【スカルプターズ・ムービー】『ジュラシック・ワールド』3部作の公式メイキング本『ジュラシック・ワールド トリロジー 完全版メイキングブック』が5000 部限定で11月に発売開始!

テキスト・神武団四郎

スカルプター必見!恐竜造形の舞台裏満載の『ジュラシック・ワールド トリロジー 完全版メイキングブック』、ついに発行!初出しを含む豊富な写真・デザイン画やスタッフ&キャストのインタビューを交え、シリーズの舞台裏を綴ったこの決定版の注目ポイントをピックアップして紹介したい。

 

本書はシリーズ3作品を章ごとに分けて紹介している。『ジュラシック・ワールド』の章は2002年の企画スタートからプロジェクトの成り立ちを詳細に解説。オスカー受賞歴を持つウィリアム・モナハンや名監督としても知られるジョン・セイルズほか多くの脚本家による試行錯誤や、コリン・トレボロウ、デレク・コノリーの新人監督・脚本コンビの起用まで紆余曲折の道のりが明かされる。スピルバーグ指揮のもと映画が形作られていく過程はもちろん、当初「ジュラシック・パーク」の名を引き継ぐ予定だったタイトルがトレボロウの直訴によって『ジュラシック・ワールド』に変更されたいきさつなど、どのページにも作り手のこだわりが詰まっている。

そんな第1作の大ヒットを受けた『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の章は、トレボロウが「スター・ウォーズ」シリーズ参加のため離脱。JA・バヨナに白羽の矢を立てた経緯にはじまり、視覚効果を含め前作とは違ったテイストでの作品作りを詳細に解き明かす。そして完結編となる『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の章は、オリジナルキャストの再集結から、パンデミックに苦しめられた撮影現場など、映画さながらのドラマチックなエピソードの数々にきっと驚かされるだろう。

Tレックスやラプトル、ブラキオサウルス、トリケラトプス、インドミナス・レックスやインドラプトル……

「ジュラシック・ワールド」シリーズ一番の魅力は、よりパワーアップした恐竜たち。Tレックスやラプトル、ブラキオサウルス、トリケラトプスほか恐竜界の人気スターの大暴れに加え、インドミナス・レックスやインドラプトルといった新種たちがスペクタクルを盛り上げた。そんな恐竜たちのコンセプトアートはもちろん、ラフスケッチからデザイン画、マケット造形から素材についてまで、デザイン決定へのプロセスを豊富な図版で紹介。最新の恐竜研究を取り入れるいっぽう、シリーズとしてのレガシーも重視するなどこだわりのデザインワークが堪能できる。

 

デジタル映像と造形物によるプラクティカルなエフェクトの融合

リアルなCG映像で映画界に革命を起こした『ジュラシック・パーク』の登場を機に、映画界では急速に視覚効果のデジタル化が進んでいった。そんな中「ジュラシック・パーク」シリーズがこだわり続けたのが、デジタル映像と造形物によるプラクティカルなエフェクトの融合だ。「ジュラシック・ワールド」シリーズもそのスタイルを継承。CGI主体となった『ジュラシック・ワールド』でレガシー・エフェクツ(旧スタン・ウィンストン・スタジオ)が制作したアパトサウルスの解説、造形物の比重が急増した『炎の王国』や『新たなる支配者』でジョン・ノーランが生みだした恐竜たちの制作過程を豊富な写真で解き明かす。素材のチョイスから操作法までスカルプターには見のがせない情報が満載。『ジュラシック・パーク』の視覚効果を手がけシリーズの礎を築いたレジェンド、デニス・ミューレン、フィル・ティペットの復帰のいきさつを含め、エフェクト関連に多くのページが割かれている。

ほかにもキャスティングからデザインワーク、サウンド関連まで映画制作の舞台裏をあますことなく紹介。短編『バトル・アット・ビッグロック』やアニメシリーズ『ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ』といったスピンオフ作品、フィギュアやトイ、ゲームなどマーチャンダイジング、各地のテーマパークやステージショーも紹介。250ページを超えるボリュームで「ジュラシック・ワールド」カルチャー全般を網羅した究極の一冊だ。

 

『ジュラシック・ワールド』より。ILMのアニメーション・スーパーバイザー、グレン・マッキントッシュによるインドミナス・レックスのコンセプトアートと初期のデジタルマケット。

 

『ジュラシック・ワールド』でインドミナス・レックスの犠牲になる監視員の撮影シーン解説。インドミナス初登場シーンはスピルバーグのアドバイスでより迫力を増すことになった。

 

『ジュラシック・ワールド』よりザックとグレイ兄弟の冒険シーンの舞台裏。ジュラシック・ワールドはジュラシック・パークが作られたイスラ・ヌブラル島に建造されたため、映画の端々にはビジターセンターの痕跡が見てとれる。

 

『ジュラシック・ワールド』でアニマトロニクスを担当したレガシー・エフェクツこだわりのアパトサウルス。プラクティカルエフェクトならではの存在感が心ゆさぶる名シーンを生みだした。

 

インドミナス・レックス追跡シーンで、バイクをスタンバイするクリス・プラットとオマール・シー。バイクと並走するラブトルたちは、モーションキャプチャ用のヘルメットをかぶったパフォーマーが演じている。右ページ上の写真は『ジュラシック・パーク』以来12年ぶりの参加となったフィル・ティペット、ラプトル、トレボロウ監督のスリーショット。

 

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』より。可愛らしい子ども時代のブルーはニール・スカンランがデザインした。このシーンの撮影が、本作におけるクリス・プラットの撮影初日。

 

『炎の王国』より、残酷な傭兵ウィートリーが歯を抜くシーンで使われた巨大なステゴサウルスのアニマトロニクス。

 

恐竜と人間がふれ合うカットの多い『炎の王国』では、ニール・スカンランが手がけた数多くのアニマトロニクスの恐竜たちがリアルな見せ場を作った。

 

『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』の恐竜デザインの原案は、プロダクション・デザイナーのケヴィン・ジェンキンスが担当した。ジェンキンスは視覚効果出身でILMからルーカス・フィルムへと移籍し、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ではルーカス・フィルム・デザインスーパーバイザーを務めた華やかな経歴の持ち主。

 

『新たなる支配者』はジョン・ノーランがアニマトロニクスを担当。ナーストケラトプスのアニマトロニクスと“あの”イナゴのマケット。

 

『新たなる支配者』より。左は恐竜マーケットに登場した翼竜ディモルフォドンのアニマトロニクス。左は白亜紀最大級の肉食竜ギガノトサウルスの頭部のアニマトロニクスで、皮膚だけでも0.5トンのギガ級だ!

 

『新たなる支配者』の中盤の見せ場、マルタ島の恐竜マーケット。手のひらサイズの翼竜から大型肉食竜まで20種類を超える恐竜たちで埋め尽くされた。

 

『新たなる支配者』より、パインウッド・スタジオ屋外施設ノースロットで撮影中の肉食竜ギガノトサウルス。頭部はアニマトロニクス、体はCGIと2つの技術を組み合わせて作られた。

 

『新たなる支配者』でヒールを演じた凶悪な肉食竜ギガノトサウルスのアニマトロニクス撮影シーン。新旧シリーズのキャストが総出演で、スリリングなアクションが撮影された。

 

 

公式メイキングブック、大好評予約受付中!

『ジュラシック・ワールド トリロジー 完全版メイキングブック』

発売日:2022年11月30日(水)
A4変型判/256ページ/フルカラー
定価:本体5,800円(+税)
発売・発行:玄光社