【原型師INTERVIEW】新フィギュアシリーズ「CAPCOM FIGURE BUILDER CUBE」火竜 リオレウス、雷狼竜 ジンオウガ、爵銀龍 メル・ゼナ、嵐龍 アマツマガツチ 原型制作/岡田恵太インタビュー!

カプコンより新フィギュアシリーズ「CAPCOM FIGURE BUILDER CUBE」火竜 リオレウス、雷狼竜 ジンオウガ、爵銀龍 メル・ゼナ、嵐龍 アマツマガツチの4体が絶賛予約受付中!発売を記念して原型制作・岡田恵太さんに制作秘話を伺いました。

INTERVIEW 原型制作・岡田恵太

——今回の企画を担当された経緯について。

CUBEの前にクリエイターズモデルの原型を2体やっていて、その関係でご連絡をいただきました。

——岡田さんにとって竜という生き物のどこが一番魅力的ですか?

顔です。竜のウロコも独特なところがあると思いますけど、一番好きなのは顔です。あと竜って鷲みたいなかぎ爪しているじゃないですか。猛禽類のような力強い足が魅力的で顔と同じくらい好きです。

——それぞれのポージングや構成は岡田さんが決められた?

リオレウスとアマツマガツチはこんな感じでというざっくりとしたオーダーがあったんですけど、実際には「CUBEで」という制限があったのでCUBEに翼もハマらないといけないし、でも迫力が出るように自分なりに試行錯誤して決めていきました。他のジンオウガとメル・ゼナに関してはゼロから考えています。

——CFB CUBEとクリエイターズモデルの造形面の違いについて。

今回はクリエイターズモデルより小さいので、ディテールが埋もれてしまうこともあるため、結構強めに彫っていきました。ウロコやウロコの隙間などは、ZBrush上で見ると強すぎかな?と思うくらい強めに彫ることで出力した時にちょうどいい塩梅になるよう調整しています。

——1体あたり制作期間は?

ペースでいうと1体1〜2週間で捌いていく感じですね。

——制作は4体同時進行ですか?

フィードバックを待っていたりポーズを考えている間に別の造形を手がけたり、同時進行で進めていった感じです。

——口や翼の形、ウロコ、それぞれへの造形のこだわりを教えてください。

躍動感はどれも意識していて、それが特に出せたと思うのがリオレウスです。たとえば翼の羽ばたいている感じだったりただ膜を張っている翼じゃなくてちゃんと翼にもシワを入れています。また、足で踏ん張って地面にも着地しているような作り物というより躍動感を意識して作っています。

——それぞれ再現が難しかったところはどこですか?

アマツマガツチはヒレのような翼なのでポージングするときにパーツが多いと大変になってくるので、ぐしゃぐしゃにならないように綺麗に並べていったところです。

リオレウスは翼が大きく、翼や膜の先端にギザギザがあるため、ポージングの時にデザインが破綻してしまうことがあるので、そこをうまく造形するのが難しかったですね。

メル・ゼナに関してはうねっているようなところや首のところに毛のようなものがあるので、その辺の繋がりの表現にこだわりました。

ジンオウガはそこまで難しくなかったんですけど、ポーズもシンメトリーに近いもので迫力が出るように工夫しました。実は原作の比率よりも、フィギュア映えするように腕は太く長く、首も長くして、リオレウスに関しては翼も少し長くしています。それぞれに原作そのままではなくフィギュアに合うようにパーツ調整はしています。

——フィギュア映えするというのは実際に製品を持ったときに?

“そのポーズの時にどう映えるか”ですね。たとえばジンオウガは上を向いて遠吠えのようなポーズですが原作の比率だと思ったより反らなかったので、しっかり反るように首を長くしたり。設定も意識しつつかっこよさを重視しています。

——その調整は出力品で?

画面上ですね。自分はZBrushの画面よりもKeyShotでやっています。KeyShotでは実際に3Dプリンタで出力したような見え方になるので、ライティングしてどのくらいしっかり影が落ちているか、上下左右色々なアングルから彫り込みのシルエットを確認しています。今回のCUBEも実際にデータの中で透明なキューブを配置してバランスを見ていました。

——造形していて一番楽しいところはどこでしたか?

顔が一番楽しいです。モンスターといえど顔が違うので。あとは仕上げの段階は結構楽しいですね。完成してきてあんまり何も考えずにブラッシュアップできて楽しいです。逆に一番大変なのはポーズ付けです。原作のキャラクターを破綻させずにポーズをつけないといけないので綺麗にポージングさせるのが大変でした。たとえばコンセプトモデルなど綺麗さ重視より迫力であったりどんな感じのものって伝わればいいんですが、こういうものって出力して製品になるものなのでかっちり作らないといけないところもあるし、より正確さの面で大変になってきます。

——購入を検討中の皆さんに一言お願いします。

今回は小さくても高いクオリティで出せていると思います。価格帯も手に取りやすいですしぜひ集めていただきたいです。造形的にもすごく参考になると思います!

商品情報

CAPCOM FIGURE BUILDER CUBE MONSTER HUNTER 火竜 リオレウス

発売日:2024年03月21日(木)予定
価格:2,970円(税込)
発売元:カプコン
本体素材:PVC、ABS
サイズ(台座含む):約H104×W145×D102mm
パッケージサイズ:約H145×W155×D145mm

CAPCOM FIGURE BUILDER CUBE MONSTER HUNTER 雷狼竜 ジンオウガ

発売日:2024年03月21日(木)予定
価格:2,970円(税込)
発売元:カプコン
本体素材:PVC、ABS
サイズ(台座含む):約H106×W111×D109mm
パッケージサイズ:約H145×W155×D145mm

CAPCOM FIGURE BUILDER CUBE MONSTER HUNTER 爵銀龍 メル・ゼナ

発売日:2024年03月21日(木)予定
価格:2,970円(税込)
発売元:カプコン
本体素材:PVC、ABS
サイズ(台座含む):約H140×W125×D109mm
パッケージサイズ:約H145×W155×D145mm

CAPCOM FIGURE BUILDER CUBE MONSTER HUNTER 嵐龍 アマツマガツチ

発売日:2024年03月21日(木)予定
価格:2,970円(税込)
発売元:カプコン
本体素材:PVC、ABS
サイズ(台座含む):約H137×W126×D132mm
パッケージサイズ:約H145×W155×D145mm

※商品画像はイメージです。実際の商品とは若干異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※内容・仕様は予告なく変更になる可能性があります。

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Profile

原型制作 岡田恵太

デジタルスカルプター、3Dコンセプトアーティスト。株式会社Villard代表取締役。
国内外の造形に関わる仕事をメインに活動しており、『モンスターハンター』のクリエイターズモデルや『バイオハザード:インフィニット ダークネス』を始め、映像やゲーム、CM等の主にクリーチャーのコンセプトアート、モデル作成なども多数手がける。

WEBサイト:https://www.artstation.com/yuzuki
X(旧:Twitter):@Larc92