」というシリーズの一品です。 制作のヒントになった、RCサクセションの曲「エリーゼのために」歌詞の主人公は、ママの言いつけでピアノを習っていますが、本当は太くて固くて破けるような真っ黒なエレキギターが好き。そんな主人公のように、一見は可愛らしけどスリルと遊ぶのが大好きな姿を造形しました。
竹谷さん:妄想力、構成、造形センス、デフォルメ力、彩色センス、どれもが秀逸!現実のいろんなことを観察しているのが伝わってきます。そしてなにより、象の表情やポーズがキュート!もっと大きいサイズの作品も見てみたいという気持ちにもなりますね。
大山さん:世界観が独特で一度見たら忘れられない魅力を感じます。体の大きな象が小さな物の上にバランス良く乗っている姿が造形的、フィギュア的にもとても良いです。塗装にも遊び心を感じる作品で、象の背中に描かれた花の模様が派手すぎず作品に彩りを与えています。体のフォルムは可愛いけど、
塚田さん:ちゃんと立体を捉えられている方だと思っていて、
大畠さん:素晴らしいと思います。ずっとこの世界観で作られていますし、僕が何か言うことはないのですが…。世界観や、造形としての完成度、作家性、どれも持ち合わせています。彩色で世界を表現するのも上手です。デジタル造形もご興味があれば是非。とだけ。
GAKUさん作品「滑走少年」
ソフト:ZBrush
解説:去年作った作品です。寅年だったので虎と共にこの1年駆け抜けよう!というコンセプトで作りました。
竹谷さん:ZBrushを自由自在に扱える人は羨ましい!構成や配置の仕方もチャレンジしていて可能性を感じます。トラがエフェクトに変わっていくことの演出をもっと考えてみても良いかなあ、と感じました。
大山さん:アクションの1シーンをカメラで捉えたような作品です。空中に浮いた状態を造形するために支柱を煙のようなエフェクトで
塚田さん:キャラがいいですね。少年も犬も表情がいいです。
大畠さん:とても良いです。勢いや、これを作りたい!という思い、楽しさが伝わってきます。キメ方向はトラから見て横方向だと思うのですが、縦方向から見たときにスッと細くなって立体的な面白みに欠けるところがもったいないです。様々な角度から視線を楽しませる工夫をするとさらに良くなると思います!
タロさん作品「ゾンビガール」
材料:NSPクレイ
解説:ゾンビ化した女の子です。かわいそうはかわいい。
竹谷さん:人体デッサンがちゃんとしていて、観察・分析力が素晴らしい!タイトルがゾンビガールの割にはゾンビ要素が控えめなのは、なにか狙いや計算があるのかも、と勘ぐってしまう程です(笑)。
大山さん:ゾンビとなってフラフラと歩き回る様子を見事に立体で表現してい
塚田さん:人体を良く捉えられている、作れる人だなと思いました。
大畠さん:デッサン力、人体の把握など力量が伝わってきます。作りたいものも凄く明白。タイトルのゾンビガールだけが少し引っかかりました。しかし、タイトルとの引っかかりで作品に興味を持たせてそこから、あーでもないこうでもないとストーリーを想像させる手もあるので良いかもしれません。とにかく、ストーリーを見る人に想像させるだけの造形力があることが素晴らしいと思います。彩色も見てみたい。
eliさん作品「WETMACHINE」
ソフト:ZBrush
解説:今年から長年避けていたデジタル造型にやっと手を出そうかと思って作成した一作目です。 本作品はイラストレーターのWitnesstheabsurdによってデザインされたものです、合同して投稿させていただきます。
竹谷さん:1カットだけだと判断しづらいので…何カットかあると…そして出力したものだともっと良いかなあ……。見る人に「コワい」や「気持ち悪い」だけじゃない、何かを感じさせるようなものを目指すと良いことがあると思うのです…僕もさんざん言われますから(笑)。この特殊性を高めていってください!
WitnesstheabsurdさんをググってTwitterを閲覧していたら、ありし日の畏友・韮沢靖の写真を見つけました。献杯。
大山さん:イラストレーターと造形師、2人の合作です。人体と臓器を前面に押し出したデザインが特徴的。指の関節や膝の造形、肋骨、筋肉表現などから、制作者の人体描写への強烈なこだわりを感じられるところが素晴ら
塚田さん:ストーリーを感じるデザインで素晴らしいです。
大畠さん:イラストレーターさんの作品の立体化ということで、世界観のアウトプットというよりはどれだけイラストを忠実に、また立体として面白く作るかがカギとなってくるかと思います。イラストを見ていないのでどれだけ忠実に出来たかは置いておきまして、立体としてディテールの付け方や、構成力などデジタル1作目としては申し分ない出来です!素晴らしい!メインの「担いでいる人」の下半身、重心のかかり方にもう少し気を配って、担いでいる感を演出してみてはどうでしょうか?
fさん作品「strap」
材料:スカルピー、エポキシパテ
解説:電車にて、吊革に掴まっている人をみて思いついたものです。
竹谷さん:1カットだけだと判断しづらいので…何カットかあると…良いかなあ……。ストラップなら編み紐や革紐をコーディネートしてみるとか、彩色してみるとか……。ポーズについても研究してみると、奥が深くて面白いですよ。胸筋と上腕二頭筋がスゴイですねー。
大山さん:「吊革に掴まっている人」を立体化したい、
塚田さん:とてもマッシブに作られてますね。
大畠さん:日常を切り取りたいという欲求はとてもよくわかります。吊革につかまっているという何気ない日常をあえて切り取ることでそこに上品なドラマを想起させる。そのためには、やはり吊革や、最低限の状況説明のパーツが必要かもしれません。着眼点はすごく良いので、色まで塗ってみて完成させて、それを続けてみてください。楽しみにしています!
MIGHTさん作品「Moulage」
材料:スカルピー、エポキシパテ、石粉ねんど、水性塗料
解説:通ってる美術大学の進級制作で作った作品です。私は洋画や洋ゲーなどに登場するようなクリーチャーのデザインが好きで、また仏像などの仏教美術にも興味がるので、その2つを融合させたような作品を作りたいと思い制作しました。
竹谷さん:Moulageをググったら“病変や外傷を模した人体模型”と出て、勉強になりました(笑)。あくまで個人的な思いですが、僕がこっち関係を作るときは、“グロいけど美しい”に到達するように心がけています。かと言ってなかなか……なので気持ちはよくわかります!
大山さん:作品タイトルは「Moulage」読み方はムラージュ、
塚田さん:ゲームの敵で出てきそうで好みです。
大畠さん:作りたい気持ちがよく出ていて素晴らしいです。ここまで色を付けて完成させたことも素晴らしいと思います!彩色も色数をあえて絞って彩度を落としておなかの赤を目立たせる工夫もあります。クリーチャーデザインは詳しくないのですが、腕が6本ある理由や、おなかが口の様になっている理由など自分の中でしっかりストーリーが練れていると、デザインに説得力が出てくるかと思います。
missouriさん作品「巌龍」
材料:ダイソーの石粉ねんど
解説:厳ついフォルムと繊細なモールドを併せ持つ格好良い怪獣を目指して造形しました。山岳地帯に現れ、現地で「巌龍」と呼称されているという設定です。
竹谷さん:1種類のモールドで全体を覆うと、なんだかコンセプチュアルなアートっぽくなりますね。フォルムのバランスの取り方やポーズから“怪獣好き”なのが伝わります!楽しんでいますね!
大山さん:岩のようなテクスチャーが特徴的なオリジナル怪獣。大きく前にせり出した頭部のデザインも面白いです。一番の特徴でもあるゴツゴツとした皮膚表現が見所で、制作者が楽しんで作っている雰囲気が感じられてとても良いです。このゴツゴツ表現に、
塚田さん:特撮の怪獣を連想しますね。
大畠さん:ダイソーの粘土で、ここまで!とびっくりしてしまいました。ご自分でストーリーを考えて、粘土をこねて、ディテールをつけて彩色する。我々の原点のような楽しみが集約されていると思います。特にディテールが楽しかったのだろうと感じます。もっといろいろな怪獣が見たいです。
SHOCK-NINさん作品「亡骸に寄生する者」
材料:スカルピ-、エポキシパテ
解説:この世で死んだ獣に寄生しこの世に姿を現した悪魔。
竹谷さん:その頭骨の使い方、気持ち分かります!ポーズのとり方は、演出するつもりでどんなポーズにするか、ラフを描いてみてから作っても良いと思いますよ。最近は依頼仕事だと宗教的記号はセンシティブで使いづらいですが、個人作品だと遠慮なく使えますねー。悪魔なら、横にそのまま立てておくよりも、折ったり踏んづけたり、何か刺してたり……ヒドイことに使ってたほうが……あっこのくらいにしておきます(笑)。
大山さん:動物の頭骨をモチーフにした頭部が特徴的なクリーチャー。Vの字に広がった骨のような両肩のパーツもダークヒーロー的で良
塚田さん:台座にスッと立つ一体のクリーチャーというモチーフがかっこいい
大畠さん:素晴らしいですね!世界観や造形力申し分なくクリーチャーデザインも、見たことがあるようで無いバランスです。十字架のさし方もいい!一点だけ気になったのがスケール感です。亡骸に寄生するとのことですが、肩の人間の顔を見ると、2.5メートルくらいのクリーチャーなのかなと思うのですが、頭部の頭蓋骨が明らかにイタチなどの小動物のものなのでぐっとスケール感が小さく感じてしまいます。実際の頭蓋骨を使っていたとしても、もう少しアレンジしても良いかもしれません。ほんと素晴らしいです。
TAKUMINさん作品「アドバン(幼虫)」
ソフト:ZBrush 3Dプリンタ:MARS2PRO
解説:蝗害が神格化された悪魔アバドン、その成長途中の段階という設定でバッタをクリーチャー化しました。クリーチャー造形が好きなので、自分もバッタをモチーフに作りたい!という憧れはありましたが、普通に作っても先輩方の二番煎じになると思ったので自分の得意なデフォルメ化に挑戦しました。個人的な見どころは、頭でっかちなプロポーションとお尻の昆虫感です。
竹谷さん:すごく手慣れている技術が感じられます!デフォルメが上手い!ちょっとしたポーズのとり方でキャラクターが生き生きすることを知っていますねー。今度はこのキャラクターに何か動作をさせてみてはどうでしょう。1作品としてのまとめ方も見えてくると思いますよ。
大山さん:もはやオリジナルクリーチャー造形の必修課題のような存在(
塚田さん:頭身バランスがかわいいですね。
大畠さん:ご自身でもおっしゃられているように、普通にバッタのクリーチャーを作っても先輩の二番煎じになる。とのことでのデフォルメ。ここが素晴らしいと思いました。こういう考え方から新しいものが産まれるのだと思います。実際なかなか見たことのない物に仕上がっています。このままでも良いですが、「かわいい」「カッコいい」「気持ち悪い」など第一印象をどこに持っていくかの選別も必要かもしれません。
イヌリーナさん作品「楽園のコビトカバ」
材料:レジンキャスト、水性アクリル塗料
解説:コビトカバの若い母親のイメージをフィギュアにしました。
竹谷さん:コビトカバ単品だと、絶妙に物欲そそり感がハンパなくて好きです!ビネットにいるヘビはジムグリですかね……これと合わせた意味が知りたくなりますね。カバが親子でいる状況とかも微笑ましくって良いかもですよ。
大山さん:リアルな動物造形です。
塚田さん:かわいいですね。
大畠さん:造形力、彩色、ジオラマ等言うことがないです。素晴らしく完成されています。コビトカバへの愛も感じます。カバ特有の皮膚のシワ感をもっと追い込むこともできるでしょうが、このくらいがかわいいと思いますので、本当に言うことがないです。
オレリアンさん作品「フレーズ」
ソフト:ZBrush
解説:フレーズ(fraise)はフランス語で苺の意味です。自分がかわいいと思うオリジナルのメイド服の女の子をつくりました
竹谷さん:ドールの世界は超深いので、僕ごときがおいそれとコメントするのはどうかと思うのですが……タイトルの意味であるイチゴのメタファー的な要素があってもよいかなあ、などと生意気なことを!すみません!それにしてもZBrushを駆使できる人は羨ましい……。ポチタのストラップとNEKOMANMAの意味も気になります(笑)。
大山さん:デザイン、モデリング共に高レベルでとても良いです。制作者の目指す「かわいい」
塚田さん:かわいく作られてますね。
大畠さん:素晴らしいデザインだと思います。デジタルでここまで見せる技術もありますし、このまま続けて世界を広げていってください。立体として出力するのであれば、やはり重心が大事になってきます。左足の重心の無さが少し気になります。足、膝、腰、肩と自分でこのポーズをしてみて、力のかかる部分を確認しながら詰めていってください。
とっかさん作品「小さな宝箱」
材料:NSP(手) ソフト:ZBrush
解説:昔から色々なジャンルの食玩やガシャポンのフィギュアが好きだったので、「開けたカプセルから色々なキャラクターが飛び出してくる勢い」をテーマに製作しました。 ありとあらゆるジャンルを作ってみようと思い、「メカ」「ヒーロー」「生物」「神獣」「女性」をアイデアにしました。 次に「上」「斜め上(左右)」「斜め下(左右)」「下」に勢いが出る構図を考えました。当初はもっとキャラを増やす予定でしたが、最終的に上下にメカ(ロケットと車)斜め上に「ヒーロー」と「女性」斜め下に「神獣」「生物」を選択しました。
竹谷さん:楽しんで作ってる感じが伝わってきますねー。手は、作るか型取り複製するかは悩みどころですね……。数十年前に百科事典の広告用に、いろんな小物を作ったのを思い出しました。
大山さん:雑誌の表紙を想定して作られたような、
塚田さん:僕も食玩やガチャガチャが好きなのでとても楽しい気持ちになりま
大畠さん:なんだかテレビチャンピオンのプロモデラー選手権を思い出しました。おもちゃたちが生き生きしていて、伝えたいことも明白。郷愁と、ガチャガチャ愛に満ちた作品だと思います。あくまでもカプセルとおもちゃが主役だと思うので、手の存在感をもう少し無くして、おもちゃのパースをさらに強調するなどして主役を分かりやすく引き立たせても良いかもしれません。
ロキの薬売りさん作品「廻魔」
ソフト:ZBrush
解説:自身の能力で生まれ変わろうとしているクリーチャー。
竹谷さん:写真が1カットだけだったので判断できない部分もありますが、すごく親近感を感じます(笑)。ブロンズで欲しくなりますね。何に変化しようとしているのかがもう少し伝わるカタチとタイトルだと、もっと惹きつけると思いますがどうでしょうー。
大山さん:フィクションでしかありえないようなシチュエーションや現象を表
塚田さん:かっこいいです。モチーフとタッチが合っていると思います。
大畠さん:デザイン、造形力、言うことないです。足の甲の造形など神経が入っていてとても気持ち良いです。顔が左右大きさや表情が違うところ、違い方、口が空いていたり、手の表情や足の指の力の入り方などで息吹を感じさせる等、すごくセンスが良いと思います。
熊人さん作品「令和の龍事情」
材料:スカルピー、Yクレイ
解説:もし令和にまだ龍が存在していたら形を変え、成体になれず水底で漂っているイメージで作成しました。
竹谷さん:アンコウを思わせる龍の幼体のデザインが独特で良いですね!博識なお爺さんのようでもありながら、理屈の通じない凶暴さを秘めてるようでもあり……。それにこの脚は!アオアシカツオドリの脚の色!ご存知ですね!
大山さん:龍の幼体というテーマで制作された作品。オタマジャクシのようなカブトエビのようなフォルムが可愛くてと
塚田さん:アイデアが良いと思います。
大畠さん:デザインや、色使いなど独特で非常に面白いです。台座に空き缶やザリガニを配置することで架空のクリーチャーのサイズを見る人に明確にするという狙いもばっちりだと思います!ただ、いただいた写真が少し分かりづらいかなと思います。世界観や造形全体の面白さを画像で伝える工夫をされるともっとよく見えると思います。
手のひら万博さん作品「姑獲鳥」
材料:エポキシパテ、スカルピー粘土
解説:私は「不謹慎」をテーマとした作品を作っています。 ウブメとは、お産で亡くなった女性の「執心」が形を成した妖怪だそうです。 この作品は「分娩室に居るはずの。妻の形をしたものが 病院の廊下に立っていた」というイメージで作りました。 幻想文学や怪談が好きな為、造形をするにも物語から先に考えるのが癖になっています。 完全なる妄想。私には妻すら居ません。 笠で顔を隠し、出産の縁起物である「穴の空いたヒシャク」は柄が折れています。
竹谷さん:手のひら万博さんお得意の分野を突き進んでいて嬉しいです!“不謹慎”という言葉だけでは表せない、不謹慎のもっと奥を覗いてる未来のあなたが見えます!…占い師風に言ってみましたすみません。
大山さん:ストーリーや設定から考えて制作された作品です。自分もオリジナル作品を作る時は設定を考え、
塚田さん:余計な造形がなくスッと作られていますが、
大畠さん:まがまがしさや、狙いの不謹慎は十分伝わりました。めちゃくちゃ良いです!しかし、ストーリーを読むのと読まないのとで大きく見え方が変わります。姑獲鳥を知っているかいないかでも。せっかく造形や世界観が良いのでストーリーに付随する挿絵のような造形に見えてしまうのはいささか残念です。造形としての必然性や見せ方。あくまでも造形が主役だ!という意思が必要かもしれません。
白扇さん作品「ユキアサネ」
ソフト:ZBrush
解説:日本の北のほうで周りの人間には自分の正体を隠しながら住んでいる雪女の末裔という設定で作りました。風の流れを意識して作りました。造形期間は約10日です。
竹谷さん:マンガや小説などのストーリーが連想できる設定ですね。いいですねーZBrush上手くて!出力してみてくださいー。
大山さん:雪女を題材にした作品です。風と和傘で日本古来の妖怪の末裔である事を表現しています。「雪女」
塚田さん:かっこいいですね。
大畠さん:デザインすごく良いと思います。技術はまだ稚拙な部分もありますが、かわいいキャラクターを想像して生み出せる才能があるのではないでしょうか。人体ですが、一度裸でポーズを作って、骨格や重心をしっかりしてから服を着せていくと説得力のある造形になると思います。
武蔵さん作品「アニマルチェスピース うさぎ」
材料:グレースカルピー、エポキシパテ
解説:今年の干支をチェス風に造形しました。上に伸びる耳や「炎の様な胸元の毛」で手のひらサイズでも「勢い」を表現。そしてパーツを分けることで「別の生き物への変貌」も楽しめるように立体物としての楽しみを盛り込みました。塗装は『硬質な殻、生っぽい筋組織、金属感』を表現するため、ラッカーやエナメルそして水性アクリル塗料全て使いました。
竹谷さん:造形技術の高さが伝わってきます!他の干支もぜひ全種作ってくださいー。きっとオーラバトラーも好きですよね…。あっ、ひっくり返した際のダボを四角じゃないカタチに工夫してみると、もっと良いと思いますよ。
大山さん:毛で覆われた哺乳類を金属や異素材として表現する、
塚田さん:完成度が高いですね。
大畠さん:勝手にデジタルと思っていましたが、アナログ造形なのですね!造形やアイデア、ギミックなど小さい立体物にぎゅっと詰まっていてワクワクする作品です。彩色も独特のセンスで、造形とともに作家性があります。カッコいい!
ネモトキヅクさん作品「Hastur」
材料:スカルプトクレイ
解説:クトゥルフ神話のハスターを自分なりにアレンジ。クトゥルフでよく使われる(触手)を極力使わないようデザインしました。纏っている黄衣も衣服ではなく皮膚の一部で全て繋がるようデザインしました。
竹谷さん:クトゥルフの世界は自由に妄想できて楽しいですよね。作品から集中して楽しんでるのが伝わって来ます! デザイン力や造形力も素晴らしいです。彩色についてもう少し考えて冒険してもよいと思います。
大山さん:クトゥルフ神話を題材にした作品です。
塚田さん:完成度が高いですね。僕なら衣装を着せてしまいますが、
大畠さん:造形力、デザイン、素晴らしいと思います!足や手のバリエーションも豊かで、表面のディテールも様々楽しめます。前からの見え方と後ろの見え方のギャップもとても面白いですね~!台座などを作ってクリーチャーのスケール感を想像させてもおもしろそうだと思いました。
カフカ=ルケタさん作品「蠱毒蛹胎地蔵」
材料:FRP ジェスモナイト
解説:サイズは全長100cmほどの作品。蛹は完全変態の過程の中で最も劇的な変化を遂げる状態である。地蔵は「大地の受胎」が意味の一つとしてあり、胎児は成長過程でいうところの蛹にあたる場所であると思う。神秘的である、しかしどこか脆さや恐ろしさもあり、自分は畏怖的な感覚に陥る。冒涜的かつ畏怖的なイメージを、造形的フェチズムと共に造形した。
竹谷さん:大きく作ると、小さいものでは伝えられないことも伝えられますよね。この方向性だと、生物や自然物、彫刻作品、建築物などなどを観察して考えた蓄積が糧となりますので、そっちも楽しんでみるのも良いかと思います!ジェスモナイト、知りませんでした!今度使ってみますー!
大山さん:「地蔵」「蛹」「クトゥルフ」
塚田さん:コンセプトが完璧ですね。
大畠さん:このサイズを選択するだけで100点です!ご自身の造形的フェチと想像力、サイズ。どれも素晴らしいと思います!