【原型師INTERVIEW 番外編 】おねむたん チェンソーマン発売記念「おねむたん」制作秘話インタビュー!

スタンド・ストーンズの大人気シリーズ「おねむたん チェンソーマン」が10月27日より発売開始!2019年に『鬼滅の刃』で始まり、多くの人を魅了してきた「おねむたん」シリーズ。企画担当の佐藤涼子さんに制作秘話を伺いました。

INTERVIEW

——おねむたんシリーズを制作しようと思ったきっかけについて。

私は前職でもガチャガチャの制作を担当していまして、今の会社でもシリーズもののガチャガチャフィギュアを作りたいと考えていました。
当時はまだ寝ているコンセプトが少なかったので、お布団にくるまって寝ている表情でフィギュアを作ったらかわいいかな、というのが原点です。お布団に入っている部分の彩色を減らせる分、顔はどのカプセルフィギュアよりも大きくかわいいものを、という考えでシリーズを制作しています。

——おねむたんシリーズの企画から実現までにかかったお時間は?

1年くらいですかね。昨今のガチャガチャ市場は女性のお客様が多いこともあり、女性を含め多くのそうに人気のあるタイトルを待っていました。

——作品によって異なる布団の種類はどのように決められていますか?

最初に出した『鬼滅の刃』が和布団だったので、続く『リゼロ』などのタイトルは差別化するために毛布などをアレンジしています。ただ、最近は原点回帰して和布団って可愛いな、という感じで増やしていますね。

——デフォルメフィギュアの目に星を入れようと思ったきっかけについて。

このシリーズとは別にラバーやアクリルのデフォルメフィギュアを作る企画があり、イラストレーターさんと目のデザインを考えている中で思いつきました。企業ロゴの『STASTO』に“STA”が入っており、「星」とリンクするなと思いつき、描いてみたら新しくていいかも!となりました。以降、弊社のデフォルメフィギュアには共通で星を入れていて、「スタンド・ストーンズ』のことは知らなくても目が星のデフォルメをやっているところのフィギュアだ!と商品で気づいてもらえればいいなと思っています。

——星以外にも他作品と差別化をしているところはありますか?

非公式のファングッズに見えないよう、公式感が強いデフォルメを最初から心がけていて。目の星以外は公式のデフォルメとして配布されてもおかしくないぐらいスタンダードな感じに仕上げていこうと意識しています。社内のデフォルメシリーズはどれもラバーやアクリルで頭身や雰囲気を変え、どれを買っても楽しめるように考えています。

——各キャラクターの衣装やポーズ、表情はどのように決めていますか?

基本は大ラフを描いて、イラストレーターさんがそれをベースにキャラデザインを行なっています。シリーズ続編の場合、大ラフは必ず描いていますね。ただ、イラストレーターさんが作品を好きな場合は雰囲気だけ伝えてあとはお任せします。

——そのラフを描くときに意識していことは?

ガチャガチャなので、複数購入したいと思えるデザインを意識しています。フィギュアならば、実は目線が合っているとか。おねむたんもアースカラーと通常カラーでリンクしているなど、シリーズものだったら前回とのバランスを考えています。

——キャラクターをデフォルメにする上で気をつけていることは?

作品のイメージから逸脱しない、あくまで原作を踏襲して壊さない感じのデフォルメにすることは気をつけています。女子しか買えない!みたいなものにはせず、男女ともに買いやすいものに。かわいすぎるポーズも避けています。

——キャラクターの表情についている漫符をつけようと思ったきっかけについて。

『鬼滅の刃』は作品的にも多く入っていたこともあり、原型用のデザイン画にも細かな線がたくさん描いてありました。なので、省けるところは省いて表情として重要なクマや汗は残しています。

——制作のワークフローについて。

今月が終わったら来月、来月が終わったら再来月、みたいにずっと締め切りがある中で新しい商品を考えたり、作家さんとの企画をしたりといくつも同時進行でやっています。商品化したい作品の許諾がいただけたら企画を進行し、随時マンネリ化しないように。「おねむたん」「キャラばんちょうこうラバーマスコット」「デコラPIC」は一通りやってみようと動いています。

——佐藤さんおすすめの飾り方はありますか?

作品によって異なりますが、『鬼滅の刃』はミニチュアの畳を買って飾っていました。

——『劇場版 呪術廻戦0』の禪院真希のメガネが立体になっていますがあれはどのようにきまったのでしょう?

あれは大変だったんですよ!
四角い眼鏡だと下の方に描いてもいいんですけど、丸メガネって線で描いたらおかしいし、眼鏡の上に目があってもおかしい。クリアの成型パーツで再現も考えたんですが透明度が出せない懸念があり……ということで差し込み式の薄いクリアパーツに決まりました。

——おねむたんシリーズ最大の見どころは?

カプセルフィギュアの中ではサイズが大きく、その割にはお手頃価格なところです。わ~お得!豪華!と思ってもらえると嬉しいです。

——今後おねむたんシリーズで展開したいものについて。

たくさん商品化しているのですが、ずっと買ってくださっている方がいらっしゃって、本当に感謝です!おねむたんシリーズは続いていくので引き続きよろしくお願いします!これを作って欲しい!というご意見もちゃんと読んでいますので、ご要望お待ちしてます。

「おねむたん チェンソーマン」について

——『チェンソーマン』を制作しようと思ったきっかけについて。

自分が商品化したい作品を結構制作させていただいているんです。ジャンプ作品が大好きなので『チェンソーマン』のアニメ化が決定した時点で早めに動いていました。

——「おねむたん チェンソーマン」の見どころは?

おねむたんはお布団から起き上がっていたり、うつ伏せで顔だけ出ているポーズが多いのですが、『チェンソーマン』ではパワーなど今までにないポーズにしています。販売が好調だったらアースカラーもやりたいなと思っていますね。全部目を閉じてるとつまらないので、通常とアースで半々になるように作っていて、全部集めると、より楽しめるものにしたいなと考えています。

——「おねむたん チェンソーマン」の購入を検討しているみなさんに一言お願いします。

他社さんからも『チェンソーマン』の素敵なフィギュアは出されていますが、おねむたんも、ぜひ集めてみて欲しいなと思います。

商品情報

おねむたん チェンソーマン

価格:1回 300円(税込)
発売日:2022年10月27日

Profile

佐藤涼子

株式会社ユージンにてカプセル商品の企画に従事。
2016年に設立したカプセル玩具メーカー『スタンド・ストーンズ』にて商品企画を担当。
代表シリーズ:『おねむたん』『キャラばんちょこう』『デコラPIC』『ここみえ』『アニマルアトラクション』他。