【原型師INTERVIEW】吸い込まれそうな瞳の再現に注目!初音ミク「マジカルミライ 2023」Ver. 1/7スケールフィギュア Design COCO原型制作インタビュー!

初音ミクたちバーチャル・シンガーの3DCGライブと、創作の楽しさを体感できる企画展を併催したイベント『初音ミク「マジカルミライ」』。その11回目となる『初音ミク「マジカルミライ 2023」』のメインビジュアルが1/7スケールフィギュアになって登場!イベントのテーマである「ヒーロー」のもと、大人気イラストレーター・LAM氏が描き下ろしたビジュアルを忠実に再現。今回は昨年に引き続き「マジカルミライ」の会場で展示された等身大立像と、スケールフィギュアの制作をされたDesign COCOさんに制作秘話を伺いました!

INTERVIEW Design COCO

——去年に引き続き「マジカルミライ」のメインビジュアルのフィギュア化になりますが、今回はどんな気持ちで臨まれましたか?

今回のイラストはこれまでと印象の異なるスタイリッシュな初音ミクなので、その雰囲気が立体でもしっかり伝わるようにしたいという思いで臨みました。
 

——「マジカルミライ」では、2017年から毎年のメインビジュアルの等身大立像が展示されており、いずれもDesign COCOさんが制作されていますが、今回の等身大と1/7スケールでは制作面で何か違いはありましたか?

等身大ではスケールフィギュアと見え方が異なるので、ツインテールを少し外側に広げたり、服のシルエットを調整したりして、等身大立像としての見栄えが良くなるように手を加えています。ポーズ面では、スケールフィギュアはイラストと同様に見上げている形ですが、等身大では視線が合うように顔を正面向きにしています。また細部の情報量を増やし、大きなサイズでも間延びして見えないようにしています。

——LAM先生のイラストは目が繊細で特徴的ですが、フィギュアでもかなり忠実に再現されています!立体感のある目は塗装や造形面でいつもと違う工夫をされているのでしょうか?

キャラクターによって表現方法は異なりますが、今回の初音ミクの目は基本イラストにリスペクトを込めて忠実に再現を心掛け、イラストからかけ離れない程度の印影をプラスします。

等身大は基本ある程度の距離感から観覧するお客様から見てイラストのキャラがそのまま立体になっているという風に見える様なサイズや色の微調整を行っています。

——付属のスピーカー以外のところに座らせることも可能ですか?

可能です!お好きな場所に飾って楽しんでいただけたらと思います。

——前髪に映っている虹色の光が非常に綺麗ですが、どのように表現されているのでしょうか。

【原型担当者】

造形面では、単調に見えないようにそれぞれの毛束で変化をつけつつ、全体のまとまりが良くなるようにスジの流れを工夫しています。

【彩色担当者】

彩色時は前髪は透け感を出すためにクリアパーツで作りました。透け感を出すために毛先の下地に白の塗料が吹けないため、下地の色の影響を受けやすい黄色の塗り方にはとても苦労しました。キャラクター左側の蛍光イエロー部分とメイン色の青の塗装順番は色々を試しながら塗っています。最終的には透け感を強くさせるために、パーツの裏面に光沢クリアーを吹いて、透ける肌色を利用して蛍光イエローを綺麗に発色させました。キャラクター右側の紫部分はパールで表現し、塗りの濃さでメリハリをつけました。

——服の質感表現について。

塗装でイラスト上の環境光の影響部分を再現することはとても苦労しました。黒系の服の上に鮮やかな色をどう吹けばいいのかが今回の課題でした。蛍光ハイライトの順で重ねると色が汚くなります。今回の最終的なやり方は「黒を塗るマスキングでハイライトを入れたいところを囲むシンナーで黒を拭き取る蛍光色を塗る」という手順にしました。

——右足をあげて座るポーズですが、人体の違和感がない作りのコツはありますか?

特殊なポーズのフィギュアを作るときは、必ず自分でも同じ姿勢をとってみて可動範囲を確認しています。立体物で実際の骨格から外れたポーズをとらせると違和感が出てしまうため、基本的にはリアルな可動範囲を守っています。一方で、そうするとイラストの雰囲気から変わってしまったりポーズのキレが失われる部分もあるので、ギリギリの境界線を見極めています。

——再現が一番難しかったところはどこですか?

顔です。今年の「ヒーロー」をテーマにしたイラストの格好良さを再現しつつ、美少女フィギュアとしての可愛らしさを如何に出すかという点で苦心しました。

——特に見てもらいたいところはどこですか?

衣装の造形です。イラストのタッチを拾うことに加えて、立体として美しく見え、尚且つ物理的に自然に見えるようなシワの造形を追求しました。ジッパーなどの細かな装飾もしっかり再現しています。

——購入を検討中のみなさんにひとことお願いします。

鮮やかなカラーリング、ダイナミックな衣装の造形、スピーカーに座った構図など、フィギュアとしてとても映える仕上がりになったと思います。これまでの「マジカルミライ」の初音ミクのフィギュアをお持ちの方も、初めての方も、是非ご予約いただければと思います!

 

商品情報

初音ミク「マジカルミライ 2023」Ver. 1/7スケールフィギュア

作品名:初音ミク
種別:1/7スケール PVC製塗装済み完成品
全高:約200mm × 幅:約140mm × 奥行き:約145mm
材質:PVC、ABS
原型・彩色:Design COCO(Art Director:A2C)
撮影協力:児玉洋平
発売・販売元:株式会社デザインココ

Art by LAM © Crypton Future Media, INC. www.piapro.net

Profile

Design COCO

アニメキャラクター等のハイクオリティな等身大・スケールフィギュアの制作を手掛ける制作会社。宮城県仙台市に本社を置き、3D制作から彩色まで社内一貫生産しています。工学的手法を駆使して、常に新しい技術を追い求め、3Dプリンターの開発・販売も行っています。

『初音ミク「マジカルミライ」』

『初音ミク「マジカルミライ」』は、初音ミクたちバーチャル・シンガーの3DCGライブと、創作の楽しさを体感できる企画展を併催したイベント。初音ミクたちをハブ(きっかけ)として、「創作」というキーワードで繋がる場所、その楽しさを体感できる場所を目指して展開。