【前編】作品の世界観と美しさにファンも驚愕!レジンアート作家・たらそほびやインタビュー!

YouTube登録者126万人と日本だけでなく、海外人も今注目するレジンアート作家・たらそほびやさん。

数々の作品は、美しさの中に不気味さや恐ろしさも組み込む表現力が魅力。本記事では【前編】と【後編】に分けて公開!【前編】は、たらそほびやさんのヒストリーや制作裏話をお聞きしました!

 

 

INTERVIEW たらそほびや

——制作のきっかけを教えてください。

『海洋恐怖症』というものをご存じでしょうか。簡単にいいますと「海とか湖とか深いプールとか、巨大生物や得体のしれない何かがいそうで怖いっ!」という感覚です。
英語ではタラソフォビア(thalassophobia)といいまして、これは私のペンネームのもとになった言葉でもあります。SNSやインターネット上には『海洋恐怖症』をテーマにした写真やイラストがたくさん公開されています。かねてから、それらの画像を見ては「ああ怖い!でもつい見てしまう…」というふうに、一人でゾクゾク感を楽しんでいました。

「怖いのだけれど、なぜか目が離せない。」これらの画像には、なにか不思議な魅力を感じていました。
このような写真やイラストは多く見かけるのですが、それを立体で表現した作品はほぼありませんでした。なので「これをジオラマやレジンアートで作ってみたら面白いのでは?」と思ったのがきっかけです。子どもの頃から細かい作業は得意で、ものづくりも好きだったので最初から楽しく取り組むことができました。

ですが透明樹脂(レジン)はとても高価で、硬化に失敗すれば経済的にも精神的にも大打撃です。レジンの取り扱いのコツをつかむまでは、結構苦労もありました。いまでこそYouTube上には似たようなものを作るチャンネルがたくさん見受けられますが、私が3年前にこのテーマを掲げてスタートした時には、こんなものを作っているチャンネルは他にありませんでした。

「祈りの遺跡と守護者のジオラマ」

——美術系や建築系の勉強をされていたのでしょうか?

一切しておりません(笑)。文学部日本文学科卒です。

動画内では建築模型用の材料を使ってさまざまな建物を作っていますが、完全に自己流です。なので建築科の学生さんや専門家の方が見たら、下手すぎて笑ってしまうのでは…?と思います。

——建築物は何か資料などをみてインプットをされているのでしょうか?

おもにネットで集めたたくさんの画像資料や、図書館で借りた書籍をもとに、脳内設計図で作っています。なので、はたから見れば『無計画に突然作りはじめた』ように見えると思います。

——架空の生物やクリーチャーを制作されていますが、こちらも参考にされている資料がありましたら教えてください。

「Instagram」や「Pinterest」に投稿されたイラストレーター様の作品からインスピレーションをいただくことが多いと思います。イラストを再現する場合は、作者様に連絡し制作の許可をいただく場合もあります。

「愛犬家と悪夢のレジンアート」
イラストレーター:兜鴇 鴻

——主に使用する材料と道具を教えてください。

材料はスカルピーとよばれる樹脂粘土、透明レジン、建築模型用の発泡スチロール板、木材などです。道具はあらゆるものを使用しますが、メーカー等にこだわりはなく、どんな道具を使っても作れると思います。

——制作で一番こだわられていることを教えてください。

『ごまかさないこと』です。動画を作っていると「こっち側は画面に映らないし、作らなくていいよね」とか「ここは目立たない部分だから適当でいいかな」としてしまいそうになることがあります。でもよく考えたら、「いつか誰かの手にその作品が渡るかもしれない。」と。なので、動画には映らない部分もある程度ちゃんと作るようにしています。ほぼ自己満足です。

——たらそほびやさんにとってジオラマ制作とは?

表現方法のひとつだと思います。私はものづくりがとにかく好きで、人生における残りの時間をすべてものづくりに費やしたい。作ることさえできるなら、表現方法はなんでもよいと考えます。ある日突然「わたしは最高のセロリをつくりたいのでセロリ農家を目指したい!」などと言い出すかもしれません。セロリが好きなのです。

——たらそほびやさんが作る世界観を教えてください。

私が好きなのは古い建造物、寂れて人が訪れないような場所、廃墟、荒れた土地、物悲しさを感じさせる遺物や古代生物などです。巨大なクリーチャーでも、ただ恐ろしいというよりは、それが存在しなければいけなかった理由などをあれこれ考えるのが好きです。

また視聴者さまご自身が、世界観を見出してくださるようなジオラマやレジンアートをたくさん作れたらいいな、と思っています。

YouTube動画のコメント欄を読んでいると、わたしの動画にオリジナルの物語をつけてくださる視聴者さまが多くいらっしゃって、そのストーリーの素晴らしさに舌を巻くことがあります。「これはちょっとかなわない」と。ですから、私は用意する世界観は最小限に抑え、あとは視聴者さまがおのおのの物語を想像してくださるような作品を目指しています。

「静寂の城と守護者のジオラマ」

——次回作で挑戦してみたいことはありますか?

私はレジンを使った作品をおもに作っているのですが、将来、レジンではなく本物の水を使ったジオラマを作れたらおもしろそうだな…と考えています。アイデアだけは無限に浮かんできます。

 

 

Profile

たらびや Thalasso hobbyer

日本在住のジオラマ・レジンアート作家。
海外企業からの依頼品を制作したり、メイキングムービーをYouTubeにて公開中。

 

【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UCdYAt_kceIuiDwklp0EeIFw
【Patreon】https://www.patreon.com/Thalassohobbyer
【Instagram】https://www.instagram.com/thalassohobbyer/
【X(旧Twitter)】https://twitter.com/THobbyer
【Official Site】https://www.thalassohobbyer.com/