【スカルプターズ・データベース】クリーチャー造形の新星!峠野ススキ

フィギュア、ゲーム、CM、映画、そしてアートのジャンルで最も造形力のあるスカルプター・原型師を集めた、最新データベース創刊!

【2022/5/11更新!】目指すは世界的なオリジナルクリーチャー造形師!
峠野ススキ Profile

 

峠野ススキとその利き手

 

峠野ススキ
Susuki Tono

1994年10月4日生まれ。2017年のワンダーフェスティバルで大山竜さんの造形実演を見たことでフィギュア造形の世界に魅了され、創作活動を開始する。当初は粘土を使用していたが徐々に製作ツールはZBrushへ移行。2019年に「ススキガレージ」というディーラー名でワンダーフェスティバルへ初参加。その後はオリジナルドラゴンやクリーチャーを始めとした空想生物や、既存の怪獣を独自にアレンジしたものを造形している。

Twitter:@SUSUKI_Garage

 

作品


オリジナル作品「アマビエ」NEW!
[CGWORLD Entry Online]3位作品。アマビエの独特のシルエットを残しつつ実在感を大事にして作りました。

 


「アルバトリオン」 NEW!
「モンスターハンターワールド:アイスボーン」ファンアート。

 


オリジナル作品「カエル」NEW!
毒々しい見た目と可愛らしさもあって気に入っています。

 


映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』ガレージキット「キングオブモンス」NEW!
©円谷プロ

 


オリジナル作品「コズミキ・コニスの嬢王」NEW!
雌の個体なのでデザインも女性的な(腰のくびれや華奢な身体など)要素をと入れました。

 


オリジナル作品「ティラノサウルス」NEW!
孵化する子供と見守るお母さん恐竜です。

 


オリジナル作品「ミュートス」。『スカルプターズ06』より。NEW!

 


オリジナル作品「メテオライト」NEW!
隕石と竜を掛け合わせたドラゴンです。

 


オリジナル作品「コールサックの大怪鳥」。『スカルプターズ05』より。

 


オリジナル作品「不朽の龍」。『スカルプターズ05』より。

 


初のオリジナル作品「暗黒星雲ネビュラ」。

 


オリジナル作品「望天吼」。

お仕事の場合のワークフロー

普段、怪獣などを造形することが多いので、ご依頼いただく割合としても大型の原型が多いです。
その場合、基本的には3ヵ月~4ヶ月を目安に完成させます。

1.作品をリアルに仕上げるために、ディテールやポージングなど参考になる資料をひたすら搔き集めてイラストで造形の設計図をざっくり描く。(1週間)

2.NSP粘土を使って簡単なマケットを作る。
CGだけでは気づきにくい違和感もすぐに発見できるうえ、私は粘土の方がポージングの構想も練りやすいので敢えて一度粘土で雛型を作ります。これで若干完成図が見えてくるので、その先の工程がスムーズにできるようになります。

3.マケットや集めた資料を参考にZBrushで造形していく。
最初の1ヶ月くらいでデータ上で大まかな形を作ります。残りの期間でポージングを付け、ディテールをひたすら詰めていく流れになります。(工程は一例です)

オリジナル作品の場合のワークフロー

オリジナル作品の場合も似たような流れになりますが、資料集めや構想を練るのに時間がかかります。
特にオリジナルの立体物は既存の映画、アニメキャラクターと違って声や仕草、性格などが伝わりづらいので、ある程度の情報量を造形に組み込むようデザインしていきます。(そのキャラがどういう心境なのか、何をしているのかなど)。とは言え、実際作ってみないと良いものになるかも分からないので、”作ってはボツ”をひたすら繰り返します。オリジナルの場合は、この工程が一番時間がかかります。納得がいくデザインが練れたらあとは形にしていくだけになります。

使っているPC、ソフト、ペンタブ

【PC】
iiyama PC「SENSE∞」
デジタルスカルプト向けに調整され、容量に価格も抑えられているのでPCが苦手な私でも安心して購入できました。

【ソフト】
ZBrush

【ペンタブ】
Wacom Cintiq 16 FHD

 

INTERVIEW

——小さい頃なりたかったものは?

小学校のアルバムには「コモドオオトカゲ」と書いてありましたね。好きなものが変わってなくて安心しました。生まれ変われるならなってみたいです。
余談になりますが中学時代に進路に迷っていた時期に母から「海洋堂ってところでフィギュアをつくる仕事があるみたいだよー」と言われて、当時は「そんなのになれるわけないよ」と言ったのを今でも覚えてます。可能性は無限大なんですね。少し反省。

——最初に造形したのはいつですか?

最初に造形したのは、ワンフェス会場で大山竜さんの造形実演を見た日の夜です。実演の最中に大山さんが「牛タンとか見れば分かるんですが、舌って結構デカいんですよ」とおっしゃられていたのが印象に残っているのか、僕が造形する舌はいつもこだわりポイントの一つになっています。


初めて制作した造形作品。『モンスターハンター』より「グランミラオス」。

——出身校と、学生時代にはまっていたものを教えてください。

東京デザイン専門学校のグラフィックデザイン科を卒業しました。何か作る仕事に就きたいと漠然と考えながら入学したものの夢中になれることが見つけられず、授業中はよく練り消しで恐竜とか作って遊んでいました。

——いつ頃から原型師を目指しましたか?また、本格的に造形した最初の作品を教えてください。

2017年のワンフェスがきっかけになり、本格的に制作したのは2019年の冬ワンフェスで販売した「ゴジラ」です。この時に初めてフィギュアを作る大変さや、「自分が作ったものを求めてくれている人たちがいる」という実感を持ちました。この影響でますます造形にのめり込んでいきましたね。

 

——使っている粘土の種類、塗料の種類、愛用のツールなど教えてください

僕自身まだまだ勉強不足でこういった知識はそこまで多くありませんが、きめ細かい細部の造形にはマジックスカルプ エポキシクレイパテを愛用しています。最初に手に取ったパテでもあるので、捏ねた時の硬さもしっくりきます。

 

——落ち込んだ時に聞く音楽、もしくは見る映像は?

映像や音楽はあまり聞かないですね。僕の場合、自分を立ち直らせるにはがむしゃらに作品を作って前に進むしかないです。逆に落ち込んだ時こそ原動力になっています。

——造形するとき一番こだわられていることは?

オリジナルを作るときは大勢の方に見てもらいたい、興味を持ってもらいたいという気持ちがあるので、見た目のインパクトは大事にしています。ぱっと見だけでそのキャラクターの特徴が伝えられるように考えています。今の時代、作品はSNSを通してみて頂けるので、「お?」っとスクロールしてる手を止めたくなるように「見せる努力」はしています。

——現在、メインでお仕事されているジャンルは?

ご依頼いただいた原型や、自主的に制作している怪獣、オリジナル造形がメインになります。

——今後の野望を教えてください。

日本のみならず世界の怪獣、ドラゴン、クリーチャーの造形師として第一線で活躍していきたいです。

 

 

Data

作業スペース

 


メインの作業場です。図鑑が大好きなのですが、重たくて見るのが大変なので気になるページを分解して部屋に張り付けています。

 
 

使用プリンターは「Phrozen Sonic XL 4K」と「Phrozen Shuffle XL」です。
 


本棚。よく読むものは作業スペースから手の届く場所に置いてあります。

 

最近はまっているもの

暇さえあれば造形しています。それ以外だとフィギュア収集にハマりつつあります。Amazonの注文履歴は予約でいっぱいです(笑)。あと最近家庭用プロジェクターを買ったので、大画面で映画を鑑賞出来るようになりました!少しでも作品制作に刺激を貰えたら嬉しいです。

影響を受けた(大好きな)映画・漫画・アニメ

『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』『ゴジラ』『進撃の巨人』『モンスターハンター』『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』

1日に造形する平均作業時間

12時間

おすすめの椅子

ゲーミングチェアなどの長時間座っていてもツラくなりにくい椅子がおすすめです。
以前は小学校の頃に使っていた学習チェアを使用していたのですがお尻が蒸れて腰もイカれたので…買いました。