テレビ番組やSNSで注目を浴びているキボリノコンノさん。
SNSでは、13万いいねがついた『納豆』だけではなく、明治とコラボした『十勝カマンベール』や『溶けかけの氷』など魅力的な作品も盛り沢山!投稿作品を見た人はダマされてしまう人もいるようです…。
今回、キボリノコンノさんに作品の制作裏話や制作する上で大事にされていることなどをお聞きしました!
INTERVIEW キボリノコンノ
——木彫りを始めたきっかけが、「コロナ禍で卓球の練習ができなくなりそこで家にあったコーヒー豆を見て作ろうと思った」ということですが、なぜコーヒー豆だったのでしょうか。
最初は特別食べ物とか理由がなかったんですけど、コーヒーを淹れるときに「硬くて木みたいだな、なんかこれ木でできそうだな」って思ったんですよね。家に小さい木材のカケラがちょうどあったので、彫ってみたら結構そっくりに彫れて、それが楽しいなって思って木彫りを始めました。
——静岡文化芸術大学ご出身ということですが、彫刻関連の学科だったのでしょうか。
全然芸術というかアートは全くやっていなくて、大学時代はデザインを学んでいました。家具や家電とかのデザインを主に学んでいたので、彫刻とか絵を描いたりはしていませんでした。
——着色の仕方は独学で学ばれた?
そうですね。
何も勉強はしていなくて、『溶けかけの氷』では「どうやって作ろうかな」って考えたときに、本物の氷の写真を撮っ
——『溶けかけの氷』の制作時間はどれくらいだったのでしょうか。
失敗作とかを含めると15時間くらいですね。
——制作する際にラフは描かれていますか?
あまり細かく下書きを描いたりはしてないですね。
たとえば『木彫りのたい焼き』だと、本物のたい焼きを木の上に乗せて、外径線を描いてみて、木を切ってそこから本物のたい焼きを横に置きながら、そっくりになるように作っていくって感じです。
木彫りのたい焼きができるまで#木彫り #彫刻 #アート #たい焼き #woodcarving pic.twitter.com/wa2tCAJjb5
— キボリノコンノ (@kibori_no_konno) January 29, 2022
——作品のテーマを選ぶ際に重要視していることや決め手などはありますか?
自分が好きなもの、食べたいものっていうのを大きいテーマにするのがひとつで、もうひとつが見た人に驚いてもらったり楽しんでもらったりしたいなっていう気持ちがすごく強いです。
食べ物が木からかけ離れている素材感の食べ物や、柔らかかったり、とろけてたり、熱そうに見えたり、そういう“形”だけじゃなくて、五感で楽しむところとかも表現できたらいいなって思いながら選んでます。
——滑らかさや柔らかさの表現のコツとは。
形はまず似たような形に彫ることと、そこから着色でどれだけ似せらせるか。っていうのがすごく大きいです。形だけだとどうしても木の塊に見えちゃうんですよね。なので木の質感を着色によって表現するっていうのが重要で。普段絵の具を使うことが多いんですが、絵の具のほかにもニスを一部分に使ってツヤ感を出してみたりだとか、着色する材料を変えながら表現してます。
——水彩絵の具とアクリル絵の具だけでは見た目が違くなる?
アクリルのガッシュとかは結構マットな感じなったりだとか、水彩だと木に染み込んでいくんですよ。そうすると木って水含むとバサつくんですよね。なので、わざとバサバサしたいときは絵の具にします。水を多めに含ませて多めに着色したりだとか、あとはツヤ感を出したいときはなるべくアクリル絵の具を使ってベタ塗りで塗ったりだとか。モノによって変えてますね。
——木材もこだわっているのでしょうか。
そうですね。
やっぱりものによって水を含むとパサつきやすいものとツルツルになるのがあって、なのでモノの表面の見え方をツルツルにしたいときは固い木を選んだり、パンみたいにふわふわさせたいときは柔らかい木を選んだりしています。
——これまでに制作された作品の中で一番難しかった作品はありますか?
『溶けかけの氷』はやっぱり難しかったですね。ほんとに透明になるのかなって思いながらずっとやっていたので、すごく難しかったです。あとは『カップヌードル』を作ったときは単純に作業が難しくて、細い麺を立体的に交差させたり上下をさせたりだとかを彫り込むっていうのがすごく時間がかかって、とにかく大変でしたね。
麺1本1本から具材ひとつひとつまで本物と見比べて彫り上げました。
着色はせず木の素材の色を生かしています。麺:ヒノキ
謎肉:ウォールナット
エビ・たまご:シナノキ
ネギ:さくら pic.twitter.com/nsUE706Ii1— キボリノコンノ (@kibori_no_konno) February 5, 2022
——カップヌードルの制作時間はどれくらいでしたか?
20時間くらいかかってますね…。二度とやりたくないです(笑)。
——制作中に失敗はあったのでしょうか。
失敗はなかったんですけど、とにかく麺を立体にするっていう作業を何回も同じ繰り返してやっていたので「逃げたい〜」「早く終わりたい〜」みたいな感じでしたね(笑)。
——使用している道具や木材を教えてください。
ルーター(左) バニーコルアート Liquitexソフト(右)
HiKOKI 卓上糸のこ盤(左)京セラ ベルトディスクサンダ(右)
——ワークフローを教えてください。
①作品の題材選び
これが一番悩む部分で、スーパーに行って食品を買いながら題材選びをしています。
②木材を選ぶ
③下描きを簡単に木材に直接描く
④ノコギリなどでざっくり切る
⑤ベルトサンダーで形を大まかに削っていく
⑥彫刻刀で細かく彫る
ルーターも使用。
⑦着色
⑧完成
——キボリノコンノさんが憧れている人は?
父で〜す!
僕が工作を好きなったのは、父の影響で何かを作ったり、木を使って作ったりしている姿をずっと子どもの頃から見ていて。よく「これ使ってみな」とか、道具をもらったりもしていました。父の影響で自分も真似したりしていたんですよね。
今でも作品を作ったあとに必ず父に見せているんですよ。僕は褒めてもらえるのを期待しているんですけど、「ここもうちょっとこうじゃない?」とか毎回言われるんですよね(笑)。自分も「マジかー」とか思いながら(笑)。でも的確なアドバイスをくれて、より良い作品になったりするので本当に超えられない存在ですね。
——今後の野望はありますか?
野望は全くないです!(即答)
楽しくできていれば、それで幸せという感じです!
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キボリノコンノ
「あっ驚くものをつくる」をテーマに、
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