【スカルプターズ・データベース】凝視する繊細なデザインと世界観を広げる造形作家の想い 村瀬材木

フィギュア、ゲーム、CM、映画、そしてアートのジャンルで最も造形力のあるスカルプター・原型師を集めた、最新データベース創刊!

終生の夢は「全ての魚を立体作品にする」こと!
村瀬材木 Profile


村瀬材木とその利き手

村瀬材木(Murase Zaimoku)

1989年生まれ三重県出身。長野県在住。大阪芸術大学映像学科卒業後、CGデザイナーとしてアニメ会社に勤務。2020年より独立、フリーの造形作家として活動。「硬さと柔らかさ」をテーマに、水生生物モチーフでメカをデザイン、造形物制作をしています。「ウオメカ」「Mechanical Watercreaturese」を展開しています。

X(旧Twitter): @Latimeriaa
Instagram:@murasezaimoku

最新作

海の十二支 海兎アメフラシ ©株式会社プレスト、村瀬材木

村瀬材木と株式会社プレストの12年に及ぶ共同プロジェクト「海の十二支」の第三弾。
今年2023年は卯年で、海+兎は中国語で「アメフラシ」を意味しています。
今回は機能的なデザインの追求よりも、縄文土器に由来する装飾的なデザイン、ディテールにこだわりました。
また、アメフラシは海底を這っているイメージが強いですが、実際には羽ばたくように「泳ぐ」ので躍動感のある瞬間を切り取りました。

 

代表作


M.W15 Carassius auratus Fantail

 


M.W18 Rhincodon albino

 


M.W21 Porpita porpita + Psenes

 


M.W22 Lure Fishing

 

M.W23 Green puffer

 

M.W24 Ranzania laevis

ウオメカ

カプセルウオメカ

 

2023年上半期で一番変化したこと

少し前からではありますが、作品の存在する「世界」を拡げていきたい想いが強くなっています。作品に付随する周囲の環境までをジオラマで制作することが最近のテーマです。

2023年上半期で一番良かった資料

直近ですと、東京国立博物館で開催中の特別展「古代メキシコ展」です。

2023年上半期で一番感動した作品

『君たちはどう生きるか』

2023年上半期で取り入れてこれは使える!と思ったブラシ

0.2㎜のハンドピース(スーパーエアブラシアドバンス02)

 ワークフロー

ラフデザインを描いてから一度CGでデザインを起こし、主要なパーツを3Dプリントします。その後、パテを盛りつけ、手先の感覚を重視しながら作り上げます。

 

 

INTERVIEW

——小さい頃なりたかったものは?

水族館の館長、そしてさかなクンです。

——最初に造形したのはいつですか?

幼稚園の頃、お菓子の箱に紙で作った魚を吊るして疑似水族館を作っていました。

——出身校と、学生時代にはまっていたものを教えてください。

大阪芸術大学出身です。当時は特撮、CGアニメの自主制作に明け暮れる日々を送っていました。

——本格的に造形した最初の作品を教えてください。

2014年制作の「Octdoflini」です。ミズダコモチーフのホバークラフト二輪車で、この頃より、好きだったもの「水生生物」と「メカ」の融合を始めました。

M.W2 Octodflini

——使っているソフト、3Dプリンタなど

【CGソフト】MAYA
【3Dプリンタ】ELEGOO Saturn2、FLASHFORGE adventurer4
大学時代から愛用している彫刻刀

——落ち込んだ時に聞く音楽、もしくは見る映像は?

落ち込んだ時には海や魚に触れて元気をもらっているので、あまり他の人の創作物に触れていません。

——造形するとき一番こだわられていることは?

モチーフにしている水生生物の身体のフォルム、ラインの美しさを追求すること。また、造形物を指でなでた時の気持ちよさです。

——現在、メインでお仕事されているジャンルは?

アートスタチューのデザイン、制作監修。フィギュア、プラモデル等のデザイン監修。

——今後の野望を教えてください。

全ての魚を立体作品にすること。終生の夢です。

Data

作業スペース

コレクション棚

影響を受けた(大好きな)映画・漫画・アニメ

『スター・ウォーズ』シリーズ
『釣りキチ三平』
『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』

最近はまっているもの

サウナ、登山です。

1日に造形する平均作業時間

12~15時間

おすすめの椅子、照明

椅子:OKAMURA サブリナ
ライト:山田照明 Zライト