2021.05.13

タナベシンの美術系のための英会話講座⑲全編英語字幕付き!英語で作品紹介/大山竜「駆虫の戦士」メイキング前編

全編英語で粘土造形のメイキングを解説!

隔週水曜日は、アメリカで12年間フィギュア原型師として働いていた造形家のタナベシンさんが、SNSで使える英会話をレクチャー!

今回も引き続き全編英語で日本のアーティストの造形作品をご紹介。『SCULPTORS 02』より、以前紹介した大山竜さん『駆虫の戦士(Bug Warrior)』のメイキングを英語で解説します!

原文の直訳ではなく英語的表現に直してから翻訳しているので、『SCULPTORS 02』をお持ちの方は、「日本語原文→英語→日本訳」でどのように英語的表現に変化したのかを比べると、参考になること間違いなしです!

日本語訳はこちら

どうも皆さん!また面白い造形動画に帰ってきましたよ!ご参加ありがとうございます。

今日は『SCULPTORS 02』から大山竜さんの「駆虫の戦士」のメイキングをお届けします。
竜さんはこの業界でも屈指の造形家で、彼がどうやって作品を生み出しているのかを見ることはとても面白いです。

それではいってみましょう!

「駆虫の戦士」メイキング

材料:グレイスカルピー、タミヤエポキシパテ、アルミ線、ピアノ線、真鍮線、木製台座、ラッカー塗料、エナメル塗料、アクリルニス

左:最初のイメージカット
中:2015年制作「虫の兵隊」
右:2017年制作「虫の戦士」
これらのイメージをミックスして拡げました。

「次回はイケメンにしてください!」と編集部に言われましたので、今回はイケメンにしました。彼らは僕の作品集や『超絶造形作品集』も手掛けていて、毎回好きなように作らせていただいてたんですが、今回は彼らの意見を取り入れようと思いました。

なぜなら、『SCULPTORS 01』で僕が作ったのは、ゴキブリクリーチャーの死骸という多くの読者には結構キツい物だったんですね。ゴキブリは隣人なんですがどうやら世間はそう思っていないと気づきました。高木アキノリさんからも「ゴキブリって……」みたいなリアクションをされました。

というか、そういう意味で「01号」では僕のゴキブリよりも竹谷さんのクトゥルフのメイキング記事のほうがインパクトがあったと思います。読んでない方はぜひ読んでください!

ということで、今回はリクエストにお応えしてイケメンを作ることにしました。僕もイケメン好きだし。でも僕のメインジャンルはクリーチャーなのでその要素を入れるべきと思い、「イケメンなゴキブリを作ろう!」と決定しました。

【構造】
グレイの部分はグレイスカルピー、黄色の部分はエポキシパテ、金属部はアルミ線とピアノ線。胸部の武器の柄の部分にはマスキングテープを巻いてあります。

1. 持ちやすいように木片の上で造形します。先ずは表面にタミヤラッカーパテを塗って乾かします。そうすることでスカルピーがよく食いつきます。「Tゾーン」と呼ばれるおでこと鼻のラインから始めます。

2. 顔の厚みに気を付けます。つり目で切れ長という目が僕の中でのイケメンの定義です。ヘラでの作業の後はラッカーシンナーを筆で塗って表面を均します

3. 顔を焼成後、アルミ線の芯に固定します。胸部の白い物はエポキシパテ。僕の工程は上部から下部へ作っていきます。そうすると身体のバランスがよくなります。

4. 全体に少しずつスカルピーを盛っていきます。最初はやせ型の人物を作り、それから好みの体格になるまで盛ったり削いだりしていきます。

 

というわけで今回はここまでです!竜さんの解説は英訳するのになかなかのチャレンジでしたよ(笑)。パート2もすぐに用意しますので、それまでお待ちください。それと、もしなにかリクエストがありましたらぜひコメント欄にお願いします。

ではまた!

 

 

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タナベシン
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