【第5回】石長櫻子/植物少女園「深淵の花嫁」造形メイキング〜アクセサリーとコルセット、分割〜

石長櫻子/植物少女園氏の「深淵の花嫁」粘土造形テクニック。今回はアクセサリーとコルセットの造形、分割について解説します。
※本記事は『AUFHEBEN 石長櫻子/植物少女園作品集』に収録されているメイキングページを抜粋して掲載しています。
STEP8 アクセサリーとコルセット
頭
当初は生贄ということで羊のツノをイメージしていたのですが、モールドを付けたら何となく違う感じがして、牛のようなつるんとした造形にしました。ゴモリー(ソロモン72柱の悪魔の一柱)のイメージに引っ張られたのかも。ツノが隠れていないのは「角隠し」ならぬ「角隠さない」です。角隠し由来は諸説ありますが、「角を隠して夫に従順でしとやかな妻となることを示すため」や「嫉妬に狂うと鬼になるといわれており、鬼になることを防ぐまじない」などの意味合いがあるらしいですね。
コルセット
コルセットやアクセサリーも当初はもう少し飾りのあるものを想定していたのですが、豪奢な感じはちょっと違うかなと思い直し、シンプルなものにしました。モールドは手芸用のワイヤーがちょうどいい太さと柔らかさだっのでアルミ線の代わりに使用しました。
手袋
こちらもレースの手袋で指が出ているデザインが良いなと思っていたのですが、シンプルなドレスに合わせてこちらもシンプルにして、手袋にしました。手袋の厚みは考慮しないで普通に手を作るのと変わらない感じで作って、手袋に寄るシワと、指先の厚みがある部分を作るとピタッとした感じの手袋になります。あと、布の縫い合わせ部分は凹モールドを入れておきます。
STEP9 分割
スカート部分は複製のことを考えて4分割、全部で今回は21パーツになりました。どこで分割するかというのは、まず複製できるかどうかで判断します。前後半分で挟んだ時にレジンキャストが流れていける形状なのかどうか。これは経験も必要になるので、原型を作る方は一度複製をやってみると良いと思います。後は、造形重視で表現上の素材が変わる部分で分けるか、塗装する際に色が変わる部分で分けるか、それとも組み立てやすさを重視して分割部分を減らすかは人それぞれです。私はマスキングがあまり得意ではないので色が変わる部分で分割しつつ、あまりパーツが増えすぎないよう、マスキングが複雑にならなそうな部分は分割しないという感じでバランスを見ながら分割しています。
Profile
石長櫻子/植物少女園
2003年から海洋堂主催の造形の祭典「ワンダーフェスティバル」に参加し、本格的に造形をスタート。2006年、ワンダーショウケース(第14期34番)に選出され、2007年より商業造形を手掛ける。主な作品に「Fate/Grand Order アヴェンジャー/ジャンヌ・ダルク[オルタ]昏き焔を纏いし竜の魔女」、「ブラック★ロックシューター inexhausible Ver.」、「ワールドイズマイン 2024ver.」(現在制作中)など。一方でワンフェスにも参加をつづけ、創作作品を発表している。2023年に初の作品集『アウフヘーベン 石長櫻子/植物少女園作品集』(ボーンデジタル)を刊行。
Webサイト:https://shokuen.com/
書籍情報
『AUFHEBEN 石長櫻子/植物少女園作品集』
2023年11月20日発売
192ページ
定価:本体3,200円+税
発売・発行:ボーンデジタル




