【第2回】石長櫻子/植物少女園「深淵の花嫁」造形メイキング〜頭部の彫刻、ボディの造形〜

石長櫻子/植物少女園氏の「深淵の花嫁」粘土造形テクニック。今回は頭部の彫刻とボディの造形について解説します。
※本記事は『AUFHEBEN 石長櫻子/植物少女園作品集』に収録されているメイキングページを抜粋して掲載しています。
STEP2 頭部の彫刻
1.片側がある程度できたら、完全に作り込む前に反対側もだいたいの形を出します。片方だけ先に作り込んでしまわず両方の進捗を合わせて進めたほうが、個人的には思ったイメージに近づけやすい気がするためです。後頭部は丸いほうが首とつながった時に綺麗にS字ラインが出るので大きめにします。
2.両方のバランスがある程度取れたら、利き手と反対側の目を進めていきます。鼻や口、輪郭も少しずつ整えていきます。鼻は正面から見た時は小鼻が目立たないように、横から見た時に綺麗なラインになるように、正面と横の整合性を考えつつ作ります。鼻の高さより口が高くならないように(いわゆるEライン)を意識しますが、場合によってラインのバランスは変えたりします。
3.瞳やまつ毛などをシャープペンシルで描き込んで雰囲気を見ながら進めます。良さそうな感じになってきたら反対側の目も整えていきます。
4.前髪を付けたらセンター分けがあまり似合わない感じだったので顔を調整しました。これは説明しづらいのですが、なんかこう、えいえい、可愛くなれと目や鼻や口をああでもないこうでもないといじってなんとかします。トライアンドエラーです。
STEP3 ボディの造形
1.女性を作る場合でも、最初から胸の形を出すわけではなく、肋骨の形を出してから胸の形を盛っていきます。肋骨辺りは真っ直ぐではなく湾曲しているので、Uの字を逆さまにして真ん中が少し膨らんで先細ってるイメージのものが胴の中に入っているのをイメージしてください。これも最初は女の子の予定で制作していました。
2.この辺りで、性別を男の子に変更しようかと考え直しましたので、肩幅をやや大きめにしてのどぼとけを少し出し、腰回りを変更、足を大きくしました。腰回りが一番男女差があるところで、お尻の形は男性がピーマン型、女性が桃型とざっくり考えるとわかりやすいです。後はお尻の穴辺りから恥骨の辺りにかけて肉の付き方が違うので、資料等を使って勉強しました。性器のサイズはダビデ像を参考にしました。何故あのサイズなのか、彫刻の歴史についても勉強になりました。
3.腕を体に付けたり、自立するようにヒールを付けたりしています。自立自体にはあまりこだわる必要はないのですが(最終的に服や髪、装飾でバランスが変わったりするので)作業のしやすさがありますので、ひとまず。足の裏に粘土を付けて立たせて、床と足の裏が設置する部分が平らの状態で乾かしてやって、その後造形すると立たせやすいです。
4.両腕を付けてしまうと体が作りづらいので、もう少し進んでから左腕を付けることにしました。
POINT
体を作る際、頭部をいったん体とつなげて制作を進めます。そのほうが頭~首~体が自然につながるように造形しやすいためです。全体の流れが決まった後に分割ラインを考慮して頭部を切り離し、顔などの細部を詰めていきます。
Profile
石長櫻子/植物少女園
2003年から海洋堂主催の造形の祭典「ワンダーフェスティバル」に参加し、本格的に造形をスタート。2006年、ワンダーショウケース(第14期34番)に選出され、2007年より商業造形を手掛ける。主な作品に「Fate/Grand Order アヴェンジャー/ジャンヌ・ダルク[オルタ]昏き焔を纏いし竜の魔女」、「ブラック★ロックシューター inexhausible Ver.」、「ワールドイズマイン 2024ver.」(現在制作中)など。一方でワンフェスにも参加をつづけ、創作作品を発表している。2023年に初の作品集『アウフヘーベン 石長櫻子/植物少女園作品集』(ボーンデジタル)を刊行。
Webサイト:https://shokuen.com/
書籍情報
『AUFHEBEN 石長櫻子/植物少女園作品集』
2023年11月20日発売
192ページ
定価:本体3,200円+税
発売・発行:ボーンデジタル












