「動物×植物」をモチーフに粘土造形を制作している山羊蔵さん。
どの角度から見ても美しく、まるで違う世界に入り込んだように圧倒的で生命力を感じる作品ばかり。
近年ではフランスやギリシャなどでも展示会を開催するなど、日本だけではなく海外も注目するアーティスト!
今回、山羊蔵さんに作品の制作秘話や、山羊の魅力などをお伺いしました!
INTERVIEW 山羊蔵
——造形をはじめたきっかけを教えてください。
幼少期から作ることが好きでした。小学生の頃の夢は美大に行くこと。それでも全く迷わず造形まっしぐらではなく、本気で作家に生きようと思ったのは28歳の時です。作家の道を選ぶ覚悟がやっとできたタイミングでした。
——「山羊蔵」という名前の由来を教えてください。
大学院の研究テーマがヤギでした。
「蔵」をつけたのは、蔵には夢が詰まっていると思うから。
——生き物×植物(花)というコンセプトで制作されていますが、その経緯を教えてください。
形をデフォルメした動物造形から始まり、途中から生き物の力強さや生命力を強調するために植物を使い始めました。今では空間を作るという意味でも、植物の要素が大きな役割を持っています。
——作品と一緒に花や植物を選ぶ際の決め手を教えてください。
イメージと合うか、合わないかです。
——デザイン案と植物どちらを先に考えて制作するのでしょうか?
作品によります。モチーフありきで作ることもあれば、この植物を使いたいと思って作ることもあります。動物と植物のイメージを掛け合わせて始めることもあります。
「紅焦がれ」は赤い梅と黒いウサギの対比を作りたくて、「舞柳」は泳ぐ金魚の尾鰭を枝垂れさせたくて作った作品です。
——制作〜完成までのワークフローを教えてください。
(例:「竜宮」)
——山羊蔵さんにとって動物の魅力とは。
フォルムです。
私は動物好きというより動物のフォルム好きです。戯れるより見ている方が好きです。でも剥製は苦手です。
——山羊でもたくさんの種類がいますが、山羊蔵さんはどの山羊がお好きですか?また、お気に入りのツノも教えてください。
それぞれ魅力的です。
特徴的な螺旋状のツノを持つマーコールは間違いなくかっこいいし、シロイワヤギはヤギとは思えないかわいさ。カシミアで有名なもふもふのカシミヤヤギはビジュアルも最高です。広義でいうとアイベックスのツノは凹凸がたまりません。私たちの目につきやすい飼育下にあるヤギは除角されている場合が多いですが、雑種でも大きく立派なツノを持つヤギもいます。そして子ヤギはピョンピョン跳ねてえらくかわいいです。
お気に入りでいうと、横に張ったツノが好きです。造形では幅が出過ぎて置き場所に困るのでなかなかできません。
——お気に入りの作品がありましたら教えてください。
大きい造形が好きなのですが、ずっと納得できないまま作り続けているので、お気に入りがありません。
——次に制作してみたい動物は?
クジラ。夏までに制作予定。
——山羊蔵さんが憧れている人は?
生のものを表現できる人。舞台、ミュージカル、朗読、ダンス、音楽、などなど。
一回限りの、その一瞬、その場でしか体感出来ない空間、空気感を表現する人に憧れます。
——今後の野望はありますか?
いろんな方に作品を楽しんでいただくようになって、最近野望が2つできました。
1つ目は立体のサブスク。
立体作品は絵画ほどコンパクトにならないので、サブスクでいろんな作品を身近に楽しんでもらえたらいいなと。
2つ目は収蔵展。
いつの日か、過去作品を一堂に会した収蔵展ができたらと。
どちらも相当な労力とコストと協力が必要なので、野望です。名を売りたいとか世界で活躍したいとか全く思わなかったのですが、野望のために頑張ります。
Profile
山羊蔵(YAGIGURA)
Twitter:@yagigura
1989 東京都生まれ
2015 女子美術大学大学院博士前期課程工芸研究領域[陶]修了
2018 「山羊蔵」名義で活動
【収蔵】
株式会社チャーム・ケア・コーポレーション
株式会社BACON
佐久市立近代美術館[油井一二記念館]
【個展】
2019「山羊蔵展2019」ギャラリーなつか、京橋
2020,2022「山羊蔵展」DESIGN FESTA GALLERY、原宿
【展示】
2019「Japan Art Festival in Athens 2019」Megaron Athens International Conference Center、ギリシャ・アテネ
2020「Salon Art Shopping Paris」Carrousel du Louvre、フランス・パリ