2020年9月30日に配信を開始し、ユーザー数1000万人超えの大人気モバイルリズムゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク』（通称、プロセカ）。初音ミクたち“バーチャル・シンガー”とオリジナルキャラクター20名による青春ストーリーが楽しめるリズムゲーム。

今回は、Vivid BAD SQUADのオリジナル楽曲「街」（作詞・作曲：jon-YAKITORY）の3DMVをメインに、振り付けと演出・カメラワークについての制作秘話を公開！【振り付け&ダンス編】では株式会社ソリッド・キューブのディレクター・打上隼己さん、振付師兼アクター・新舞美さん、アクター・Jakkoさん、奥山敬人さん、村上雅貴さんにお話を伺いました！

INTERVIEW

――今回の振り付けのコンセプトを教えてください。

新舞美（以下、新）：大まかなストーリーだったり楽曲に対する構想は事前にセガさんからいただいていました。今回は（白石）杏ちゃんがメインの楽曲なので、街を一つにしていくような杏ちゃんの様子をメインで出せたらいいなと思い振り付けをさせていただきました。Vivid BAD SQUADがダンスもありつつ歌唱メインのユニットですが、この楽曲に関しては他の曲に比べて少しダンスのボリューム感を減らして、歌唱に振って作っています。

――振り付けを考える際は何を意識されていますか？

新：印象に残るように、というのは意識しています。象徴的なポーズを振りの中で入れたり、コールを入れたり、みんなで踊れるような、「『街』といったらこれだよね」と思ってもらえるような振りを意識して作りました。

――ワークフローについて。

打上隼己（以下、打上）：まず、セガさん、Colorful Paletteさん、クリプトン・フューチャー・メディアさんの製作委員会で曲が決まったあと、書き下ろし曲についてはシナリオのラフをいただきます。それらを確認しながら自分がモーションアクターをキャスティングして振り付けを開始します。

――書き下ろし曲の場合、キャスティングから振り付けが決まるまでどのくらいですか？

打上：振付師と「こういう楽曲とシナリオで依頼があったから振り付けをして欲しい」と打ち合わせをしてから1週間程度でリハーサルになりますね。

――リハーサルから収録まではどうでしょう？

打上：だいたい収録の1週間くらい前にリハーサルをしています。

――インスピレーションは何から得ていますか？

新：基本的には曲とストーリーですね。

奥山敬人（以下、奥山）：あとは降りてくる？（笑）

新：降りてくることもあります（笑）。

打上：他の楽曲では手話を入れたりもしていますが、基本的には音から拾ってきています。シナリオでこういうことがあったからこの2人は近くに置きたいよね、とかそういうものの集合体が書き下ろし楽曲の3DMVだと思います。

――公式YouTubeで公開された3DMVでは、Vivid BAD SQUADでは珍しく女の子が膝丈のフレアスカートですが、衣装も意識されて振り付けを考えていますか？

打上：基本的にはキャラクターのデフォルト衣装で成立するように作っています。3Dモデルなのでキャラクター同士の接触だったり片膝立ちなど、CG的に苦手な動きは避けています。

――それぞれのパートで1人ずつ歌っているところなどの振り付けはどのようにされていますか？

新：今回の街では「ガラガラの〜」から始まる一連の部分は「街」よりも前に実装された「シネマ」や「ミライ」「Flyer!」を遡って確認して、その時の動きを取り入れようと提案をしたりしています。

打上：杏ちゃんが街をまとめるというコンセプトは伺っていたので、これまでに収録された楽曲の振りを杏ちゃんが順番に一緒にやることで、まとめているという見え方になるように狙っています。

――最後の杏ちゃんとほかのメンバーとのシーンはどう決まりましたか？

新：リハーサルの時に各キャラクターの動きを決めていくのですが、例えばこはねちゃんと杏ちゃんのハイタッチは事前にこうしようと決めていたわけではなく、収録時に考えられたものです。決められた動きを正確に再現していくだけでなく、その場で生まれたものも採用していく形で完成させました。

――杏ちゃんがマイクを持って歌うシーンについてはどうでしょう。

新：この動きを決めたのはリハーサルの時なんですけど、、曲の終盤でマイクパフォーマンスを入れたいというのは事前にいただいていて、どんなふうに入れようかと考えている時に杏ちゃんの★4イラストを再現できたらいいね、となってこのシーンが生まれました。

――リハーサルをしてどんどん変わっていく箇所もありますか？

新：何パターンも作ってみて確認していただきながらやっているので変わりますね。

――特に見てもらいたい推しポイントを教えてください。

Jakko：私は冒頭です！

村上雅貴：キャラクター性を大事にしているので……全部です（笑）！でもAメロの1人ずつ歌うところは、杏ちゃんが後ろにきてくれて信頼関係がわかるので好きなポイントです。

奥山：ビビバスの仲間感というか、今回は杏ちゃんがメインの曲だったので最後に1人ずつ杏ちゃんとアイコンタクトをしていくシーンが結構好きです。毎回、各キャラクターがメイン曲の時にその子にそれぞれの想いをぶつけていく感じがあり、「街」ではそのシーンが一番強く出ているところだと思います。あと、「針が落ちていく」の部分の振りも好きです！

新：村上くんが言ってくれたような、Aメロでみんなの背中に寄り添っていく杏ちゃんは自分の中でも大事にしています。サビ前で少しずつクラップが増えていくところは動きとしてはすごく単純なんですが、街を一つにすることであったり、みんなが一つになるということで、誰が見ても連鎖して見える。楽曲としてもそうですし、ストーリーの大枠をいただいた時に何かが増えていっている様子を出せたらと思っていたので、そこも見どころです。

今回は、「街」の演出・カメラワークを担当されたマーザ・アニメーションプラネット株式会社の担当者にもお話を伺いました！こちらもあわせてお楽しみください！

© SEGA / © Colorful Palette Inc. / © Crypton Future Media, INC. www.piapro.netAll rights reserved.

Profile

株式会社ソリッド・キューブ　モーションアクター　新舞美

モーションアクター・振付師。
アクター兼振付師として数多くの作品に参加し声優イベントでは振付の講師も務めている。
「プロジェクトセカイ」では「街」の他「にっこり^^調査隊のテーマ」「星空のメロディー」「Journey」の振付を担当。
X：@aileen1218maimi

株式会社ソリッド・キューブ　モーションアクター　Jakko

モーションアクター。
バックダンサーとしてアリーナでのステージを経験し現在はモーションアクターとして数多くの作品でヒロインを担当し活躍中。
「プロジェクトセカイ」では「DAYBREAK FRONTLINE」の振付を担当。
X：@jakko_the_sun

株式会社ソリッド・キューブ　モーションアクター　奥山敬人

モーションアクターとして数多くの作品に参加している傍ら、
関連会社のスタイルキューブにて声優としても活躍中。
「プロジェクトセカイ」では「シネマ」「仮死化」「群青讃歌」の振付を担当。
X：@okuyama_keito

株式会社ソリッド・キューブ　モーションアクター　村上雅貴

モーションアクター・振付師。
TV・CM・舞台でのダンサー経験を活かしモーションアクターとして幅広く多数の作品に参加し活躍中。
「プロジェクトセカイ」では「イフ」「DREAM PLACE」「ザムザ」の振付を担当。
X：@MAKKY_makky1

株式会社ソリッド・キューブ　クリエイティブディレクター　打上隼己

ソリッド・キューブにて「プロジェクトセカイ」全般の振り付け、演技モーションのディレクションを担当。
他作品でも振付、演技モーションの進行及びディレクションを中心に参加。

『街』（作詞・作曲：jon-YAKITORY）