【前編】Substance 3D Painterを用いたSagata Kickの3D造形ペイント入門

作品「晩餐」——『造形作品集DRAGON』より、本作のメイキング&解説を前編・後編にわ
※本記事は『造形作品集 DRAGON』に収録されているメイキングページを抜粋して掲載しています。
Substance 3D Painterとは……
◼︎Substance 3D PainterはAdobeから販売されている3Dテクスチャペイントソフトウェアです。
フォトリアルな表現に強く、モデルに直接ペイントが可能で充実したライブラリや自動UV展開機能などテクスチャ作成には欠かせないソフトとなっています。
使用するにはAdobeからの月額制のサブスクリプションに加入するか、Steamにて購入するかの二通りの方法があります。ただしSteamで購入した場合、メジャーアップデートに対応していないことに注意してください。
◼︎ソフトを起動したら新規プロジェクトの作成を行います。
まず必要なのはペイントしたいモデルです。今回はZBrushで作成したモデルをデシメーションしポリゴン数を減らしあらかじめUV展開したものを用意しました。UVタイル設定はUDIMを使用するためタイル間のペイントを有効にしています。
ドキュメント解像度は4096を選択しました。後々いつでも変更可能ですので作業中シーンが重く感じたら低解像度に下げたりすることもあります。
【1】メッシュマップのベイク
1.ZBrushで作成したモデルからペイントを行うためのメッシュマップを作成する「ベイク作業」を行います。スカルプトが完了したハイメッシュをパーツごとにエクスポートします。
2.1でエクスポートしたローモデルをSubstance 3D Painterにインポート出来たらベイクモードを開きます。ハイ/ローメッシュのマッチングを「メッシュ名ごと」に変更します。
3.ベイクができました。今回は4Kテクスチャ4枚にそれぞれ7種類のメッシュマップを作成しています。
【2】大まかな塗り分け
1.バケツアイコンから塗りつぶしレイヤーを追加して塗り分けていきます。
2.レイヤーを右クリックで黒のマスクを追加し、ブラシのアルファのメニューから好みのものを選択しざっくりと塗っていきます。有機的なものを塗るときは境界をはっきりさせないため「Dirt Cloudy」などを使っています。
3.レイヤーにRoughnessチャンネルを追加し光沢の差を塗分けていきます。Roughnessの値は0(黒)に近いほど艶があり、1(白)に近づくほどマットな質感になります。この時点では大まかに設定します。
4.質感の違うものはレイヤーをフォルダごとにわけてそのフォルダにマスクを指定しておきます。これではみ出しを気にせずペイントできます。
5.模様などをペイントする際に境界を散らせてより生物感のあるものにします。マスクを右クリックしフィルターを追加して「Warp」を選択します。Intensityのスライダーを使って好みの見た目になるよう調整しましょう。
6.ざっくりと塗り分けができました。
【3】メッシュマップを使ったディテールアップ
1.
2.厚みマップでマスクを作成しました。
3.レイヤーを右クリックしレベル補正を追加します。マスクを反転させ範囲を絞り込むことができます。
4.トゲやヒレなど細い部分に絞って色を乗せることができました。
5.先ほどと同じようにメッシュマップを使って色を乗せていきます。今回はアンビエントオクルージョンマップを使います。レイヤーの右上から描画モードをオーバーレイに変更します。
6.レイヤーを複製しマスクを反転させて溝の部分とエッジの部分
7.次は曲率マップを使って細かい溝にペイントしていきます。
8.溝に明るい色が入ったことで生物的な皮膚感を出すことができ
【後編】は10月18日(金)に掲載予定!
Profile
Sagata Kick
1995年生まれ。ZBrushで造形してます。たまにイベントにも出ています。