「クリア」にこだわったサイバーパンクな素材感!『リゼロ』エミリア&ラム&レム新作フィギュア

今年2月に傑作五条悟フィギュアを発表し話題となったフィギュアブランド「SHIBUYA SCRAMBLE FIGURE」がSCULPTORS LABOに再登場!

今回の新作は人気アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』のキャラクターを魅力的に表現した「エミリア  -Neon City Ver.-」「ラム -Neon City Ver.-」「レム -Neon City Ver.-」。

その魅力的な世界観はどうやって生み出されたのか。フィギュアディレクターのミカケさん、そして原型製作のDesign COCOさんに制作秘話を伺いました。

 

INTERVIEW

——今回の「Neon City」というコンセプトについて教えてください。

ミカケ:ネオンの世界、近未来のサイバーパンクな世界観をイメージしています。異世界モノの原作になるので、これまでSHIBUYA SCRAMBLE FIGUREではクリスタルドレス、アイドルなどいろいろな世界を表現してきましたが、今回は未来に行ってみようかと。

情報量を増やしたほうが作品としても見応えのあるものになるので、それぞれが未来でこんなことをしていそう、ということを細かく想像して、エフェクトや落書き、瓦礫の感じにも反映させています。この子達が話し始める、動き始めるのをイメージしてからフィギュアを作った方が魅力のあるフィギュアになるので、そこは常に意識していますね。細かいパーツまで、私たちがどういう世界を表現したか読み取っていただけたら、よりフィギュアの深さも出てくるかなと思っております。

——スプレーアートをしている瞬間を立体化するというのは斬新ですね。

ミカケ:SHIBUYA SCRAMBLE FIGUREは「スケール、ディテール、躍動感」を大切にしているブランド。今回も全体の構図は動きを切り取った瞬間をイメージしています。エミリアは堂々と立っている感じをイメージしたかったため体の動きが少ないものの、髪や衣装の動き、そして右手に表現される象徴的なエフェクトを造形化しました。ラムはまさにこの「スプレーを噴射している瞬間」を表現したいね、というところから立体のアイデアが生まれています。レムは、モーニングスターを振り回して楽しんでいるような姿。モーニングスターもただ置いてあるんじゃなくて、動きのある配置にしました。色味もサイバーパンクなカラーになっていて、この世界観でのモーニングスターを意識して表現しています。

——衣装のこだわりを教えてください。

ミカケ:この衣装は完全オリジナルデザインになっています。エミリアはクリアパーツでできた透明のコートを着ています。長い髪の毛も躍動感が出るように造形。造形に統一性があるように、服の流れと髪の流れをしっかり合わせて造形しています。

ラム、レムは共通するアイテムが多く、タイトなエナメル素材とクリアなジャケットがポイントですね。上着がクリアパーツで出来ているので、腕や肩周りが透けて見える特別な仕様となっており、そこにはかなりこだわりを持っています。

元々二人ともスカートの設定だったのですが、ラムの方はローラースケートを履いていて、たくさん動き回ってそうなのでホットパンツに変更しました。腰回りのラインを表現できるように、パンツの長さは調整を重ねました。

——細かな装飾に関しても企画の段階で詰められた?

ミカケ:細かいところではラムの絆創膏、スプレー缶の数まで、元にするイラストの制作段階で細かく決めていきました。エミリアに関しては古いスピーカーの積み重なった廃墟をイメージしました。スピーカーのひとつにはパックの落書きが隠されているので、そこもぜひ見ていただけたら嬉しいです。

——今回は素材感がとても重要な衣装です。

ミカケ:情報量を多くしたかったので、エナメルのピチっとした服と、クリアな上着で肌も見えるようにデザインしたい。あとはモーニングスターのネオンカラーにもこだわって欲しい、という塗装の指示もしっかり行ないました。

——Design COCOさんのほうで、「ビニール感」を出すために造形で工夫されたところをお聞かせください。

Design COCO:レム・ラムはZbrushを使って、ひとつひとつのシワを彫り込みました。ビニールは布と違って素材の折れ感が顕著で、カクカクと面の切り替わりの山ができるのでそこを強調するように造形しました。

エミリアもZbrushで作成しています。作りたいシワに合わせてブラシを変えたり組み合わせたりしながら造形していきます。今回は平らな面と強めのエッジでできたパキッとしたシワを多く入れることでビニールの硬めな質感を表現しました。反対に格子模様の部分は空気を含んだダウン生地の柔らかさを出して、異素材の組み合わせのギャップが感じられるような造形にしました。

——クリアパーツを多用することで生まれた魅力を教えてください。

ミカケ:今回クリアパーツを使っているところは大きく2つ。衣装の部分と背景の装飾の部分です。

衣装にクリアパーツを使うと奥行きが生まれるので、クリアパーツ越しに見える二の腕やお腹周りがフィギュアに深みを出し、情報量を増やしてくれます。360度見るたびに印象が変わる、フィギュアとしてのクオリティを上げることができると思い採用しました。

装飾の部分に関しては、見た時にいろんな要素があると世界観の表現がしやすいので、蛍光カラーやスプレーの色味、電光掲示板の部分にクリアパーツを使いました。全部が瓦礫だったらまた印象が違うフィギュアになっていたと思うんです。Design COCOさんと調整しながら、どういったものだとより世界観をリッチに出せるか考えて決めました。「クリアパーツを使おう」というよりは、世界観の表現のために使った形ですね。

——原型を見た時の企画の皆さんの感想はいかがでしたか?

ミカケ:もう、可愛い!に尽きますね。あと、分かってはいましたがスケールが大きいなと(笑)。

顔についてはこちらから設定をお伝えしました。レムの場合はこれまで私たちが出したフィギュアがすました笑顔や満面の笑顔だったので、じゃあ今回は朗らかな笑顔で、と。心から楽しんでるようなレムのアニメのスクリーンショットを参考につけて、それを目指して造形してもらいました。ラムのほうは、元々は舌を出させていたほどで、やんちゃっぽい表情を目指しました。エミリアはお姉さん感が演出出来て、作品全体の世界観の完成度がぐっと上がったように感じました。とにかくいつまで見ていても飽きないです。

——顔を立体化するにあたって工夫や苦労した部分は。

Design COCO:レム・ラムは、ぷにっとしたほっぺや口の位置など、特徴をとらえたままどこから見ても破綻しないようにするのが難しかったです。立体用に整えたバランスにしつつ、2次元的なかわいらしさを損なわないように調整しました。

エミリアは、凛としたクールな雰囲気に仕上げたので、普段のエミリアらしさとのバランスを取るのが難しかったです。かっこよさの中にかわいさが垣間見えるような造形を目指しました。

——髪の毛に動きを出す造形的なポイントは?

Design COCO:エミリアはまとまった毛束と細い毛で動きの違いをつけ、単調ななびき方にならないように意識しました。スジの11本も丁寧に造形し、しっとりとした美しいロングヘアを目指しました。レム・ラムは髪の毛が動きによって空気を含んで、ふわっと浮いた感じを意識しました。基本的に丸いシルエットの髪型ですが、動くことで丸いシルエットが崩れる箇所を意識的に作りました。

——体の造形についてはいかがですか?

ミカケ:アニメの設定資料に基づいて制作しています。

Design COCO:ラムの膝裏とおなか周りについては、ポーズによる筋肉の動きなどを意識しました。お腹に力が入るポーズなので、うっすら腹筋を造形しました。横から見たときのお腹の凹凸もしっかり出して、メリハリあるラインを目指しています。へそ出しなので、おへそもただのくぼみにならないようにこだわりました。ちょっと足を曲げたポーズなので、膝裏は少し筋が浮いたイメージで造形しました。

レムは首筋から鎖骨、鎖骨から肩にかけてのラインが魅力的になるように意識しました。実際の人体造形を参考しつつ、2次元キャラとしてちょうどいいバランスになるように気をつけました。

——彩色について、重点的に指示を出されたことはありますか?

ミカケ:一番は顔の可愛さですね。肌の色は基本的にこれまでのシリーズに近い色味になっております。

素材感は「この色にしてくれ」というよりは、イラストと合わせてその素材の実物写真を送ったりしました。イラストとしてはこうだけど、このクリアパーツの服装はこういうものをイメージしてます、とか。イラスト一枚だとどうしてもイメージがわきにくかったりするので、私たちがイメージしているものに近い素材をたくさんお送りして、それを形にしていただいてます。

——最後に、 このフィギュアが気になったラボメンバーに一言お願いします!

ミカケ:これまでも世界観がすごいフィギュアを色々出して来ましたが、今回は当社で過去最高レベルのフィギュアができたと思っております。3体並べるとフィギュアケースのひと棚いっぱいに迫力ある世界観を体感できるので、ぜひ合わせてご検討いただけると嬉しいです!

また、ところざわサクラタウンで開催されている『異世界みゅーじあむ』というイベントに84日から3体同時展示中ですので、そちらも是非見に来ていただけたらなと思っています。

Profile

ミカケ 

SHIBUYA SCRAMBLE FIGUREフィギュアディレクター。
2019年4月eStreamのグッズプランナーとして入社しSHIBUYA SCRAMBLE FIGUREの立ち上げに関わりフィギュア企画ディレクターを担当。当ブランドの出すフィギュア全般の企画コンセプト、クオリティチェックを行なっている。他、「VTuberチップス」などの商品プロデュース、新商品開発なども兼任。

SHIBUYA SCRAMBLE FIGURE

㈱eStreamが展開する「スケール感」と「躍動感」を意識した高品質高級フィギュアブランド。世界に誇れるIPで世界に誇れるプロダクト(フィギュア)を生み出すことを目指しています。ブランド名には渋谷から世界に文化を発信することに思いを込めています。通称「渋スクフィギュア」。

https://www.estream.co.jp/

Design COCO

アニメキャラクター等のハイクオリティな等身大・スケールフィギュアの制作を手掛ける制作会社。宮城県仙台市に本社を置き、3D制作から彩色まで社内一貫生産しています。工学的手法を駆使して、常に新しい技術を追い求め、3Dプリンターの開発・販売も行っています。

 

商品概要

商品名:Re:ゼロから始める異世界生活 エミリア  -Neon City Ver.-
サイズ:1/7スケール PVC製塗装済み完成品
大きさ:高さ297mm×幅244mm×奥行276mm
予約期間:2021年7月15日15:00~2021年10月24日23:59
原型:Design COCO(Art Director:CHIGA)
彩色:Design COCO(Art Director:CHIGA)
ディレクター:ミカケ
製造:(株)アルファサテライト
販売元:(株)eStream
価格:43,450円(税込)
署名表記:©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会

商品名:Re:ゼロから始める異世界生活 レム -Neon City Ver.-
サイズ:1/7スケール PVC製塗装済み完成品
大きさ:高さ270mm×幅251mm×奥行253mm
予約期間:2021年6月25日15:00~2021年10月24日23:59
原型:Design COCO(Art Director:CHIGA)
彩色:Design COCO(Art Director:CHIGA)
ディレクター:ミカケ
製造:(株)アルファサテライト
販売元:(株)eStream
価格:42,350円(税込)
署名表記:©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会

 
商品名:Re:ゼロから始める異世界生活 ラム -Neon City Ver.-
サイズ:1/7スケール PVC製塗装済み完成品
大きさ:高さ244mm×幅242mm×奥行236mm
予約期間:2021年6月25日15:00~2021年10月24日23:59
原型:Design COCO(Art Director:CHIGA)
彩色:Design COCO(Art Director:CHIGA)
ディレクター:ミカケ
製造:(株)アルファサテライト
販売元:(株)eStream
価格:41,250円(税込)
署名表記:©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会

※掲載されいてる写真は開発中の彩色原型です。実際の商品とは多少異なる場合があります。
商品の塗装は彩色工程が手作業になるため、商品個々に多少の差異があります。予めご了承ください。