オリジナルフィギュア『紡ギ箱〜第3節〜』がスタジオソータから発売開始!総監督Yoshi.さんデザイン&造形インタビュー!

スタジオソータから、大人気シリーズの最新弾『紡ギ箱〜第3〜』が9月に発売予定です。
今回で最終章となる『紡ギ箱』の生みの親であり造形作家のYoshi.さんに制作秘話を伺いました。

 

 

INTERVIEW Yoshi.

——改めまして、『紡ギ箱』の世界観やストーリーを教えてください。

今回発売するのはシリーズ第3弾です。『紡ギ箱』には「プトゥン」など異形が住んでいる世界「ハコニワ」と、人に近い姿をした者たちが住んでいる「ミヤコ」というふたつの世界が砂時計のようにつながった世界です。一つの魂に対してそれぞれの世界での身体の器が魂を取り合っている殺伐な世界観ですね(笑)。
 

世界観図

——『紡ギ箱~第3節~』の魅力。

今までのシリーズも凄いのですか今回はより造形や進化した可動、塗装もこだわって作ってくださいました。また今回は紡ギ箱の中でも特に人気のある黒裁人のカプセルトイ化なので待ってくださっていた方もおられたと思います。

——商品化される際に、こだわったことを教えてください。

造形は『紡ギ箱 〜第1節〜』からすごく再現度が高かったのですが、アクションフィギュアを作るということに関して僕自身も経験が浅いし、ソータさんも初めてなので色々試行錯誤してきました。今回は3回目になるので、触り心地や可動域などは今まで以上にこだわって作っています。デザイン性と、アクションフィギュアとしての良さの両立ができたのではないかと思います。

——第3節の制作で大変だったことはありますか?

「黒我(こくが)」と「黒裁人(くろさばと)」は2つでひとつのデザインなんですけど、「このボリュームはカプセルトイには絶対に入りません」とかなり初期からなりまして(笑)。
どういう分割にするかソータさんと悩んだ結果、「黒裁人」を単体で出てもアクション性であったり造形として楽しめるようにしましょう、と現在の形になりました。「黒我」は尻尾と剣が付いていて、剣は今まで出た『紡ギ箱』の商品にも持たせることができます。また複数被ってしまっても尻尾の延長など拡張性もあるように調整いたしました。
 

——このポーズになった意図や経緯を教えてください。

「黒裁人」は激しい感情、怒り、殺意をまとっているキャラクターなので、造形の流れを上に向かうようなトゲトゲしたようなデザインにしています。顔もハコニワのキャラクターは仮面のような無機質なものではなく明確な怒りや悲しみが滲み出るような表情にしています。

「黒裁人」は大切にしていた「プトゥン」を敵対する「ミヤコ」に存在する「燕巫女」に殺されてしまい、もともとは感情のない存在だったのが憎しみによって自我が芽生えて激しい感情を体現する姿になったという設定がダイレクトに伝わるようにデザインをし直しました。

——「黒我」「黒裁人」のデザインについて。

「黒裁人」は「プトゥン」を大事に守っている存在だったんですが、敵対する「ミヤコ」に存在する「燕巫女」に一番大事にしていた「プトゥン」を殺されてしまった。もともとは感情のないロボットみたいな存在だったんですけど、憎しみによって自我が芽生えて激しい感情を体現する姿になったっていう経緯があって。『紡ギ箱 〜第1節〜』で読んでいた人も「ついに、あいつが来るんか!」って感じですごい盛り上がってくれてましたね。

「黒裁人」は激しい感情、怒り、殺意をまとっているキャラクターなので、造形の流れを上に向くようなトゲトゲしたようなデザインにしています。顔も小さいですが、明確な怒りや悲しみを滲み出るような表情にして、より感情がダイレクトに伝わるようにデザインをし直しました。

口がパカパカ可動するところもこだわって、ソータさんにわがままを聞いていただいています。

——商品化にあたり毎回リデザインをされている?

基本的にカプセルトイ化するものは、全部ブラッシュアップしていますね。もともとは個人ディーラーとしてワンフェスや造形イベントで販売していた造形ですが、当時の設定とゲームで作っている設定が違うので、ゲームの設定に合わせたデザインに変化しています。

イベント時に販売した「黒裁人」(左)と今回発売する「黒裁人」(右)

——SO-TA Official Store購入特典の「足の欠けたプトゥン」について。

「足の欠けたプトゥン」は、『紡ギ箱〜第1節〜』のシナリオからきています。怪我をさせてしまった「プトゥン」を拾って可愛がっていくうちに大切な存在になり、一緒に生きようっとなった時にその「プトゥン」が殺されてしまう。それが「足の欠けたプトゥン」なので、『紡ギ箱〜第1節〜』からシナリオを読んでいる人から見るととても嬉しい物を特典としてつけてもらえる事になりました。

イラストやムービーでは「プトゥン」を抱っこしている「裁人」が描写されていますが、これまでの『紡ギ箱』の「プトゥン」と「黒裁人」のスケールが合わなくて。今回特典として、やっと抱っこできるスケールになった「プトゥン」が実現出来てとても嬉しいです。特典なのに新規造形で塗装済みなのでコストがすごいことになっているので毎回ソータさんが心配になります(笑)。


※予約は既に終了しています。

——スケールが合うっていうのはファンは嬉しいですよね。

今までの「プトゥン」さすがに、育ちすぎだろって(笑)。やっと並べた時に同じスケールの「プトゥン」になったので、商品化していただいてよかったなって思います。

——イメージカラーはどのように考えているのでしょうか?

テーマカラーは『紡ギ箱〜第1節〜』が薄緑のようなくすんでいる緑。『紡ギ箱〜第2節〜』では激しく燃えているような赤や霊廟モチーフの冷たい印象の青が配色になっています。今回はメインキャラクターは黒なんですけど、その黒が一番映える白をテーマカラーにしました。コンセプトアートも今回全体的に白っぽいイメージでまとめていただいてます。

——本作で一番苦労されたことは?

「黒裁人」が採算度外視で可動を仕込んだので、コストとパーツ数を調整しながら金型にして製品に落とし込むまでが一番ハードでしたね。ギリギリまでラインナップが決まらなくて、決まったのが告知2日前で…。コンセプトアートもそれに合わせて発注だったので、結果一週間くらいでアートの方に描いてもらって、相変わらずギリギリなスケジュールで苦労しました(笑)。

——プロジェクトの中で、大変だった点と面白かった点を教えてください。

大変だったのは僕個人としては原型を作り直すところですかね。僕自身がゲーム制作のほうでバタバタして時間が取れなかったのですが見た目と可動域とコストのせめぎあいで何回もソータさんの担当の方とバトルしてました(笑)。ソータさんサイドでいうと円安の影響などあったのですが、500円で買えるっていうのが『紡ギ箱』の大きな魅力なので、そこを変えないようにソータさんがすごい頑張っていただいたおかげで達成できたと思います。

面白かった点は、面白いってまだ言えないのかな…(笑)。
嬉しかったって意味だと、「黒裁人」というキャラクターは僕がワンフェスで個人ディーラーをやっている頃からのキャラクターで、当時は10~20個くらいしか作れなくて。当時キットを買えなかったと残念がっていた人に、ブラッシュアップして大幅に進化した「黒裁人」をお披露目できて嬉しかったですね。500円だと幅広い年齢層の方にもお届けできるので、ファンアートを小学生の子が描いてくれたときは、頑張ってよかったなと思いました。

——最後に購入を検討している方や、ファンのみなさまに一言お願いいたします。

『紡ギ箱』は本当に、ソータさんと一緒に頑張ったプロジェクトですが、SNSで盛り上げてくれたファンの方たちがいてくれたからこそ、第3弾『紡ギ箱 〜第3節〜』まで来ることができました。

『紡ギ箱 〜第3節〜』でどんどんブラッシュアップしていくという一番良いプロセスを進められたのは、本当に購入してくれているファンの皆さまのおかげです。これで『紡ギ箱』シリーズはひと段落しますが、買い続けてよかったなと思ってもらえるような、集大成と呼べるものになっていると思うので、是非是非買っていただけたらと思います。喜んでもらえる仕上がりにはなっていると思うのでご期待ください!!

 

Profile

Yoshi.
ゲーム会社を退職後、フリーの造形作家、キャラクターデザイナーとして活動。『ツムギバコ』という自身のコンテンツを個人、商業ともに展開しており、現在はツムギバコゲーム化プロジェクト「IZON.」を鋭意開発中。

Twitter:@Yoshi6054

 

商品概要

『紡ギ箱〜第3節〜』

スペック:(インナーボックス単品)高さ8.0×幅6.0×奥6.0cm
素材:PVC,ABS
サイズ:全長約 180mm (黒裁人 組み立て式)
対象年齢:15歳以上
製造国:Made in China

 

©Yoshi.