「大畠雅人のZBrushおすすめプラグイン紹介」①Human Zbuilder v3

ArtStationにたくさんあるZBrush用プラグインから、大畠雅人が本気で使えるブラシやプラグインを片っ端から紹介していく連載大畠雅人のZBrushおすすめプラグイン紹介」始動!第一回目は大畠さんの作品集『STRING』にも使われた、人の素体作りに激おすすめ「Human Zbuilder v3」を紹介。

ZBrush用プラグインの検索方法

  1. ArtStation(https://www.artstation.com/?sort_by=community&dimension=all)を開き、「Shop」>「Marketplace」をクリック。

  2. 「Software」から「ZBrush」を選択し検索。

プラグイン購入方法

購入したいプラグインを開き「Add to Cart」をクリックし購入に進む。

注意点

プラグインによってLicenseの種類が異なります。用途に合わせて適宜購入しましょう。

Human Zbuilder v3

はじめに

  1. 販売ページより購入、ダウンロードが完了したら「Zplugin」から「Zbuilder3」を選択し起動。

  2. ZBrushでスカルプトしている世界とは別にZbuilderが立ち上がります。画面右のパラメーターで調整していきます。

    デフォルトの素体

    操作するパラメーター

  3. 背景はグレーか黒か。
    グレー



  4. 見え方はFLAT、FASTCLAYSKIN。
    FLAT


    FAST

    CLAY

    SKIN

  5. サブディビジョンレベルもついていて5段階に調節できます。スライドでも「Lower Res」「Higher Res」ボタンでも変えることができます。

    サブディビションレベル1


    サブディビジョンレベル5

FIGURES

human partsのFIGURESでは体の基本的な調整ができます。

<Male>男性的or女性的
<Female>男性的or女性的な特徴を強調
<Young>子供or大人
<Older>若者or老人(シワが増えたり筋肉が重力に負ける)
<Muscle>筋肉がムキムキになる ※−は+で膨らんだ部分を凹ませているだけなのでガリガリになるわけではない

Muscle+


Muscle−

<Heavy>太る
<Skinny>痩せる
<Primate>猿になる

FORMS

human partsのFORMSではさらに細かいサイズ調整ができます。


<Arms Size>
腕の長さ


<Hand Size>
手の大きさ


<Finger Size>指の長さ


<Legs Size>足の長さ


<Feets Size>
足の大きさ


<Head Size>
頭の大きさ


<Nech Size>
首の長さ


<Torso Size>
胴体の長さ

HEADS

human partsのHEADSでは表情をつけることができます。


<Asian>
アジア人ぽく


<Afro>
黒人に


<Emotion>
怒った表情に


<Head Wide>
頭の大きさ


<Genitals>
性器

男性的

女性的


<Head High>
頭を細長く


<Eyes Close>
目を閉じる


<Mouth Open>
口を開ける

FACE

human partsのFACEでは顔の細かい調整ができます。

 

<Eyes Size>目の大きさ


<Eyes Type>
目と目の距離


<Mouth Size>
口の大きさ


<Mouth Type>
口の形

 

<Nouse Size>鼻の大きさ

 

<Nouse Type>鼻の形


<Ear Size>
耳の大きさ


<Ear Type>
耳の形

EDIT POSE

先ほど作ったモデルにポーズ付けができます。

  1. EDIT POSEを開く。

  2. 動かしたい関節をクリック、ドラッグでポーズを変更。

    本来人間では曲がらない方向にも動かすことができます。

  3. 「DONE POSE」をクリックしさっき作ったモデルにポーズを当てはめる。

 


この画像のように人間の可動域もポーズでも関節などは潰れているだけになってしまい動かさない方が良いくらいのモデルが出来上がります。なので、Zbuilderでポーズ付けをすることはないです。作りたいモデルを作ったらTポーズのままZBrushに移動させ自分でポーズをつけていきます。先に分割をして自分でひじや膝など曲げていった方がいい感じになると思います。

GET MODEL

作ったこの素体を使ってZBrushでモデリングするときはGET MODEL>OKでZBrushに戻ってきます。

サブツールにベース(台座)と人間が追加されています。ベースはいらないので消します。

Zbuilderにもあった5段階のサブディビジョンも適用されています。

このモデルを使うのであれば自分で分割して手は手、ひじはひじで組み立ていくのがいいと思います。

——最初からZBrushで作るのとこのモデルを使ってポーズ付けをしていくのはどちらが早いですか?

作るものによりますけどリアル系のマッチョなキャラクターを作ってくださいと言われたら、とりあえず原型師はTポーズから作ると思うんです。ここに服を着せてシミュレーションをして最後にポーズをつける人が多いですし、僕も仕事でキャラクターを作る時はまずTポーズから作ります。なので特にそのベースにも使えます。ポーズに関してはDaz Studioの方が優秀ではあるのでポーズ付けはDaz Studioをおすすめします。素体の作れる幅の広さを重視するのであればZbuilderがおすすめです。

Profile

大畠雅人

1985年生まれ、千葉県出身。武蔵野美術大学油画科 版画コース卒業。2013年株式会社エムアイシー入社。 デジタル原型チームに所属し、数々の商業原型を手 掛ける。2015年のワンダーフェスティバルで初の オリジナル造形「contagion girl」を発表。翌年冬 のワンダーフェスティバルで発表したオリジナル2作目の「survival01:Killer」は豆魚雷AAC(アメージングアーティストコレクション)第7弾に選出される。ワンダーフェスティバル2018上海プレステージでは日本人招待作家に選出。2022年、NHK『おかあ さんといっしょ』人形劇「ファンターネ!」のキャラクターデザインを務める。現在はフリーランス原型師として活躍中。

Twitter@shiyumaimai
instagram@shiyumaimai

『STRING 大畠雅人アートワークス・造形テクニック』好評発売中!

160ページ
定価:本体2,700円+税
発売・発行:ボーンデジタル