【スカルプターズ・データベース】新たな命を吹き込ませる、神ワザの筆塗り MAマン

フィギュア、ゲーム、CM、映画、そしてアートのジャンルで最も造形力のあるスカルプター・原型師を集めた、最新データベース創刊!

どこから見ても2次元に見える驚異の3D2次元塗装
MAマン Profile


MAマンとその手。

エムエーマン

フィギュアを筆で塗っています。
360
度どこから見ても楽しめる、「3D2次元彩色」がメインですが、グラデーション表現を用いた塗りや、漫画的彩色もしています。幼い頃から絵画に触れ、中学で書道師範を取得し、高校~美大時代は油彩画を学び美術教員免許を取得後、一般企業に就職し、退職。
その後、フィギュアの筆塗り・塗装に出会ってからのめり込み、フィギュア筆塗りペインターとしてもYouTuberとしても活動中。
2022年11月に初書籍『筆一本からはじめるアニメ塗りフィギュアの教科書』を刊行。

YouTube:フィギュア筆塗りchannel【MAマン】
Twitter:@M_A_paintman

 

作品


海洋堂「北斗の拳 ケンシロウ 胸像 」原型: 香川雅彦『スカルプターズ 05』より。
©︎武論尊・原哲夫/コアミックス1983, 版権許諾証BM-219


海洋堂「北斗の拳 ラオウ 胸像 」原型:香川雅彦『スカルプターズ 05』より。
©︎武論尊・原哲夫/コアミックス1983, 版権許諾証BM-219

 

株式会社ジャミール「花の慶次 極 statue 前田慶次フィギュア イラストVer.」(リペイント)原型師:岩倉圭二
©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央 /コアミックス 1990 版権許諾証 SA-206

©️FlowEntertainment
 
コトブキヤ「Verse01 水晶の天使アリア」(リペイント)  原型制作:BRAIN(製作協力:コトブキヤ) 
© KOTOBUKIYA
初出:『筆一本からはじめる アニメ塗りフィギュアの教科書』(KADOKAWA)
 

INTERVIEW

——小さい頃なりたかったものは?

自由人……が一番近いかもです。小さい頃から、なんとなくですがスーツを着てサラリーマンをしてたり、何かの店員をしているような未来も想像できていなく…。何かしら作っていそうだなぁと漠然と思っていたのは覚えています。

——最初に作品を作ったのはいつですか?

絵自体は幼少から描いてますが、いわゆる大作を作ったのは中学2年の頃です。油絵なんですけど100号の人物画を描きましたね。

——学生時代にはまっていたものを教えてください。

アニメと食べ歩きですね。出身地が宮崎だったので、高校時代はなかなかアニメグッズを揃えることも、イベントに行くこともできなかったのですが、東京に上京してからは家が近かったこともあり、池袋や中野によく行って、ヲタ活をしていました。行ったことがないお店や、気になったお店に入って食を楽しんだり、店主と話をしたりするのが一時期マイブームでした。

——いつ頃からフィギュアペイントをはじめましたか?また、本格的に塗装した最初の作品を教えてください。

絵は中学2年頃から本格的に始めて、その後学生時代は基本的に絵に時間を費やすことが多かったです。その当時は、展覧会やコンクールに油画を出展し何度か受賞もしたことがあるくらい割としっかり作品を描いていましたね(笑)。フィギュアの塗りに関しては2019年からで、最初に塗ったのは『ドラゴンボール』のゴジータです。

もともと画家やペインターを目指していたわけではなく、ただ単純にそのときの自分が好きなことをしていたい、みんなに好きを共有したい、という思い一心で走り続けていたら、いつの間にか今になっていました。

——使っている塗料の種類、愛用のツールなど教えてください

塗料に関しては、よく使うのはMr.カラーとガイアノーツですね。ほかに作品のテイストによっては、SCALE75も使います。今後は久しぶりに造形物に油絵具ものせたいな(笑)。

愛用のツールは筆!
筆を持っている時間が長いので…。あとはこれは私だけかもしれませんが、圧倒的フタ付塗料皿です。今のところかなり神です。

——落ち込んだ時に聞く音楽、もしくは見る映像は?

耳垢・角栓除去系の映像を寝る前に見たりします。咀嚼音も癒されます。共感してくれる人いるかな(笑)?あとは、田舎の環境音や夏の情景ですね。なかでも夕方が特にお気に入りです。

——造形するとき一番こだわられていることは?

「嘘」をどこまで自分流に表現できるか、ということですね。塗りの場合は、あえて誇張するような塗りをするので、ほとんどの作品がリアルに寄り切る塗りではないんですよね。キャラものだと現実にいる存在ではないので、そういう意味でも“あえてリアルすぎない塗り”を意識しています。

なので、厳密にいうと光の当たり具合とか影の落ちているところなど。色彩もそうですが、至るところに嘘があるんですが、それをどういい方向に生かせるか、ということにこだわってはいますね。油彩を描いていたときは、わりとリアル系の絵も描いていたのでそういった観点では、今は逆寄りの仕事をすることが多いですね。今気づきました(笑)。

あとは個人個人で解釈も異なるとは思いますが、塗っているフィギュアそれぞれの世界観はなるべく壊さず、むしろ良さが引き立つ塗りをしたいと心がけています。

——現在、メインでお仕事されているジャンルは?

メインはやっぱりYouTube関連ですね。
私の場合は、かなり柔軟に活動しているので商業彩色を引き受けたり、書籍や雑誌作例などを請け負うこともありますし、みなさんもご存知かもしれないですが、YouTubeの企業案件などもあります。

——今後の野望を教えてください。

オリジナルキャラクターを作ってイラスト化して、立体化してシリーズ化したり、自分で造形から塗装まで手がけたアート作品もつくりたいですし、それこそ商品開発したり…。日本にとどまらず全世界の人とイベントだったり、とにかく楽しいことを共有していきたいと思ってます!

——最近ハマっているものは?

去年の11月頃に、YouTubeでサブチャンネルを始めたのですが、そこでよくミニチュアとかミニフィギュアを開封しているんですけど、そういうのを集めるのにハマってます!あとは普通にサブチャンネルでやっていることにハマっているかもしれません(笑)。

ほかには作業中にエンタメとして都市伝説や怪談を聞いているので、そういうお話系にもハマってます。答えがあるようで無い不明確な話は、作業しながら聞く分にはラジオ感覚でちょうどいいんですよね(笑)。

Data

作業スペース


作業場

フィギュアコレクション

影響を受けた(大好きな)映画・漫画・アニメ

『ドラゴンボール』『鬼滅の刃』などの少年誌系はもちろんのこと、実は夏が舞台(夏の描写がきれい)のアニメも大好きだったりします。実は一番最初に影響を受けた作品、いわゆる原点の部分はジブリ作品だと思います。特に『もののけ姫』には強い思い入れはありますね。

1日に造形する平均作業時間

短くて3時間ぐらいで、長くて10時間ぐらいですね。
最近は撮影や打ち合わせも多く入ってきているので、なかなか時間が取れないことも多いのですが、そこも含めて楽しんでいます。