【スカルプターズ・データベース】新たな命を吹き込ませる、神ワザの筆塗り MAマン

フィギュア、ゲーム、CM、映画、そしてアートのジャンルで最も造形力のあるスカルプター・原型師を集めた、最新データベース創刊!
【2025/11/06更新!】どこから見ても2次元に見える驚異の3D2次元塗装
MAマン Profile
エムエーマン
2D×3D Artist/美術を学んだ後、
YouTube:フィギュア筆塗りchannel【MAマン】
Twitter:@M_A_paintman
商業作品
公式作品
オリジナル作品
書籍掲載作品

海洋堂「北斗の拳 ケンシロウ 胸像 」原型: 香川雅彦『スカルプターズ 05』より。
©︎武論尊・原哲夫/コアミックス1983, 版権許諾証BM-219
© KOTOBUKIYA
初出:『筆一本からはじめる アニメ塗りフィギュアの教科書』(KADOKAWA)
2025年上半期で一番変化したこと
これまで私は、一点ものの作品を中心に制作を続けてきました。
デコマスや、自らゼロからプロデュースした「TSUNOID」
一方で、
これにより、これまで“一点もの”
同時に、量産ラインの確立にあたり人を雇用し、チームでものづくりを進めるという新しい挑戦も始まりました。
まだまだ少数精鋭で、ここには課題もありますが、それ以上に、
この変化により、自分の手から広がる作品たちが、
現在は、これまで以上に質と効率の両立を意識しています。
自分ならではの表現を量産に落とし込みながら、どの形で、
時間の使い方、表現の方向性、届け方の最適化——
それらを総合的に見直しながら、
そして今は、フィギュアと絵が交差する個展に向けて、一点ものの作品づくりにもこれまで以上に力を注いでいます。
自分の中にある造形と絵画の境界を溶かしながら、新しい“立体と平面の融合表現”
2025年上半期で一番良かった資料
正直に言うと、一番と聞いて第一に思いつくものは無いですが、
先日も、
2025年上半期で一番感動した作品
昔の作品になりますが、アニメでは『東京ゴッドファーザーズ』
人のつながりや、運命のめぐり合わせの温度を丁寧に描きながら、
『PERFECT DAYS』も記憶に深く刻まれています。
東京でトイレ清掃をして生きる男性の日常を描いた映画で、
ふとした時に思い出してしまう印象的だった映画は『
同じ町に生きるひとりの人間としての痛みや希望を感じ、「
血の気がすっと引いていくような、
その感覚が、むしろ制作の手を前へ押してくれるような、
2025年上半期でこれは使える!と思ったマイブームのツール・ソフト
筆です。
制作ではCLIP STUDIO PAINTなどのデジタルツールも使用していますが、基本的にはアナログでの制作が中心です。最近、再びキャンバスに絵を描き始めたことをきっかけに、改めて筆そのものと向き合うようになりました。
これまで何となく感覚で筆を選んで使っていましたが、商業・オリジナルを問わず筆を使う日々が続く中で、筆一本一本の違いや個性に興味を持つようになりました。最近は名村大成堂さんの筆を中心に試しており、特に人工毛の筆に関心があります。コリンスキーに近い書き味を追求した人工毛の筆や、使い込んでも穂先が尖り続ける筆など、さまざまなタイプに触れることで新しい発見があります。
もともと理屈よりも感覚に頼る制作スタイルでしたが、筆の性質を理解して使うことで、表現の幅や筆を動かす楽しさがより深まっていると感じています。
INTERVIEW
——小さい頃なりたかったものは?
自由人……が一番近いかもです。小さい頃から、なんとなくですがスーツを着てサラリーマンをしてたり、何かの店員をしているような未来も想像できていなく…。何かしら作っていそうだなぁと漠然と思っていたのは覚えています。
——最初に作品を作ったのはいつですか?
絵自体は幼少から描いてますが、いわゆる大作を作ったのは中学2年の頃です。油絵なんですけど100号の人物画を描きましたね。
——学生時代にはまっていたものを教えてください。
アニメと食べ歩きですね。出身地が宮崎だったので、高校時代はなかなかアニメグッズを揃えることも、イベントに行くこともできなかったのですが、東京に上京してからは家が近かったこともあり、池袋や中野によく行って、ヲタ活をしていました。行ったことがないお店や、気になったお店に入って食を楽しんだり、店主と話をしたりするのが一時期マイブームでした。
——いつ頃からフィギュアペイントをはじめましたか?また、本格的に塗装した最初の作品を教えてください。
絵は中学2年頃から本格的に始めて、その後学生時代は基本的に絵に時間を費やすことが多かったです。その当時は、展覧会やコンクールに油画を出展し何度か受賞もしたことがあるくらい割としっかり作品を描いていましたね(笑)。フィギュアの塗りに関しては2019年からで、最初に塗ったのは『ドラゴンボール』のゴジータです。
もともと画家やペインターを目指していたわけではなく、ただ単純にそのときの自分が好きなことをしていたい、みんなに好きを共有したい、という思い一心で走り続けていたら、いつの間にか今になっていました。
——使っている塗料の種類、愛用のツールなど教えてください
塗料に関しては、よく使うのはMr.カラーとガイアノーツですね。ほかに作品のテイストによっては、SCALE75も使います。今後は久しぶりに造形物に油絵具ものせたいな(笑)。
愛用のツールは筆!
筆を持っている時間が長いので…。あとはこれは私だけかもしれませんが、圧倒的フタ付塗料皿です。今のところかなり神です。
——落ち込んだ時に聞く音楽、もしくは見る映像は?
耳垢・角栓除去系の映像を寝る前に見たりします。咀嚼音も癒されます。共感してくれる人いるかな(笑)?あとは、田舎の環境音や夏の情景ですね。なかでも夕方が特にお気に入りです。
——造形するとき一番こだわられていることは?
「嘘」をどこまで自分流に表現できるか、ということですね。塗りの場合は、あえて誇張するような塗りをするので、ほとんどの作品がリアルに寄り切る塗りではないんですよね。キャラものだと現実にいる存在ではないので、そういう意味でも“あえてリアルすぎない塗り”を意識しています。
なので、厳密にいうと光の当たり具合とか影の落ちているところなど。色彩もそうですが、至るところに嘘があるんですが、それをどういい方向に生かせるか、ということにこだわってはいますね。油彩を描いていたときは、わりとリアル系の絵も描いていたのでそういった観点では、今は逆寄りの仕事をすることが多いですね。今気づきました(笑)。
あとは個人個人で解釈も異なるとは思いますが、塗っているフィギュアそれぞれの世界観はなるべく壊さず、むしろ良さが引き立つ塗りをしたいと心がけています。
——現在、メインでお仕事されているジャンルは?
メインをひとつに絞るのが難しい動き方をしているかもしれません。商業では、展示用の一点物のフィギュア彩色、雑誌作例、デコマスなど塗装に関する仕事を幅広くやらせていただいています。オリジナルのラインではフィギュア(主にガレージキット)作品の販売と、ソフビの販売をメインに行っています。基本的には自分でキャラクターをデザインするところから、彩色をして販売するまでの流れを自己プロデュースで行っている状況です。
——今後の野望を教えてください。
昔こちらでもお話させていただいた、主に未塗装品のオリジナルキャラクターを作って販売するところまでは実現できたのですが、現在の目標は、自己プロデュースした彩色済み完成品フィギュアを、自社から販売できるように取り組んでいます。ソフビだと実現出来たのですが、ガレージキットで販売しているような細かい造形のものの完成品販売にはまだまだ自分にとっては課題が山ほどあります。既に少しづつ動かし始めていますが、何を、どのような形で、どのような方法で届けるのかなど、課題や考えたいことがまだまだ山積みなので…折れずに頑張りたいです。
——最近ハマっているものは?
2次元の推しキャラをひっそりねっとり追うことです。冗談抜きで救われてます。あとサーティワンです。週3で食べてるかも。
Data
作業スペース

作業場

フィギュアコレクション
影響を受けた(大好きな)映画・漫画・アニメ
活動当初2次元表現で影響を受けていたのは『ドラゴンボール』などの少年誌系です。夏が舞台(夏の描写がきれい)のアニメも大好きだったりします。実は一番最初に影響を受けた作品、いわゆる原点の部分はジブリ作品だと思います。特に『もののけ姫』には強い思い入れはありますね。比較的近年影響を受けて好きな作品は『BERSERK』と『呪術廻戦』です。あと中国アニメ。基本的に細かいストーリーよりかは全体的な世界観に影響を受けがちです。
1日に造形する平均作業時間
短くて3時間ぐらいで、
最近は撮影や打ち合わせも多く入ってきているので、なかなか時間が
















































