【原型師INTERVIEW】“if”の1カットを完全再現 SAO『ユウキ 真夏のキラメキ☆花嫁Ver. 』原型制作インタビュー!
スカルプターズ・ ラボ注目のフィギュアの原型制作について紹介する【 原型師INTERVIEW】!
INTERVIEW
——本作は「SAO 10th anniversary Wedding series」のために描き下ろされたイラストの立体化ということですが、イラストを見た時のイメージを教えてください。
まるで水着のようなウエディングドレス、透き通ったレースにバラの花束という構図でとても立体映えするだろうなぁとワクワクしたのを覚えています。
——一番こだわった部分を教えてください。
ビーチを元気にはしゃぎ回ってる1カットを再現すべく、風を意
——立体化された際、一番苦労した部分を教えてください。
ユウキの健康的な身体の造形が一番苦労しました。
——身体の造形でこだわられた点はありますか?
複雑なポージングに露出の多い衣装ということで骨格を意識して造形しました。無理に捻ると不自然になりますし、
——制作のワークフローと、かかったお時間を教えてください。
企画及びデザインはメーカー様及び協力会社様にて立案されたものをお引き受けし3Dデータを納品する形になります。
①準備~ラフ
3ds Maxにて作業を行います。
メーカー様から製品サイズをお伺いし直立に近いユウキのイラストと比較しながらポリゴンを調整して225mmサイズのユウキのラフを制作します。
3ds Max画面
②骨をいれてポーズ
ユウキの身体と頭、その他合わせたいパーツに骨を割り当て、ポーズを付けます。
ある程度自動で割り当てるのでねじれる箇所等発生しますが、ポーズが決まってから骨を外して整えます。
③ボディの修正と服のラフ
身体のねじれた部分や筋肉を整えます。身体が決まれば服のラフを付け(造形)ます。
この段階でご依頼メーカー様に確認していただくことが多いです。
④監修&仕上げ
版元様及びメーカー様の監修を受けながら各部に厚み、クリアランスを設けて出力可能な状態に整えていきます。
⑤分割
監修OKになりましたら、作成データをobjに変換して3ds MaxとZBrushを使い分け分割作業を行います。
⑥データ納品
分割終了後、作成データをSTLに変換しエラーチェックを行い(netfabb Studio Basicを使用)メーカー様に納品します。
3ds Max画面
——制作に使用されたツールを教えてください。
【PC】 G-Tune by マウスコンピューター
【液タブ】 Wacom Cintiq Pro 24
【ソフト】 3ds Max、ZBrush
【プリンター】 Phrozen Sonic Mini 4K、Phrozen Sonic Mini 8K
【その他】 Meta Quest 2(VR)
——監修で重点的に修正された点があれば教えてください。
ポーズと顔(フェイスライン)についての修正が何回かありました。
——ふわりと流れるベールやパレオのやわらかそうな動きについて、工夫された点を教えてください。
単になびかせるだけではノイズのようになるので、ある程度法則性を持たせながら且つ自然に見えるように柔らかさを意識して造形しました。
——二次元を三次元にするときに、いつも一番気をつけていることや大変なことを教えてください。
顔の造形に一番気を付けています。イラストや設定から読み取って三次元に起こすんですが、毎回フィーリングといいますか頭の中に感覚的に立体に見える画をそのまま立体に起こす感じです。
——ぜひここを見て欲しい!と思う、イチオシ部分はありますか?
原作やアニメには無い設定ですので「if」として作品を見ていただき何かを感じ取っていただければ幸いです。ぜひ対になるアスナ(※)と並べて見ていただければと思います。
——千鶴さんにとってユウキとは?
個人的にSAOシリーズは大好きな作品です。なかでも『マザーズ・ロザリオ』編はほかのシリーズと一線を画す感動作です。そこに登場する「絶剣」ユウキには強さというより生き続けてほしいという願いが強く心に残る作品でした。
——購入をご検討中のみなさまやSAOファンのみなさまに一言お願いします。
ファンの方なら誰もが思うであろう「ユウキには幸せになって欲しい!」という「if」がこもった作品だと思って制作しました。ぜひお手に取っていただき元気いっぱいのユウキを愛でていただければ幸いです。
商品情報
商 品 名:ユウキ 真夏のキラメキ☆花嫁Ver. KADOKAWAスペシャルセット
作 品 名:ソードアート・オンライン
カテゴリー:1/7スケールフィギュア
価 格:22,000円(税込)
発 売 時 期:2023年3月
仕 様:ABS&PVC製塗装済み完成品・1/7スケール・約240mm(台座含む)、専用台座付属
原 型 制 作:千鶴(鶴の館)
彩 色:いなば(リボルブ)
企 画:電撃G’sマガジン編集部
制 作:KDcolle(KADOKAWAコレクション)
制 作 協 力:リボルブ
発 売 元:KADOKAWA
<KADOKAWAスペシャルセット 限定特典>
B2タペストリー
©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
Profile
千鶴(鶴の館)
主婦業のかたわら何か新しい趣味を見つけたいなぁと旦那に相談したところ、「ガレージキット製作なんてどう? 」と言われ道具も一通りあるので試しに挑戦してみようと思い立ち造形を始める。 2001年ワンダーフェスティバルに「鶴の館」で初参加。 2008年商業デビュー。 現在もフリーランスとしてイベントフィギュアや商業フィギュアの原型製作を行っている。
Twitter:@turunoyakata