【第2回】大畠雅人のZBrushでリアル系フィギュア造形入門 〜新機能「ダイナミックシンメトリ」を使いこなす〜

大畠雅人氏の作品「Breaking Free」。本作のメイキング&解説を5回にわたり紹介!【第1回】は大まかに顔を制作し、ベースが完成。【第2回】はツールZBrushの新機能を使用して全体構図の完成を目指します。

※本記事は『STRING 大畠雅人アートワークス・造形テクニック』に収録されているメイキングページを抜粋して掲載しています。

 

 

 

ZBrush2023の新機能「ダイナミックシンメトリ」について

頭のプレート(赤丸部分)が気になっている方のために、ここで一旦ZBrush2023の新機能「ダイナミックシンメトリ」の説明をします。

ダイナミックシンメトリ

今までは空間の中心(ワールド軸)に対してのシンメトリや、オブジェクトの重心を軸にしたローカルシンメトリ機能がありました。ダイナミックシンメトリはギズモの任意の軸に対してシンメトリをかけられるので、オブジェクトを斜めにしたりしてもギズモさえ動かさなければシンメトリをかけられます。

 

1. Local SymmetryをONにして、上部にあるDynamicもONにします。TransformからActive Symmetry(ショートカットキーX)を選択。これでダイナミックシンメトリが適応できます。※シンメトリー方向X、Y、ZもTransformから設定。

 

2. このようにギズモの方向に従って斜めでもシンメトリを効かせることができます。

3. Subtoolからプレートを追加して中心に移動し、ダイナミックシンメトリをかけたいオブジェクトにAppendしてしまいます。

4. こうすると手違いでギズモが移動してしまった時、再び中心をとることができます。

ギズモを出して、プレートのポリゴン面をAltを押しながらタッチすると、Z軸が面に対して垂直になってくれます。なので、この作業をした後はZ軸方向にダイナミックシンメトリをかけます。

 

全体のデザインを固める

 

 

1. 顔の表情が決まったら、ここからエスキース。ZBrush上で構成を決めていきます。ありものの素材や、おおざっぱなストロークでフィギュアのボリューム感や構成、ストーリーを組み立てていきます。

2. どうも既視感がある構成や、意味のないポーズ、ストーリーのない小物はどんどん排除していきシンプルに、明確に……。

 

3. これでは伝わらないかもしれませんが、ぬいぐるみにまみれた女の子を作ってみようかと固まったので、エスキースの山場は超えました。

 

1. 細部を詰めているうちに最終的な形が見えてきました。ゴミ袋にぬいぐるみをたくさん詰めて、古いぬいぐるみを1つだけ抱く構図に。ずっと採用していた口に何かを咥える案は、しっくりくるものが見つからなかったのでなくしました。

3. これが本当の最終原型。なぜこうなったか後述します。

 

 

次回【第3回】はポーズ制作開始!お見逃しなく!

 

 

 

 

Profile

大畠雅人

1985年生まれ、千葉県出身。武蔵野美術大学油画科 版画コース卒業。2013年株式会社エムアイシー入社。 デジタル原型チームに所属し、数々の商業原型を手 掛ける。2015年のワンダーフェスティバルで初の オリジナル造形「contagion girl」を発表。翌年冬 のワンダーフェスティバルで発表したオリジナル2作目の「survival01:Killer」は豆魚雷AAC(アメージングアーティストコレクション)第7弾に選出される。ワンダーフェスティバル2018上海プレステージでは日本人招待作家に選出。2022年、NHK『おかあ さんといっしょ』人形劇「ファンターネ!」のキャラクターデザインを務める。現在はフリーランス原型師として活躍中。

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発売・発行:ボーンデジタル