【原型師INTERVIEW 】原作イラスト・東西先生描き下ろしフィギュアが登場!『陰の実力者になりたくて!』ベータフィギュア制作秘話インタビュー!

大人気小説『陰の実力者になりたくて!』より、原作版ベータフィギュアが登場!原作イラスト・東西先生完全監修のもと、描き下ろしイラストを立体化。さらに、KADOKAWAスペシャルセットを購入すると、特製ビックサイズラバーマットがついてくる!今回は、本作を手がけた原型師・まんぞくマモル氏、企画担当・O氏、東西先生にお話を伺いました!

INTERVIEW 原作イラスト・東西氏

——本作は描き下ろしイラストで立体化されたということですが、このポーズになっ
た決め手とは?

ベータっぽさを表現した静の案と、立体的な動きがあるポーズを含めた案をいくつか出させていただきました。動きの調整案などもいただきつつ、かわいいを自覚しているあざとさを出せればと思い、作業いたしました。

——本作をご覧になってどのように感じられましたか?

自分のデザインはメディアミックスの適正がかなり低いデザインをしていると思っているのですが、
全体のトータルバランス、細部のこだわり、絵を造形に直す際の整合性の調整など、本当にスゴいと感じました。大変ありがたい気持ちが強い一方、「細かくてごめんなさい…」という気持ちもあったりしますが、
とても美麗に仕上げていただけて感無量でございます。

——東西先生からみて、ぜひ見てほしいポイントは?

胸周りの凄みに隠れていますが、下半身のボディーラインもとても推したいです。

——最後にファンの皆さまに一言お願いいたします!

皆様のお陰で『陰の実力者になりたくて!』というコンテンツが広がっております。本当にありがとうございます。わたしも、この造形美に負けない絵をかけるように日々精進して、かんばります。

 

INTERVIEW 原型師・まんぞくマモル&企画担当・O

——本作を商品化された理由を教えてください。

企画担当O(以下、担当O):私が編集部と近い部署ですので、『陰の実力者になりたくて!』商品化を進めていくなかで、原作イラストの東西先生と編集部のイチオシということで、ベータの描き下ろしフィギュアをお願いさせていただきました。

——企画~完成までのワークフローを教えてください。

担当O:ベータの場合、企画最初期から編集部と一緒に進めており、フィギュアのための描き下ろしもお願いする前提で話が進んでいました。それ以外は他のフィギュアと同じく、企画・イラスト依頼・原型制作という流れです。先生への描き下ろしをお願いさせていただく際には「台座は豪華にしたいです」程度の内容からポーズラフを何点か頂き、それを元により「フィギュア映えするには」を検討した内容をお伝えして、2度ほどキャッチボールをさせていただきました。他社では考えられないくらいの贅沢進行です。ですので、先生に一発で太鼓判をおしていただけるように各監修段階では緊張感がありました。

——本作を制作する際に特に意識された点を教えてください。

原型師・まんぞくマモル(以下、まんぞくマモル):はじめにイラストを見たときに、「可愛い顔!グラマラスな体!躍動感のあるポーズ!」という印象で、とても魅力的なキャラクターだと感じました。 このイラストを再現できれば魅力的なフィギュアになると素直に思ったので、いかにイラストの要素をフィギュア形状に落とし込み、再現するかを意識しました。特にポージングはどの角度から見ても躍動感があって柔らかくしなやかな動きになるよう意識しました。

——髪の毛の造形について。

まんぞくマモル:まずは、提供された資料から髪の毛の構造を把握することから始めました。ミディアムボブくらいの長さで、左こめかみ付近に三つ編みが2本、髪の分け目はセンターかな?など…。特にこだわった点として、髪の頭頂部のボリュームを顔とのバランスで可愛く見えるように、何度も試行錯誤して造形しました。ボリューム次第では幼く見えたり、大人ぽくなったり印象が右往左往しますので、気を使いながら調整しております。うしろ髪の流れや襟足など見えない箇所もできるだけこだわって造形しておりますのでご覧頂けますと嬉しいです。

——スライムスーツのシワの造形について。

まんぞくマモル:体に密着しているスーツですので、体の動きに伴って発生するシワをできるだけ魅力的に再現しました。特に大きな胸とくびれ付近のシワはポイントとなる箇所なので、動きと質量を強調するように作成しました。

——背面や台座について。

まんぞくマモル:フィギュア制作に当たり、背面などの補足のデザイン資料をいただいており、それを元に制作しました。おそらくフィギュア作成用に描いていただいたもので、貴重な資料を拝見できたのも役得だと思っています。

デザイン案

——エフェクトについて。

まんぞくマモル:ベータを中心に勢いよく流動的に取り巻いているイメージを再現しました。あくまで本体の脇にあり、キャラに被りすぎないように注意して造形しています。また、軸脚だけで本体を支える負担を軽減するために、エフェクトにも足の嵌合を作成し保持力を高めております。

——ベータの体型やしぐさまで繊細に再現されていますね!特に見てほしい部分は?

まんぞくマモル:胸・お尻は当然ですが、左右の指の表情もイラスト通りに作成できたと満足しています。また、左手で胸を押さえている表現もこだわりましたので、ぜひ注視していただければ嬉しいです。

——立体化する際に苦戦した部分は?

まんぞくマモル:左脚の所作について、ポーズ制作時に悩みました。キャラの内面のイメージに関わる演出として、膝を内に入れ内股気味にするか、足を開いてバランスをとるかで検討しておりましたが、ベータのキャラクターを考察するに当たって、おとなしい女の子というよりもお姉さんキャラでかっこいい雰囲気に仕上げても良いと思い、足を開く方で進行しました。

——造形に使用されたツールを教えてください。

まんぞくマモル:「Blender」「ZBrush」「3D-Coat」「Character Creator」の4種です。スカルプトは「ZBrush」、ポリゴンモデリングは「Blender」とツール間を行き来して各工程の作業に適したツールを選択して制作しました。「Character Creator」はポーズ検討用、「3D-Coat」はパーツ分割に使用しました。

——監修はいかがでしたか?

まんぞくマモル:制作全工程でフォローして頂き、とても心強かったです。造形に集中して気付けなかった点を的確にご指摘いただいて、学びにもなり今後の制作に役立てていきたいと思いました。

——本作の見どころを教えてください。 

担当O:まず、どことは言いませんが、原型のなかで増量されている部分が何箇所かあります。そして、アニメでも齟齬がないように設定が起こされていますが、原作版のスライムスーツの背面が見られるのはこのフィギュアが初ではないでしょうか?これは原作版のフィギュアならではの見どころです。また、東西先生のイラストとフィギュアとしての見栄えとを両立させるべく、勢い余って自分で面相をデザインしてしまったので気に入っていただけると幸いです。

まんぞくマモル:『陰の実力者になりたくて!』の世界観を忠実に再現し、イラストでは見えない角度も魅力的になるようにこだわって造形しておりますので、さまざまな角度からベータの魅力を存分にご覧いただけると思っております。

——購入を検討している方やファンの皆さまに一言お願いいたします!

まんぞくマモル:可愛くてかっこいいベータを作品の雰囲気そのままに再現しております!細部の意匠やディテールなどにもこだわり制作しているので、是非お手元にてご覧ください!

担当O:できるだけ東西先生のベータを再現できるように注力しましたので、作品やベータのファンのみならず東西先生のファンの方にもお楽しみいただきたいです。

 

商品情報

原作版 ベータ KADOKAWAスペシャルセット

作品名:陰の実力者になりたくて!
カテゴリー:1/7スケールフィギュア
価格(税込):26,950円
発売時期:2024年10月
仕様:プラスチック製塗装済み完成品・1/7スケール・専用台座付属・全高:約280mm
原型制作:まんぞくマモル(ロイスエンタテインメント)
彩色:taumokei
企画:エンターブレイン
制作:KDcolle(KADOKAWAコレクション)
発売元:KADOKAWA

特典

特製ビックサイズラバーマット(約400mm×700mm)

 

©2022 Daisuke Aizawa イラスト:東西

 

 

 

 

 

Profile

原型師・まんぞくマモル

株式会社ロイスエンタテインメント所属のフィギュア原型師として制作を行いながら、チームのディレクション、進行管理を行っております。2007年 玩具開発会社で初めて3Dデータを扱う仕事に触れ、2010年頃美少女フィギュア原型に携わり、以降多くのキャラクターフィギュア原型制作の担当をさせて頂いております。 

担当O

KADOKAWAでフィギュアの企画を担当の一人。現在は主に社内原作系フィギュアを担当。数年前に制作会社から当社の企画へ移ったため、製造スキルは皆無だけどなんかなっているので、弊社の求人が気になる方はお声掛けください。