【スカルプターズ・データベース】素材の良さを活かし不要になった木材にもう一度命を宿す 加治聖哉

フィギュア、ゲーム、CM、映画、そしてアートのジャンルで最も造形力のあるスカルプター・原型師を集めた、最新データベース創刊!

手のひらサイズから20m超の大作までを全て廃材で作る
加治聖哉 Profile


加治聖哉とその利き手

加治聖哉

廃材再生師/artist
1996年生まれ。新潟県村上村出身。
長岡造形大学を卒業後、(有)カイカイキキに在籍。現在は廃材で原寸大サイズの動物を作るアーティストとして独立。

Twitter:@scrapanimal
Instagram:@19960308sk

web:https://seiyakaji.com

 

最新作

「猫」

私は猫が大好きですが、猫アレルギーで自宅で飼育することが叶いません。でも愛でたい、遊びたいので作りました。10ヶ月くらいの子猫と成猫の間くらいの遊び盛りの時を表現。いずれ本物をお迎えします。

使用材料:ワイン・シャンパンコルク、木工玩具の端材、建築廃材、かんなクズ、合板の端材、フローリングの切れ端

代表作


「神籬」


「麒麟」


「座頭鯨」

2022年で一番変化したこと

体育館くらいの倉庫をお借りして大きい個展イベントを開催できたことや応援してくれる方が増えてきて褒めていただくことも多くなって俄然やる気が出ますね(笑)。

2022年で一番よかった資料

『もののけ姫』です。何度も見て、何度も「あの山犬に乗りたい」と思ったので「神籬」を作りました。

2022年で一番感動した作品

大地の芸術祭出展作品の「LOST #6」(作:クワクボリョウタ)ですね。あれは何度観ても感動します。

INTERVIEW

——小さい頃なりたかったものは?

大工の祖父に憧れて、大工さんになりたかったです。

——最初に造形したのはいつですか?

おそらく4歳くらいかと思います……。
祖母がティッシュやお菓子の空き箱などを取っておいていたので、この頃から捨てるものを材料に工作していました(笑)。


幼少期に制作した作品

——出身校と、学生時代にはまっていたものを教えてください。

村上桜ヶ丘高等学校。
この頃はアニメやゲームなど、特に『モンスターハンター』にハマっていたので、作るものはそれらに影響されたものが多かったですね。紙粘土でフィギュアを作ってみたり、武器とか作ってました(笑)。

——いつ頃からアーティストを目指しましたか?また、本格的に造形した最初の作品を教えてください。

本格的にアーティストを目指したのは5年前です。小さい頃から何かを作る仕事に就きたいとは思ってました。カイカイキキで働きながらトップレベルの現場を体感し、退社後地域おこし協力隊をしながらアーティストとして独立することを目指していました。本格的かは分かりませんが、今のスタイルで制作し始めた作品は「雄鹿」です。


「雄鹿」

——落ち込んだ時に聞く音楽、もしくは見る映像は?

落ち込むことはあまりありませんが、作業中はその時流行ってる曲のヘビロテか、YouTubeで漫才やコント(サンドウィッチマン、東京03、パンクブーブーなど)、あとはアマプラ等で一度見た映画やアニメを丸々BGM代わりに流してます。

——造形するとき一番こだわられていることは?

廃材らしさを残しながら作ることですね。
あえて磨いたりせず、受け取った材料のまま使用することで、当時の歴史や文化、思い出などの人の軌跡を受け継ぎ、動物に生まれ変わらせたいと思いながら作っています。

——現在、メインでお仕事されているジャンルは?

立体造形です。

——今後の野望を教えてください。

世界進出です。国内もまだまだ展示してみたいですが、将来的には海外でのアートフェアの参加や個展を開催してみたいですね。人がやっていない面白いことをこれからもやっていきたいです。

Data

最近はまっているもの

キャンプとスノボです。全然ガチ勢ではないですが、楽しいです(笑)!

影響を受けた(大好きな)漫画・アニメ

『ジュラシック・パーク』、『ゴジラ』、『エヴァンゲリオン』、『アクタージュ』、『勇者ヨシヒコ』、などです。

1日に造形する平均作業時間

だいたい5時間くらいです。