上下左右いろいろな角度から見てバランスがおかしくないか、イラスト正面と印象が違っていないか、不自然な凹凸ができていないかをCGと3Dプリントした現物で確認しながら作っています。

元イラストと立体化したものとの印象のすり合わせです。
イラストの見え方そのままを再現しようとするとどうしても脚や腕などに左右差ができたり身体の構造的におかしくなってしまったりと違和感の原因につながるので、平面と立体の辻褄合わせを原型制作では常に気を付けています。
また、辻褄合わせをしつつもイラストと別角度から見た時も見栄えが損なわれないように立体としての構図バランスも考慮しながらパーツ位置を調整しています。

布などの動きの付く大きなパーツは特に破綻しやすく難しく感じます。正面からの見た目のみを頼りに作るとうまくいかないので、動きがつく前の形状を考えながらいろいろな角度から見て違和感を解消しつつ、実際に長さを測りながらバランスを整えていくと、破綻しにくく進められると思います。

フカヒレ先生の描かれた元のイラストが動きの見える綺麗な構図だったので立体でもそれを再現できるようこだわりました。紐や布などの揺れ物を上下左右から見て調整したりねじりも加えたりして単調ではない動きになるように心がけました。

衣装設定は一斗まる先生が公開されていた千本桜の設定画を参考にさせていただいております。

造形がFIXするまで約半年、彩色原型の完成までですと9ヶ月ほどです。

素材によって動きやシワの凹凸の大きさ・密度に特徴があるので、実物をよく観察して程よくデフォルメし、造形に適応するよう心がけています。
また、台座の石の細かい凹凸にはZBrushのノイズ機能を使うなどソフトの機能も活用しています。

元のイラストでも印象的なツインテールです。動きのあるパーツはフィギュアとして映える部分でもあると思うので力を入れつつ楽しみながら制作させていただきました。

——再現が一番難しかったところはどこですか？

顔です。フカヒレ先生の絵柄の特徴でもあるキラキラと澄んだ目と柔らかな頬のバランスは、フィギュアとして再現できるよう時間をかけて調整していました。

——特に見てほしいところを教えてください。

ツインテールです。どこから見ても流れが綺麗に見えるようこだわった部分でもあるのでいろいろな角度から見てみてほしいです。

フカヒレ先生の描かれた千本桜ミクの雰囲気をフィギュアとして上手くまとめることができたと思いますので、ぜひお手元に迎えて見て楽しんでいただきたいです！