【第1回】大畠雅人のZBrushでリアル系フィギュア造形入門 〜顔の造形に必要なアプリとブラシ〜

大畠雅人氏の作品「Breaking Free」。本作のメイキング&解説を5回にわたり紹介!【第1回】は顔の造形から始まります!
※本記事は『STRING 大畠雅人アートワークス・造形テクニック』に収録されているメイキングページを抜粋して掲載しています。

 

 

 

大まかに設計図(エスキース)を描く

1. まずは資料を集めます。大まかに作りたい雰囲気の画像を集めて画面の端に表示しておきます。画面に一度に表示させるために、PureRefというアプリを使用すると便利です。

2. ZBrushで定規を空間に表示し、大まかな空間のサイズを決めます(ZBrushは最初にインポートしたものの大きさを基準に空間のサイズが決まるため)。定規はArtStationの「Zbrush 3D Printing Measurement Kit – Free Pack」を使用しています。

3. SubtoolからAppendでスフィアを出します。1/6スケールのフィギュアを作るので大体5cmくらい(あとで調節します)。

4. 大まかに顔から作り始めます。使うブラシはClayBuildupです。ZBrushのショートカットキー「X」を押して、X軸対称で作ります。

 

顔を作る

 

1. まずは顔と後頭部の2パーツを意識して作ります。

 

2. 大きなパーツができたら、頭蓋骨を意識して大まかに盛っていきます。

 

3. 顔の筋肉、眼球、鼻の軟骨などを意識しながら盛っていきます。青で囲んだ部分は皮膚が薄いので頭蓋骨の形を意識して出すといい感じになります。

 

4. スフィアを追加して眼球を作ります。

 

5. 上瞼、下瞼を作ります。

6. 大まかに作ったら眼球ごとMargeしてDynaMesh。1パーツにしてしまいます(まだ顔の印象を決めたくないので)。

7. スフィアを追加して耳を作っていきます。

8. Moveブラシを使って大まかに形を整えます。

 

9. 耳を造形します。大枠に「y」が入っているこのような認識で作るとわかりやすいです。

10. 細部を詰めながら顔の印象を探っていきます。これで顔のベースが完成!

 

次回【第2回】は、ZBrushの新機能を使用して体の制作開始!お見逃しなく。

 

 

Profile

大畠雅人

1985年生まれ、千葉県出身。武蔵野美術大学油画科 版画コース卒業。2013年株式会社エムアイシー入社。 デジタル原型チームに所属し、数々の商業原型を手 掛ける。2015年のワンダーフェスティバルで初の オリジナル造形「contagion girl」を発表。翌年冬 のワンダーフェスティバルで発表したオリジナル2作目の「survival01:Killer」は豆魚雷AAC(アメージングアーティストコレクション)第7弾に選出される。ワンダーフェスティバル2018上海プレステージでは日本人招待作家に選出。2022年、NHK『おかあ さんといっしょ』人形劇「ファンターネ!」のキャラクターデザインを務める。現在はフリーランス原型師として活躍中。

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定価:本体2,700円+税
発売・発行:ボーンデジタル